見出し画像

088. 子育て十牛図|第七図 『到家忘牛』|もうお月様にお願いごとをしなくてもいい

一日一描。

今日は子育て十牛図第七図です。

十牛図(じゅうぎゅうず)は、悟りにいたる10の段階を10枚の図と詩で表したもの。子育て十牛図とは、それを子育ての段階に当てはめて描いてみたものです。

詳しく読みたいからはこちらからどうぞ。

第七図は『到家忘牛』とうかぼうぎゅう・或いは『忘牛存人』 ぼうぎゅうぞんにん

画像1

(出典:Wikimedia Commons User:MichaelMaggs)

牛に騎って已に家山に到ることを得たり
牛も也た空じ 人も也た閑なり
紅日三竿猶お夢を作す
鞭縄空しく頓く草堂の間

(訳)
牛にまたがって、私は我が家にたどりつく
私は穏やかだ。牛も休むことができる
夜明けが至福の休息のうちに訪れた
私の草屋の中で、私は鞭も手綱も捨ててしまった

とうとう家にたどり着きました。あんなに追い求め、てなづけることに必死になっていた牛は小屋に入れたまま存在を忘れ、もう鞭も手綱も必要ありません。
牛として現れていた教えや自己の本質と人として現れていた自己。この二つは統合され、全ては望むままです。苦労してたどり着いたこの夢のような場所は居心地が良く、ずっと留まっていたくなるかもしれません。

でも、この場所に留まり続けることは傲慢になりやすい、というリスクもはらみます。
この先へ進むには、「飽きるまで全てを体験し尽くす」ことが必要です。


私の第七図 『もうお月様にお願いごとをしなくてもいい』

画像2

今私はこの状態にはありません。しかし、こんな方向に向かっているんだろうなぁ、こんな感じの未来が自分にはあるんだろうな、というビジョンがあるのでそれを綴ってみます。

「クリエイティビティとは何か?」
何かを作りたい、ずっと生み出していたい、という自分の深いところからやってくる衝動に突き動かされるように思いっきり突っ走ってきた。

そして、時間も、お金も、資源も、交友関係も、仕事も、全ては思い通りになった。

日常生活を通して、今まで毎瞬毎瞬、私はたくさんのものを作り出し、その度に喜び、悲しみ、怒り、失望し、いろんな感情を味わってきた。

今その全てが溶け込んでいく。
美しい月が照らすまどろみの中に溶け込んでいく。

絵の具もキャンパスも、文章もパソコンも、毎日の料理も下手くそなおやつも、書き殴ってきたメモも大好きな本たちも、全部溶け込んでいく。

自分が作ってきたものも、出来事も、大好きな人との時間も、全て溶け込んでいく。

私はただただ縁側に座って遠くから闇夜を煌々と照らす綺麗な月を眺める。

雲隠れしていた月が顔を出し、輝くように、私の中のビジョンがクリアになり、私を、私の周りの大気を煌々と照らし包んでいく。

全て叶ってきた。もう外側に何にも願い事を放つ必要はない。
もう、お月さまにお願いごとをしなくてもいい。

月は自分の内側にあるのだから。


娘のアナ雪と十牛図

画像3

画像4

小さかったオラフがどんどんと大きくなってゆく。
彼女にとって、オラフは夢の世界の住人なのかもしれない。


*******

*******






生きていく場、暮らしの場、すべてがアトリエになりますように。いただいたサポートはアトリエ運営費として大事に活用させていただきます!