見出し画像

青年海外協力隊への道

協力隊の聖地

長野県南部に位置する駒ヶ根市は、東に南アルプス、西に中央アルプスに囲まれた空気が澄んでいて美しい場所です。
そんな駒ヶ根市。
僕がいつか行きたいと願っている青年海外協力隊。(JICAのJOCV)
日本に2つしかないその訓練所が駒ヶ根市にあるのです。ちなみにもう1つは福島県二本松市にあります。
そして青年海外協力隊協会(JOCA)という青年海外協力隊OB/OGの隊員を中心に組織されている公益社団法人です。その本部があるのが駒ケ根なんです。
まさに僕にとっては協力隊の聖地とも言える場所なんです!

なぜ駒ヶ根へ?

そんな駒ヶ根に、昨日と今日、職場から有給を頂いたこともあり訪れました。
訪れたのには経緯がありまして、元々はこの有給を使って土日含めて4連休になるし、どっか旅行にでも行こうかと模索していました。
しかし、緊急事態宣言の延長と先行きの見えない不安もあり、旅行は断念。それでも何かないかなと考えていたときに、ふと思い出したのが、以前の記事でも書いた「この1年を協力隊への参加に向けた準備期間にする。」ということです。そして、先月、職場のセンター長や理事長と話した中で、先輩たちの人的ネットワークを活かして色んな経験を積んでいく。ことが繋がり、職場のセンター長に相談したのがきっかけです。
そんな経緯もあり、駒ヶ根を訪れることができました。

協力隊が根付く街

特に何のプランもなく、とにかく駒ヶ根に行かねばという想いで、新宿から駒ヶ根に向かう高速バスのチケットだけを予約して向かった駒ヶ根。
先方にはセンター長から前々から話は言っていたものの、当日になって先方に話は届いたみたいで、バスの休憩場所であるSAでかかってきた先方からの電話で、「今向かってます!」と伝えると、そうなの!?みたいな反応。笑
実際、昼前に到着すると「いやぁ、今日の朝に君が来るっていう電話があってね。」と。(やばい予感…汗)
しかし、そんな不安もよそに「とりあえず一緒に昼ご飯でも行こうか。」と誘われ、本部にいた数名の方たちとお昼ご飯を食べに行きました。
そして、お店に向かう1分もない道中で出会った親子連れやおじいちゃんに「おぉ元気!」とか「あっ○○さん!」と会う人会う人全員知り合いなの!?と思うほど、いろんな人たちに声をかけていく職員の方々。店内ではご飯を食べながら、簡単な自己紹介とここに来た経緯などを話し、この後の作戦会議と協力隊エピソードをたくさん聞いて、不安だった気持ちは一気に吹っ飛びました。食べ終わって、会計をしているとお店のおばちゃんから「新しい隊員の人?」と聞かれたり、駒ケ根訓練所に向かう道には「海外協力隊入口」という標識もあったり、街ゆく人の多くが職員と会うと、何気ない挨拶をしたりする姿を見かけ、この街に協力隊がいかに根付いているのかを実感することばかりでした。

ノープランから自分の真ん中に

あんなに協力隊に行きたくて行きたくて仕方なかったのに、いざその聖地である駒ヶ根に来ることができたのに、まさにノープランでやってきてしまった私。
昼食後、本部に戻り簡単にJOCAのことについて説明をしてもらいました。
この説明を聞いて、こんなにも心がワクワクして、身体の奥からエネルギーが湧き上がってくるような想いに駆られました。
なんと言っていいのか分からないけど、ハッキリと一つ言えるのは「これがやりたかったの!」と叫びたくなるくらい嬉しかったってことです。
もう説明を聞きながら、心の中で叫んでましたね笑
日本は「少子高齢化」という世界のどの国も経験したことのない局面に直面しています。福祉を学んできた僕はその重みと深さを重々承知しています。
そして何よりも、この「少子高齢化」というワード。つい最近出てきたワードでもなく、きっと僕が小学生くらいの頃には既に世の中に広まっていたと思います。それにこのワードの持つネガティブさ。「福祉」自体もネガティブなイメージが強い人も多いかと思いますが、このネガティブさが余計に助長させている気がしていました。つまり、「少子高齢化」は悪いものなんだと。これは社会課題なんだと。誰もが思っているはずです。
僕はなんか違う気がするんです。世界のどの国も迎えてないこの局面を日本が一番手で迎える。
それは少子高齢化に立ち向かっていくその一挙手一投足が、これから少子高齢化を迎えていく国々のモデルになるということなんだと思います。
人が減る、地域や社会を支える担い手が減る、高齢化が進む。
想像するだけで嫌になるのも当然です。それでも、いや、だからこそ、福祉の価値が、この国で暮らす一人一人の役割や価値が高まっていく、際立っていくんだと思う
んです。
僕は福祉を勉強してきて、実際に福祉の現場に出てみて思うのは「福祉っておもしろいな。」ってことです。僕はこのおもしろさをみんなに知ってほしいし、僕が感じているおもしろさと、世間一般の福祉へのイメージとのギャップを埋めていきたいなと感じています。また、福祉の価値とか、福祉職の価値に僕自身すごく誇りをもって、福祉の仕事をやっているつもりなので、その価値を広めていきたいなと思っています。
僕はきっと、福祉の力が少子高齢化をはじめとする社会課題や世界に散らばるグローバル課題、SDGsの解決に繋がっていくと信じていますし、必ず解決してみせます。

話しがそれてしまったので戻します。
JOCAについての説明を聞いて、僕が「これがやりたかったの!」と思ったのは、
・青年海外協力隊から生涯協力隊へ
・日本から世界へ、世界から日本へ。そして再び世界へ。
・JAPAN WAYとして世界に広げる。
子どもから高齢者まで、障害や疾病のある人もない人も、日本国籍の人もそうでない人も、「ごちゃまぜ」で暮らすことが一人一人の幸せにつながるという想いを持って活動しています。
とJOCAのパンフレットに書かれた1文字1文字に「うんうん!」と頷くことができたからです。
駒ヶ根にノープランで来てしまったけど、到着して数時間で、自分がやりたかったこと、いつか力を付けて、JOCAで自分の力を発揮したいと思えるくらい、自分の真ん中にある核に、熱に出会うことができました。

訓練所へ

JOCA本部での説明の後は、協力隊OGで僕が目指す「障害児・者支援」で派遣されていた方に会って、話しを聞くために駒ヶ根訓練所に向かいました。
訓練所に着いた瞬間、すごく嬉しくて「写真撮ってもいいですか?」と尋ねてしまいました。それくらいテンションが上がってしまいました。
訓練所の中には、感染症対策もあり県外から来たというのもあり、訓練所の外のベンチで隊員の方からお話しを聞くことができました。
自分が聞きたいと思っていたことや、悩みなど色んな話しを聞かせてもらって、聞いてもらいました。笑
やっぱり生の隊員の人の声というか、考え、想いを聞いて自分も行きたい!と思いました。そのためにもこの1年、しっかりと準備していこうと決意を新たにしました。
また、ここに来れたのも、この1~3月の間で、個人的にたくさん悩んで、出した結論ではあったけど、それでも後ろ髪を引っ張られるというかこれで良かったのかなという想いもありましたが、今ここに来れたのは、自分が出した結論や周りの人たちの縁やタイミングなどが重なって、これたんだなと思うと感慨深くもあり、自分の出した結論にちょっぴりと自信が持てました。

訓練所からJOCA本部へと戻り、「明日も休みでしょ?夕飯食べたり、飲みながらゆっくり話そうよ。だから今日はこっちに泊まっていけば?」と誘っていただき、というか流れに身を任せ、この日は駒ヶ根に泊まることに。笑
とりあえずホテルをとって、小休憩をしてから荷物だけおいて、夕飯を食べに行きました。
駒ケ根、なんといっても飲み屋というか食事ができる処が多いんですよ。訓練所が近くにあるし、観光地でもあると思うんですが、それでもチェーン店とかではなく、地元のお店が多く並んでいて活気づいているなと感じました。
1軒目はピッツァに、パエリアに串揚げからもつ鍋まである料理屋さんでひたすら食べて、飲んで、協力隊でのエピソードや面接試験の裏話やアルコールが入っているからこそ恥ずかしくもなく喋れる福祉への熱い想いなど話しました。
2軒目はJOCA本部の目の前にあるスナック。
僕の人生でもスナックに入るのは、入社してすぐの北海道での研修後に、理事長と同期たちと入ったことがあるくらいで、2回目でした。笑(私、真面目なんです。)
そこで知り合いのママと話しながら、「JOCA」でキープしているボトルを一緒に飲んでいるうちに、スナックの中に町の飲み屋のドンが続々と入店してきました。(そのときはドンとも知らずに、後から聞いた話です。)
テンションの高い、すでに出来上がったおじさんやおばちゃんに「そこの角刈りのおにいちゃん、JOCAの人?何しに来たの?」といきなり髪型をいじられながらも、ここに来た経緯を話しながら、みんなでなぜか♪香水を唄ったりと、楽しい時間を過ごしました。笑笑(感染症対策はバッチリしてある中で行いました)
あんなに飲みながら笑ったのも、誰かと食事をしてこんなに楽しかったのは久しぶりでした。「こんな感じで現地の人たちと仲良くなっていくのかもなぁ。」と隊員になったらのことをしみじみと思ったり、こんな風に街の人たちと繋がりや絆で結ばれながら、地域で生活しているJOCAの人たちにすげぇなと思いつつ、自分もまたここに帰ってきたいなと、たった半日くらいしか駒ヶ根に滞在していないのに、ずっとここにいたいと思える時間でした。
そんなこんなで、深夜まで飲んで食べて歌って過ごしました。おかげでぐっすりと眠れました。

突然のラジオ体操

翌朝、特にこの日の予定はなかったので朝のうちに、突然伺ったにもかかわらず、忙しい中いろいろとアテンドしてくれたことをしっかりとお礼だけでも伝えに行こうとJOCAの本部に向かいました。
ちょうど、朝礼中というタイミングの悪さを呪いつつも、やさしく中に迎えてくれて、時間をつぶしていると、「それではラジオ体操始めます!」と言われ、「一緒にやるから外出て」とせかされ、外に出ると、商店街の人たちも続々と出てきて、スピーカーから流れ出るラジオ体操の曲に合わせて、商店街の道路でラジオ体操をみんなで踊るという不思議な体験をしつつも、朝からなんだかとてもほっこりしました。
(協力隊の派遣前訓練では毎朝ラジオ体操を踊ります)
体操を終えてから、しっかりと挨拶と感謝を伝えました。またここに隊員として、職員として、いろんな形で戻ってくることを誓って家路につきました。ノープランで来たことを伝えたときに「いいねぇ。そのとりあえず現地に行く。っていうマインド、協力隊向きだねぇ~。」と笑いながら言ってくれた一言がすごく嬉しかったです。
本当に、お忙しい中、突然の訪問にも関わらず、嫌な顔せず温かく受け入れてくださり、僕の意向にも応えてくださって感謝しかありません。ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?