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グルイッチ:『リバプールで過ごした時間は成功だった』

元ネタは The Athletic の記事。リンクの下からが本文です。

※このインタビューは11月23日に掲載されたもので、試合数などの数字は11月25日のCLグループステージ第5節が行われる前のものです。


マルコ・グルイッチがリバプールと契約し、ポルトに売却されるまでの5年半。その期間中、クロップの下では全コンペティションでスタメンは5回のみ、ほかの11試合はベンチからの出場。

しかし、闘争心あふれるセルビア人選手にとって、この時間は決して無駄にはならなかった。

リバプールでのキャリアは成功だったと言える。出場試合数やクラブのために成し遂げたことという意味では違うけど、加入したときよりも遥かに優れた選手になってリバプールを去ることができた。コーチングスタッフは成長を助けてくれたし、経験を積むという意味ではローン移籍も役に立った。
リバプールの先輩たちからはポテンシャルを最大限に発揮するためにピッチ外で払わなければならない犠牲について多くのことを学んだし、そのプロフェッショナリズムと献身的な生き方は確かに心に残った。キャリアを通じてそれを貫く。もちろん、もっとプレーしたかったけどリバプールで教わったことにはいつも感謝している。

2016年1月、リバプールとレッドスター・ベオグラードが£510万の契約に合意した時、彼はクロップ政権の最初の補強となり、シーズン終了までは幼い頃から応援していたレッドスター・ベオグラードにローン移籍する形で残留。

その後、17/18シーズン後半はカーディフへローン移籍し、ウェールズの首都で彼らのプレミアリーグ昇格に貢献。ポルトへローン移籍する前はヘルタ・ベルリンへローン移籍。20/21シーズンはポルトで39試合に出場した。

7月、オーストリアで行われるプレシーズンキャンプに臨むリバプールのスカッドに復帰。ワイナルドゥムのフリー移籍により、クロップの中盤の穴を埋められると望んでいた。



しかし、そこから1週間以内にポルトとリバプールが£1050万で合意。移籍市場の初期には、ライバルのスポルティングCPやイタリアのサッスオーロからも関心が寄せられていた。

夏にリバプールに戻った時、俺の将来はどうなるか分からなかった。不確定だった。チャンスを得られるだろうと望んでいたが、アシスタントSDのジュリアン・ウォードと話をした。彼はキャリアの今の段階ではレギュラーとしプレーすることがベストと感じている、リバプールではそのような出場機会を得る可能性は低いと言っていた。
ポルトでの時間を楽しんだし、ここに戻るという考えも良いものだった。両クラブが合意したあと移籍が可能だと言われ、それからGOサインを出した。皆んなにとって意味があるものだったと思う。毎年別のクラブにローン移籍することは簡単ではない。完全移籍したチームでプレーすることはまた違う感覚だ。確かにホームだと感じたかった。
リバプールではカップ戦でそれなりの試合をしたつもりだけど、あのチームに割って入るのは難しい。競争が厳しかった。俺が対峙した選手たちにたくさんのお金を支払っていたしね。



25歳のグルイッチは自身のルーツを築くことを望み、ポルトガルでの生活を満喫している。妻のミアは第一子を妊娠しており、ポルトはプリメイラ・リーガ首位を走っている。

父親になることに興奮しているよ。素晴らしい気持ちだし、全てうまくいくよう願っている。出産予定は5月初旬なんだ。幸せだし、落ち着きを感じている。素敵な街だし、ポルトは本当に情熱的なファンを持つビッグクラブだ。ここの人々はフットボールのために生きている。どこにいてもプレーしていたり話していたり。No.1のスポーツだ。
全てのゲームに勝つことを期待され、それ以下であれば失敗だ。プレッシャーになるけど、それは選手として望むことでもある。毎日、より良くなろうと努力するようになるんだ。大きな一歩だったし、将来が楽しみだ。ポルトは首位に立っている。得失点差でスポルティングCPを上回り、ベンフィカとは1ポイント差。今の位置を維持したい。最優先事項はタイトルを獲得することだ。

また、ポルトはCLベスト16への出場権を手にしようとしている。リバプールは既にグループBの1位通過を決めているが、セルジオ・コンセイソン率いるポルトは2試合を残してアトレティコ・マドリーに1ポイント差の2位。



セルジオ・コンセイソンのもとにプレミアリーグでの仕事の話が増え続けているのも不思議ではない。2017年に就任して以来、47歳のポルトガル人監督はポルトを2つの国内タイトル獲得に導いた。昨季のCLでは準々決勝に進出し、最後は優勝したチェルシーに1-2で惜敗。

セルジオは素晴らしい監督で、俺をたくさん助けてくれた。戦術的にも素晴らしい。チームに何を要求するか凄く明確なんだ。感情的で、高い基準を求めている。誰と対戦するかは関係なく、細部へのこだわりと欲求は同じ。何か気に入らないことがあると怒ることもあるけど、時にはそれが必要だ。
ハーフタイムに変更を加えて試合に良い影響を与えるのが得意で、選手たちに適切な言葉を伝えるのも凄く効果的だ。既に多くのことを学んだけど、彼は凄く知識が豊富だからこれからもたくさんのことを学べるだろう。
世界最高のクラブを指揮することがセルジオの目標だ。人生では誰もが次のステップに進みたいと思うものだけど、ポルトの誰もが彼が長くここに留まることを願っている。彼は今季で5年目を迎えるけど、ポルトのようなビッグクラブに長く在籍することは簡単なことではない。

グルイッチはハムストリングの怪我で出遅れたが、9月に復帰してからは全コンペティションで10試合に出場している。

先週はミトロヴィッチの劇的なヘディングでセルビア代表がワールドカップ出場を決め、ポルトガルをプレーオフに追いやった試合でベンチに座っていた。



『翌日の人気者は俺じゃなかったね』と笑うグルイッチはこう語る。

セルビアにとって信じられない夜になった。祝勝会は格別だった。来年12月のカタール・ワールドカップの出場権を得たんだ。世界のベストチームと争うことになるだろうし、大きな目標になる。

エスタディオ・ド・ドラゴンで5-1の大敗を喫したリバプール戦を含め、グルイッチは現在までにポルトのCL4試合全てに出場。水曜日のアンフィールドでのリバプール戦は、感情のこもったものになる。彼は暖かい歓迎を受けるだろう。

アウェイチームとして戻るのは少し変な感じだ。でも、またアンフィールドのピッチに戻って、あの幻想的な雰囲気を味わいたい。5-1は受け入れることが難しかった。自分たちがその結果よりも良いチームだと分かっている。リバプールは素晴らしいチームだけど、自分たちがミスを犯し、それを罰せられた。
このグループではアトレティコやミランを相手に自分たちの顔を見せてきたと思っているし、アンフィールドで自分たちの力を証明しようという決意もある。リバプールは既に突破しているし、どうしても勝利が必要なときのような考え方をしないかもしれない。でも、100%のモチベーションで臨むことを保証する。ミランとの2試合で4ポイントを獲得したことでチャンスが生まれた。
みんなと再会できるのは嬉しいよ。コスタス・ツィミカスとは今でも連絡を取り合っているんだ。彼とはプレシーズンで知り合ったばかりだけど、凄く仲良くさせてもらっている。セルビアとギリシャはあまり離れていない。ファビーニョやファン・ダイクとも仲が良いんだ。
ポルトでの第1戦の後にヘンドと良いチャットを交わしたし、試合前と後にユルゲンとも連絡を取った。彼は俺のキャリアにとって最も重要な人物の1人だ。借りがたくさんあるよ。彼の最初の補強だし、彼はリバプールという素晴らしいクラブに連れて行ってくれた。ユルゲンの下ではたくさんの試合には出場できなかったけど、いつもお気に入りの監督の1人なんだ。彼はリバプールのために何て素晴らしい仕事をしたんだろう!



2020年10月に行われたリーグ・カップのアーセナル戦がリバプールでの16試合目且つ最後の出場となったグルイッチ。マイケル・エドワーズSDが退任するにあたり、ジュリアン・ウォードを後継に指名したオーナーの選択は賢明だったと確信している。

ウォードは2020年12月にアシスタントSDに昇格するまで、ローン進路及びフットボール・パートナーシップ・マネージャーを務めていた。

ジュリアンは素晴らしい男だ。何年にも渡ってたくさんのアドバイスをくれた。彼の仕事がローン選手を担当することだった時、いつも手助けやサポートのために居てくれた。幹部職を任されたことにも驚かないよ。
彼はフットボールを理解している。知識があり、人脈があり、その仕事を引き受けるだけのスキルもある。凄く重要な仕事だけど、ジュリアンを選んだのは正しかったと思う。リバプールを更に前進させる手助けをしてくれると確信している。



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