リヴァプール2-0エヴァートン

アリソン6ダイク6マティプ7ロボ8アーノルド6ファビーニョ5チアゴ5ケイタ3サラー7マネ4ジョタ4ディアス7オリギ7ヘンダーソン-クロップ7

色々な意味で酷い試合でしたが、クロップの交代策がハマって順当な勝利をつかみ取りました。シミュレーション、暴力、ダイビング、時間稼ぎとなんでもありのチームが降格の危機に晒されているのは良い事ですね
彼らが2部落ちしようと残留しようと興味はありませんが、リシャルリソンはリヴァプール戦への関与を生涯にわたって禁止したいレベルで不快です。プレミアリーグへの個人残留やチャンピオンズリーグに関係するチームは勿論のこと、クラブワールドカップでも当たりたくないので彼ら母国ブラジルに帰るのも辞めて地球の外でサッカーをやってほしいレベルです

最初の20分でシュートが0だったようになりふり構わぬエヴァートンの全員守備に苦戦しました。全員が守備に回ればスペースが消えるのでシティのようなチームでも苦戦はします。でもシティはこの日のリヴァプールのように危ないパスでロストしてカウンターを完結され、シュート本数が下回るような事は殆どないです。グレイ、ゴードン、イウォビの飛び出しをマティプが潰し続け、アーノルドも献身的な守備でしたが何度もカウンターを浴びました

原因となったのはビルドアップの形が悪すぎる事でした。両サイドバックがカットインしてWGの内側に入る謎フォーメーションは何を狙っていたのでしょうか。大外から高いクロスを放り込めるアーノルドやロバートソンが内側の狭いエリアでプレーし、ロングパスの精度が非常に低いマティプが放り込む設計は相手にとって楽だったでしょう
一体全体なにを考えているのか、もはや考えていないのでは?というクロップサッカーでは度々見られる光景が繰り返されました。この試合は何度も同じような形でミスをしてカウンターをされているので失敗事例には事欠きません

例えば15分25秒あたりにケイタからのロストで失ってカウンターを食らうシーンもそうですが、相手はリシャルリソン1枚だけが前に残ってプレスもかけてきてないのにCBの2人でボールを回さずにファビーニョに加えてケイタが低い位置でボールを受けて仕掛けを開始しました
このポジショニングは本来は外に配置されるべきアーノルドが内側にポジションを取ったままなのでケイタが押し出される格好で発生しています。ケイタはここから中央へスルスルと侵入してアーノルドが代わりにポジションを下げる事になるのですが、攻撃の開始時にアーノルドが中央に居たので外にいるはずのMFまで中央に寄っているため、相手MFの間隔が詰まった状態で1vs3の局面に自らハマってしまいました
ケイタの判断力、技術にも問題がありますがアーノルドなどチーム全体のポジショニングにも問題があります。敵チームがプレスに来ないで各自がポジションを守って戦う場合、リヴァプールのビルドアップ問題は姿を現します。クロップとペップのビルドアップを比較すると、監督として崩しの構築力の桁が違うと感じる事になります

後半はケイタがポジショニングを上げてFWのラインに吸収された4トップにロボやアーノルドがポジションを上げてFW5枚陣形になりましたが、前半とそこまで大きく変わりませんでした

ディアスとオリギの投入により4-4-2へシフトしたリヴァプールはその直後にサラー→オリギへのパスを繋げるとサラーが折り返しをワンタッチで素早いクロスを放り込み、ジョタに釣られたDFの裏からロバートソンが現れてゴールというクロップサッカー感が満載のカオスサッカーで先制に成功しました

システム的には元からケイタが入った4トップのような形で攻めており、クロップのシステム変更がハマったというよりはサラーがオリギに通してスペースへ飛び込みワンタッチで完璧なクロスを上げるスーパープレーが出たタイミングと交代のタイミングが重なったようにも見えます。ただオリギはマネやジョタよりもパワーで抑え込んでのポストプレーが出来るように成長している事で生まれたゴールでもあります

オリギは更に交代で入ったディアスからのボレーを押し込み、塩試合に決定的な2点目のゴールも決めてMOM級の活躍を見せてくれました。残念ながらオリギは来夏に離れる事はほぼ確定しています。能力的にBIG5と比べて大きく落ちるオリギの退団は仕方ないことですが、長身でパワーがある中央の選手が居なくなります。ただ一部ではリヴァプールを望むダーウィン・ヌニェスの為に他クラブとの交渉を打ち切ったという報道も出ています。リヴァプールが次世代フロント3兼オリギの後釜としてヌニェスを獲得する可能性も0ではないかと思います

私はダーウィン・ヌニェスはボールが収まらないので要らないと言っていましたが、そもそもCFでボールを収められるCFというのはフィルミーノやベンゼマやアグエロやレヴァンドフスキのような選手しか居ません
ダーウィン・ヌニェスのボールコントロールはフィルミーノやベンゼマと比べれば酷いと形容する以外にありませんが、ハーランドやオーバメヤンのように1タッチではたくパス技術や彼らと大差ないボールコントロール技術は持ち合わせています。また24歳でリヴァプール入団時はボールコントロールスキルが絶望的だったマネが26歳の18-19シーズンあたりから急激に技術を身に着けたように意外と成長するものです

昔ボールが収まってプレスが上手いジョエリントンをネクストフィルミーノの候補に挙げたポンコツ目利き能力を持つ私は偽9番の後継者としてフィルミーノ型の選手発掘に重きを置きすぎてFWとしての能力を軽視していました
皆さまご存じのようにジョエリントンはニューカッスルで3シーズン弱で10ゴールという素晴らしい()活躍によってMFにコンバートされ、不動のIHとして立場を確立しました

その点ヌニェスは絶望的なボールコントロールを補ってあまりある決定力とスピードがあります。90分あたり0.95のxGに対して1.3ゴール/90分という高い決定力を誇ります。69分あたり1ゴールという彼の得点ペースはレヴァンドフスキやハーランドを凌駕しています
勿論プレミアリーグはリーガNOSやブンデスリーガに比べて格段にGKのレベルが高く得点を取るのが難しいリーグです。単純な比較は禁物ですが我々のFW陣は高さだけでなく決定力にも欠ける傾向があるため、高さと速さと決定力と縦への推進力もあり、左右両足を使えて中央から両サイドに流れてプレーできるヌニェスはハマる可能性も秘めています

ヌニェスと我らがBIG5のスタッツ比較(データはhttps://www.fotmob.com/を参照)

更にヌニェスは上リンクのようにトップスピードもCLで36.5km/hというスピードを記録しており、36.04km/hのハーランドやディアスやサラーやコナテを超える水準です。CLベスト8のベンフィカ戦でもコナテがスピード競争で振り切られそうになったようにアルフォンソ・デイヴィス級で世界トップクラスのスピードを持っています

CLで時速35.5km/hを記録するなどスピードでDFを振り切っていたディアスを「足はコウチーニョと同じ34.0km/hくらいで大して速くないのに抜け出しが抜群に上手い」と評しジョタも抱える左WGに左専門のディアスはいかがなものか、という

赤っ恥な記事を書いた2日後には足が速いディアスはマネのようにアリなのでは?と手のひらをひっくり返し

デビュー戦を見て「ディアスは当たり!」と叫び右サイドでもフィルミーノと抜群の連携で輝くディアス最高!と叫んでいるのが筆者のサッカーを見る眼力です。当たる事も多いですが、当然多くの大外しもしているわけです

「ダイクがリヴァプールの守備を代えたようにケイタはララナ以外はヘボ過ぎるリヴァプールMFからスタメンを奪うのも当然だし、チームを一変させる可能性まである」とケイタを評しながらプレシーズンの時点で「現時点でケイタは微妙と言わざるを得ないが、合流が遅れているワールドカップ参加したレギュラーと組ませるまで評価できない」と弱気になり、レギュラーが揃ったウェストハム戦との開幕戦で「ララナの代わりが全く務まらないケイタにはガッカリした」と評価を180度変える事に定評がある筆者ですので加入後の試合を見て立場を一変させる可能性はあります

ヌニェスのスピードとそれを活かしたドリブルや決定力は素晴らしいですが、それでも想定£65m前後の移籍金は間違いなく高いです。ただ移籍金フリーの年俸£10mで5年契約する選手は移籍金£25m+年俸£4mで獲得する選手よりも高いのです。選手を獲得する際は移籍金だけを見るのはナンセンスですし、今後の成長で相応しいレベルに成長する事も考えられます
ヌニェスの基本給が£60k程度という報道が真実なら獲得する事も真剣に検討されるべきでしょう。残念ながらケイタはヘンダーソン級の選手で現在のリヴァプールでレギュラーを取れるレベルではなく控えが精一杯であることが明確になりつつあります。フィルミーノは2トップでも使えますし、IHでもFWほどではありませんが最低限のプレーが出来るのでFWを追加してもジョーンズをレンタルに出す余裕が生まれるだけです

相変わらずドン引きチームに無策で苦しむ展開となりましたが、選手のクオリティがあるお陰で適切な対策を取れるようになった事で連勝です。シティの対戦相手を考えると75%以上の確率で全勝、リヴァプールの全勝確率は80%程度で優勝確率は20%前後ですが、シティの優勝マジック15を減らさずにすみました。リヴァプールに残された道は勝ち続ける事だけで、まだまだ4冠への希望を捨てる事はありません。次のヴィジャレアル戦も油断せずに勝利を掴みましょう

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