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3、仕立て方とお手入れ

ネキリムシ対策もしてダリアが大きくなってきたら、次は仕立て方とお手入れです。
今後どのようにダリアを育てていくか、永く楽しむためにはどうしたら良いかについて書いていきます。

1、天花仕立てと摘芯仕立て

まずは仕立て方についてですが、大きく分けて「天花仕立て」と「摘芯仕立て」の2つあります。

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「天花仕立て」写真は極端な例ですが、出てきた芽をそのまま伸ばし、花を咲かせる仕立て方です。
その1本の花に全ての栄養が注がれる為、花が大きく立派に咲いてくれます。
ですので巨大輪や超巨大輪といった、花径の大きい品種を楽しむのに向いています。

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「摘芯仕立て」は途中で育成途中で中央の芽を摘み、脇芽を育てる仕立て方です。
栄養が分散する為花の大きさはやや小さくなりますが、本数を咲かせることが出来るので、株全体のボリュームを出すのに適しています。
ボリュームが欲しいダリア園や、本数が必要な切り花生産者も「摘芯仕立て」で仕立てています。
⬇️下に実際の摘芯の動画のリンクを貼っておきます。
摘芯の際にご参照ください。

そして個人の方や多くのダリア園が、ガーデンをイメージした支柱を四隅に配置したやり方。

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ダリア生産者や一部のダリア園がフラワーネットを使っています。(私もフラワーネット派です。)

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2、脇芽摘み

小輪品種やポンポンダリアは花径が小さく、いっぱい咲いても花同士が邪魔になりにくく、脇芽を摘まずに全部咲かせても良いですが、中輪以上の花径の品種は邪魔をしがち。
また、ダリアは最初の花が咲き、その茎の脇芽が伸びて咲き、さらにその茎の脇芽が伸びて咲きと次々と花が咲いていきます。
脇芽を適切に摘んであげないと、背が高くなってしまい、「風や雨の影響をモロに受けて折れました。どうすれば・・・」という相談もありました。
もったいないと言う方もいらっしゃいますが、ダリアを永く楽しむ為には必要なお手入れです。
必要となる方は、トライしてみてください。

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上の写真は脇芽の茎の節に番号を振ったものです。
①の脇芽はすぐ蕾になることが多いですが、一部品種は頑丈な茎となり登頂花の開花の邪魔になります。(なので摘みます)
②の脇芽も摘みます。(高さを抑える為)
③の脇芽を伸ばせば、高さがほとんど変わらない位置で管理できます。
一般論で書いてはいますが、当てはまらないケースもあります。
今回の例ですと、③の脇芽が確認できなければ②を残さないと次の花が咲きません。

ダリアをよく観察してくださいね。

ちなみに芽摘みですが、芽が小さいうちに摘む方が株へのダメージが少ないです。
それに穴も空き辛い。
それと傷口が雨に濡れるとそこから腐る可能性もあるので、雨天や雨の降る直前は避けましょう。

芽摘みについての動画を撮りました。
↓からご覧ください。

3、追肥

7月に入ると、1回目の追肥の頃合いになります。
(蕾も出来始め、これから花を咲かせるよ!というタイミングで)
植える時期にもよりますが、そろそろ早い品種は咲き始めます。
肥料は株の根元から少し離れたところ、大体20〜30cm離れたところに追肥をします。

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窒素は、根元に近ければ近いほど沢山吸収され、根の先端ではほとんど吸収されません。
ミネラルは、窒素と逆で根の先端に向かうほど吸収されやすくなります。
水とリン酸は、根から万遍なく吸収されます。
また、窒素は過剰になると葉が過剰に肥えて花がつきにくくなり、病虫害に対する抵抗力が低下します。
リン酸は開花を促し、カリウムは水を吸いやすくします。
リン酸とカリウムを上手く効かせ、窒素が効きすぎない位置になります。
(ダリア園では株と株の間に追肥してます)
鉢植えの場合は根が全体に回りますが、茎から離れた淵の部分にあげると良いです。
追肥の量は、地植えならば化成肥料をしっかり一掴み。鉢植えなら軽く一掴みが目安になります。

2回目のタイミングとしては、9月初旬頃が目安になります。
(夏の暑い時期を乗り越え、もう一回花を咲かせるよ!というタイミングで)

4、葉かき(葉摘み)

株がある程度育ってくると、葉の数が増えて下の葉に太陽光が当たらなくなってきます。
また脇芽も成長し、蕾をつける頃になると葉が所狭しと広がるので風通しが悪くなってきます。
そうなってきたら葉かきをするタイミングになります。
風通しが悪くなることで、
うどん粉病というカビ(糸状菌)が繁殖し葉に広がる(光合成の阻害をし、葉を枯らす)
雨が乾かずに腐った葉が接する葉や茎を腐らせたりする原因になる(梅雨時期というより、秋の台風時期に多い印象です)
※ただし株の上部の葉が幼く、下の葉がしっかり太陽光を受けて光合成をしているうちは必要な栄養を作っています。焦らずに見守りましょう。

NHK趣味の園芸「よくわかる栽培12ヶ月 ダリア」山口まり 著
には、「下葉の整理として茎が5節以上伸び、上部2〜3節の4〜6枚の葉が十分に広がったのち、下部2節の葉はかき取る。」と書かれています。

葉が繁り、株の葉がうどん粉病になっている写真がこちら↓

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葉の間から覗いてみると、内側の葉は既に枯れています。

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ちょっとワイルドな株の写真でしたね。
この内側の枯れている葉は、幸にして腐っていませんでした。
ではこの葉をどうやってかき取るのかですが、
・葉の根元付近を下に押して、葉を折る(脇芽を折らないように注意)
・折った葉を横に引っ張り、取る
写真にするとこんな感じ↓

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経験上、折った後に下に引っ張って取ると、茎の表皮を一緒に剥がすことがありました。
折った後に横に引っ張った方が、茎の表皮を剥がすことが少なかったので、こちらの方法をお勧めしています。
そんなに力を入れなくてもパキッと折れてくれるので、トライしてみてください。

写真のこの株くらいになると、下部だけでなく、中心付近の葉も間引いてあげる必要がありますね。
粉をふくほどのうどん粉病の葉と枯れている葉を取ってあげるとこんな感じです↓

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下部に葉が残っているのは、脇芽が伸びて展開した葉です。
葉かきをして脇芽に日が当たると脇芽の成長が促進されるみたいです。
この時に咲いていた花が咲き終わると、風通しが良くなって日が当たるようになったこの脇芽たちが伸びて、次の花を咲かせます。
適度な葉の間引きをしながら、ダリアを長く楽しんでください。

葉かきについても動画を撮ってみました↓


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