見出し画像

自分が誰なのか分からなくなった話

プロローグ:『過敏性腸症候群』でかかったドクターストップ

会社を休職した。
たった1週間だけど、私にとっては大きな出来事だ。

理由は『過敏性腸症候群』でかかったドクターストップ。
誰にでもかかりうるストレス性の病気なので、気になる方は一度目を通してみてほしい。

腸が精神的ストレスや自律神経失調などの原因で刺激に対して過敏な状態になり、便通異常を起こす病気。
原因が自律神経失調症の場合もあるので、場合によっては心療内科の診察受けることも必要な場合があります。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-079.html)

私の場合は、(汚い話だが)水状の下痢が止まらなくなった。
会議中も含め、仕事中は1日に20回以上トイレに行く。幸い、うちの会社はフルリモートで、自宅で仕事ができたので延長コードをトイレまで伸ばしてパソコンを触っていたこともあった。

私はそこに至るまでに大好きなお酒をほぼ毎日嗜んでいたので、それもあってか「なんか変なもの食べたかな?」くらいで、最初は特に気にしていなかった。

けれど、あまりにもトイレの回数が多くなり、3日以上続いた時、もしかしたらおかしいかもしれないと思った。

それが木曜日。次の日も続くようであればさすがに病院に行こうと思っていたけれど、結局金曜日も土曜日も病院に行くことはなかった。なぜか?金曜日の夜からぱったり下痢が治まったのだ。正確には、まだ通常には戻らずとも、胃の調子は落ち着いた。「あ、(悪いものを)出し切ったかな。よかった。」と思っていた。あとから考えれば、仕事のことを意識していなかったからなのだけど。

けれど日曜日、「明日から仕事かぁ、あれもやんなきゃな、月曜日までにやっとかなきゃ。」そう考え始めるとトイレに向かう回数が増え、水状のものがまた何回も出るようになった。そこでやっと気がついた。これは多分やばいやつだと。

『水状の下痢 原因』これで調べると先程の過敏性腸症候群がすぐにヒットして、症状がまるっきり自分に当てはまった。その日の夜、会社の人に相談し、午前休を取らせていただき、次の日の業務を全て(トイレに行きながら笑)予約投稿完了させた。

次の日、近所の消化器内科へ出向いた。薬を飲めばどうにかなると思っていた。また働けると思っていた。けど、お医者さんに言われたのは「会社から離れなさい。パソコンから、今の仕事から一旦距離を取りなさい。今の場所から離れて、休息を取りなさい。このままだと薬を飲んでも一生治らないよ。」という言葉。そこでやっと、「ああ、自分ってもうそこまできてたんだ。」と自覚した。診断書を書いてもらい、1週間休職させていただくことになった。

この会社で働くことを選んだ意味ってなんだっけ?

私はもともとフリーランスだった。それまでにフリーターで働いている時も、個人プレイが成り立つような仕事ばかりをやってきた。

そんな私が、Webデザイナーから転身し、今のWebマーケティングという別領域の、ましてや企業に就職したのが今年の4月。まだ半年と少ししか経っていないけれど、もう随分前のことのように感じる。

Webデザイナーとして少しだけ働いていた上で、痛いほど感じていたのは「デザインのその先をクライアント様に見せることができない」という無力感。ホームページ1つ作っただけでは、本当にそのサービスがお客様に届いているのか?もっと最適な方法で伝えるにはどうしたらいいのか?は分からない。その方法が分からなければ、実践したことも経験もなく、ただの憶測でクライアント様と話すことしかできない。そんな自分をもっとレベルアップさせたかった。

そんな気持ちから「フリーでやるより会社で早く成長した方がいい」と思い、就職先を探して今に至る。

今振り返れば、ここが問題なのかもしれない。
わたしには社会経験があまりなく、会社で正社員として働いたこともない。「教えてもらえる」という気持ちが少なからずあったからかもしれない。

フリーランスでやっている時は、分からないことだらけだし、周りにすぐ頼れる人はいない。その代わり、自分で講座を受けに行ったり、SNSで探し出した人にアポイントを取りアドバイスを求めたり、何度も何度も調べて期待値を超えようと努力していた。そうだ、それだ。

その姿勢と、会社で「教えてもらえる」環境があれば、わたしはもっと伸びると思っていたんだ。

会社は学校じゃない。

1ヶ月ほど前、わたしは大きな壁にぶち当たった。何人もの人が気にかけてくれて、本気でぶつかってくれて、わたしはたくさんのことを学んでちょっとだけ成長したと思う。

その時に言われて未だに心に深く残っているのが、「会社は学校じゃない」という言葉だ。

学校みたいに教えてもらえると思うな。
学校みたいな人間関係が成り立つと思うな。

さっきから何度も書いているけれど、わたしは変に期待していた。
ここに入れば「教えてもらって」成長できると思っていた。今も正直その気持ちは抜けていない。

1ヶ月前のその出来事があって、私は周りの人に期待しなくなった。ただ自分だけと向き合うようになった。良い意味で諦めた。受け入れようとした。

プライベートでの人間関係や、今までの人生で出会ってきた人とは、自分が「この人との未来は見えない」と思えば距離を置いてきた。自分の心理的安全性を保ち、時間や労力を好きなものだけに当ててこれたから。

でも会社は違う。学校じゃない。
人と働くってこんなに難しいんだと心から思った。ましてや、うちの会社はプライベートと通常業務の境目が薄い。だから余計に難しいのだ。

あの時から、絶対にこの人たちは自分が受け入れて、認めて、一緒に働かないといけない人たちなんだという前提のもと、「期待しない」という選択肢をとった。
前みたいに遅くまでオフィスに残ったり、仕事終わりに飲みに行くことも、深い話やプライベートの話をすることも、休みの日にどこかに出かけることも無くなった。

この1ヶ月間、何のために働いてるのか本気で分からなくなった。

人に期待しないって難しい。

わたしは、人が大好きだ。
この会社の人みんな大好きだったはずだ。

「期待しなきゃがっかりすることもない。人に期待する前に自分に期待しろ。自分のレベルを上げれば人に対してそんな落胆することも無くなる。」そう言われた1ヶ月前。

その言葉を信じて1ヶ月やってきた。

でも本当にそうなのかな?
期待し合えない関係って、あまりにも悲しすぎない…?

期待することをやめると、「好き」がなくなる。
一緒に働きたいと思う気持ちも、この人のために頑張りたいと思う気持ちもなくなるのだ。

そうすると、「教えてもらいたい」という気持ちも自然とどこかへ消えていた。ここにいる意味もよくわからなくなっていた。

そんな中、社内のあれこれや、同じ会社の同居人がうつになって会社を辞めたり、などいろんな出来事が重なった。

わたしはストレスが溜まると、よく食べるようになり、飲みに行くようになり、ありえないほど寝ることが分かった。
だから、もともと胃の調子も良くなかったのだと思う。それに仕事の過度なストレスがずっと1ヶ月溜まり続けていて(1ヶ月前に解消したと思っていたけど)今回こんなことが起こった、のだと思う。

他人は変えられない、自分が変わるしかない。

これに尽きる。
常に他責ではなく自責で生きてきた。だけど、体にまでストレスが表れて、いろんな人と話して、家族に連絡をとって、自分のせいにしすぎている自分がいることも分かった。

人のせいにしたくない。
だって、『自分が』何かアクションを起こせばいいんだから。

そう思ってやってきた。
でも、その限界が来たんだよって体が教えてくれたのが今回の出来事だ。

ここに就職するまで、わたしの人生はずっとワクワクばかりだった。辛いことがあっても、どん底に落ちても、常に未来にはワクワクしていた。

わたしの心は何に躍るのか、いま一度振り返ってみようと思う。

わたしがワクワクすることって?

ひとつだけ自負できるのは、「行動力とふっ軽さ」だと思う。やりたいと思ったことは全部やってきたつもりだし、そのためにならなんでもやってきた。つもりだ。

お金を貯めて3週間ひとりで海外に飛び出したり、自分の力で海外留学をするためにWebデザインを学んだり、家を捨てて、住所を捨ててキャリーケースひとつで全国を転々としたりした。

そこにはいつも「こうなりたい」という未来の自分の姿があった。新しい自分の姿にワクワクしていた。目標があったのだと思う。

例えば、人に自分のこのワクワクを人に感じてもらえるように、誰かのきっかけになれるような人になりたいだとか、自分の「やりたい」を実現させて周りの人を巻き込んでみんなを幸せにしたい、だとかそういう揺るがない目標があった。

その目標達成のために必要なことは、たとえ辛くても、楽しくてもなんでもワクワクしながら取り組めていた。常に自分と向き合って乗り越えてきた。

自分の生活全てを楽しめていた。

この1ヶ月、1番私がキラキラしていたであろう旅暮らしをしていた時期や、それに至るまでの挑戦期間の思い出を何度も振り返った。

見知らぬ土地に出向き、刺激を受け、また仕事を頑張ろうと思う。非日常が日常になり、当たり前なことや、大切な人に感謝をする機会が増えていた。大切な人が日を重ねるにつれもっと大切になっていた。

これはプライベートの話だけど、結婚を考えていたパートナーもいて、「2年後はここでちょっと背伸びしてでも良いから同棲しようね」なんて話して、幸せ全開だった。(今はお別れして別の道を歩んでいますが…)

家族とも、いろんな面で分かり合えることが増え、絆が増していた。

数ヶ月前は、これが続いていたはずなのだ。
会社の大好きな人たちと、同じ未来を見て、一緒に頑張りたい、この人たちをみんな幸せにするために自分が頑張りたい。そう思ってワクワクしていたはずなのだ。

ワクワクしているわたしを取り戻すために

なぜ今のこの環境に対してワクワクできていないのか。ストレスを溜め込んでここまでになってしまったのか。

実は、この原因は何度もいろんな人と話し合ってもう分かっている。会社の1番偉い人である社長にも自分の意見はこれでもかとぶつけている。

だから、これを改善してまたここで頑張ろうと思えるのが先か、自分の力でワクワクできる道を採択するのが先か、の問題なのだと思う。

時間の問題だし、今この現状だとわたしはこの病気と付き合いながら働き続けないといけないのだと思う。前述した選択肢のどちらを取るにしろ、今は耐えなければいけない。

その耐え、の先をどうするのか、耐え、の方法をどうするのかをあと少し残された休職の期間で見出したいなと思う。

自分のワクワクできるものは何かと考えた時、たくさんやりたいことがでてきた。そのバランスをどうとるのか、配分をどうするのかは完全にわたし次第だと思う。

まだちょっと時間がかかりそうだけれど、心を休めつつ、しっかり向き合おうと思う。

ここまでお付き合い頂いた方、本当にありがとうございます。
わたしの備忘録でした。

これを乗り越えてもっと強い自分になりたい。その願いを込めて記録にとどめます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?