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さようなら、マホガニーの秋

五日目。

ね、何も変わらない。

そう彼女は言って笑った。そうなのかもしれない。しかし何かが変わったのではないかと疑いの眼で彼女を見てしまううちに、どこか違う気がしてくるのだ。彼女が熱をあげることはなくなったし、表情も少しばかり穏やかになったように感じる。私はあと何年彼女のそばにいられるのだろう。そう思いながら彼女を休養させるのであった。

終わり


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