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格差社会とは悪なのか?

格差をなくせとはこれ如何に

とかく世の中は格差を是正したがる
特にマスメディアは平等であることを
さも当然のように報道する

本当にそうだろうか?
そもそも格差社会が及ぼす害とは何なのだろうか?

格差社会の問題点として
貧富の差による労働意欲の減少
発展的思考の減退などが挙げられるが
それは途上国に言えることで
日本のような先進諸国において
格差が広がることにどのような問題があると言えるのか?

途上国における貧富の差は
生まれながらに就労できる仕事の範囲を狭め
生まれによる人生全体に与える影響が大きくなる
貧しい者を放置すればいずれはスラム化を促すことになり
治安の悪化を招く恐れがある

先進諸国における格差は
むしろ迎合されるべきだと私は思う

というのも少なくとも資本主義国家における
格差是正ほどナンセンスなものはないからである

資本主義とは一つの資本がさらに別の資本を
生み出し続ける社会構造のことだ
つまり誰かが儲けていてくれないと成り立たない社会だということである

誤解を恐れずに言えば
儲ける人のための社会であり
それは万人ではないということである

万人を等しく儲けさせることは出来ない
かの社会主義や共産主義がことごとく崩壊していった歴史を見れば明らかだ

ディストピアよろしく
その国が独立国家であり他国の影響を全く受けない社会ならば
社会主義や共産主義にもある程度の可能性はあり得る

しかし経済を互いの国に依存しあう関係性において
自国民のことしか考えない社会構造そのものにかなり無理があると
言わざるを得ない

公共財を国民に分配するという考えは国内の生産性を向上させるが
他国の産業に対抗できる品質を維持できるかは立地や産業資本そのものに
依存している以上 社会構造だけでは維持が出来ない

では儲ける者がすべて享受し
貧しい者が虐げられる世の中が
正しい社会構造だと言えるのかと問われれば

逆にそれ以外の社会構造を見てきたことがあるのかと
問いたくなる

残念ながら人間が作り上げてきた社会構造は
必ず格差を生み出したものであった

それは貧富の差に限らず
男女の差や出身地・宗教など
多くの格差をその国にそして隣国との間に
設けてきたのである

特にこの社会構造を生み出した一番の要因は
狩猟文化から農耕文化に移行したからだと言われている

狩猟時代の人間は相互に協力しあって生活していた
それほど狩りだけで生計を立てるということは厳しいものであった
収穫は安定せず獲物が取れなければ集落そのものが生活していけない
生産性に乏しい社会である

しかし農耕が盛んになると収穫した穀物を長く保存することができ
食料の調達が安定する
ここで技術や知識に差が生じる
知るものと知らざるもので農耕の収穫量が大きく変わってしまった

知るものは自分では穀物を育てず
他者に田畑を貸し与えるようになる
そうすることで貸し付けた先から
食料を得ることが出来るようになったのである

こうして格差が生まれた
自分の技術や知識が富をもたらす
知らないものは知っている者の下について働くしかない

一見するとこれは知る者が知らざる者を
一方的に利用しているように見える

本当にそうだろうか?
使役されている者も作業の中で培った経験を活かせば
独立することも出来るだろう
もちろんそれを為政者が許すかどうかは限りではないが

格差の広がりは領土を拡大し貸し付ける
範囲と人を増やしていった過程にある
そして国と呼ばれる組織となっていく
社会は管理する者と管理される者とに分かれる

管理する者は知りたる者で
管理される者は知らざる者
ではこの関係は対等と言えるだろうか?

これは言えばスタンスの問題である
知りたる者がすべて社会奉仕精神に優れた聖者の如き人物だけなら
社会に格差は存在しないかもしれない
しかしこの世の中には私を含め聖人君子だけが生きる世の中ではないだ

これだけの人口があれば必ず道を誤る人が現れる
他者から奪い騙す者が
管理される知らざる者なら
管理する知りたる者に拘束され処罰されるだけで済む

それが管理する知りたる者側にいたとしたら…

そうなのである
この疑心暗鬼こそが争いを生んできたのである
多くの騙し合いが騙されるのではないかという恐怖心が
今の社会構造を生み出してきたのである

他者より稼ぐ人が産業を作り
その産業構造に労働者という雇用が生まれる

この世の中のどこを見て
格差がない状態などあるのであろうか?

むしろどんどん稼げば良いのである
格差などはどんどん広がれば良い

一部の富者は多くの貧民をターゲットにして作業を構成する
それを享受するのは貧民側である
富者が儲ければさらに多くの産業が生み出され
雇用が生まれサービスが貧民を満足させる

格差そのものが問題であるというのは認識の誤りで
生活困窮者の底上げこそが真に必要なのではないか?
知識や技術を得る機会を設けて人生の選択肢を広げることが出来れば
生きにくさをいくらか緩和することが出来るはずである

どの格差がどう問題なのか
その点をはっきりさせた上でこの手の議論をすべきであると
今の報道には苦言を呈したい

これを読んだあなたは
格差をどのように考えるだろうか?

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