見出し画像

失敗を恐れる先にあること

失敗とは物事をしそこなうこと
やり方 方法などを誤って目的とはちがった結果になること

失敗は出来ればしない方が良いと考える人は多い
生活の中であれば失敗して恥をかくこともあるだろう

仕事の上では特にそうだ
誰しも失敗して自分の評価を落とすことを嫌う

失敗とは何も生み出さない
生産性のないものだと考える人は多いのかもしれない

しかし実際はどうだろうか?
多くの研究者達は仮説を立て
実験を繰り返し
数多くの失敗を経て
そして仮説を実証する

失敗とは失敗したという事実・結果であり
それ自体に価値がないと断ずるのは尚早であるように思う

失敗したという事実は
多くの仮説の選択肢を消していくことに貢献している

どんな仮説も実際に行ってみなければ
結果は得られない

失敗は確実に成功に近づいている
もしくはその仮説を反証することに貢献している

日本人のアイデンティティの中にある
羞恥に対するハードルの高さ
プライドが失敗することを嫌悪させているのだ

しかし結果を得る人は
総じて失敗を繰り返している

なぜなら
まず行動に移すからだ

やってみてサンプリングしたものから
最良の結果を導き出す

多くの企業の機能不全はこの失敗忌避的な考えにあるように思う
失敗しないためのサンプリング
失敗しないためのマーケティング
失敗しないための前年踏襲
失敗しないための定例会議

まったく無駄なものだらけだ

統計学上は1000件程度のサンプリングで
傾向が知れたとしても
実際に展開するとそうならないことも
往々にしてあることだ

特に昨今はマスコミによる
トレンド操作は難しく
SNSなどから個人が情報を発信し
それが購買トレンドになることは多い

生き物のように流行が変化する以上
提供側はそのニーズをどうにか捕まえるしかない

トレンドカラーはインターカラーという団体が
決定し各国と連携している

だから店頭にはそのカラーを使った製品が並び
それをマスコミが取り上げることで
それがトレンドであると錯覚を起こす

店頭商品を購入する人が増えれば
自然と街中にも同色を取り入れる人が増え
それがまた購買を後押しする

これは製造側の論理であって
使用者の意思は関係ない

昨今の個人から成熟されるトレンドとは
製造に関わらず個人の評価から発生するものだ
そこにはインターカラーの決定した色であるかは
基本的には関係がなく
個人のポリシーによって決定される

個人の発信によるトレンドを
提供側が把握するのは難しい
気が付けば売上が上がっていて
その要因を確認したらそうだったという程度の話だ

こういったニーズは熱しやすく冷めやすい
製造側のトレンドの方が消費が過熱しやすいため
こういう小さなニーズは軽視されてきた

近年の多様化が加速する中にあって
大きなニーズを把握することの方が困難だといわざるを得ない

これは消費に関わることだけではない
投資や財政出動などマクロ経済面でも顕著である

消費の先が読めないから
結果的に企業は検討する時間を短縮せざる得ない

ブルーオーシャンがレッドオーシャンになるのを
待っていてはその利益を得ることは端から難しいのだ

であれば実行と検証を続ける必要がある
もちろん闇雲に実行する必要はない

ただ躊躇する時間もない
SNSの潮流と特性を見極めて
適切な商材を適切なタイミングで投入する

そうやって立てた仮説を
実証していくのだ

過去の実績に現在の答えはない
だからこそこの仮説・行動・検証・修正の
流れを最短で行っていく必要があるのだ

足踏みを続ける日本企業
特に長く経営を続けている企業こそ
こういった踏み出す判断が出来ない

それは創業者や投資家達のように
企業経営のみを行っていない
サラリーマン経営者によく見られる傾向なのだ

スポーツチームに例えると
回転資金を供給するオーナーがいて
方針を決める監督がいて
実際に行動するプレイヤーと
それを管理するコーチがいる

プレイヤーはそのまま行動するスタッフ達だが
そこから成長したコーチがプレイヤーを管理するのは
まだ想像しやすい

プレイヤーはその競技を熟知して
コーチになりプレイヤーをコントロールできるようになったら
監督になる

監督はプレイヤーだった時の知識と
コーチで培った能力を使ってチーム全体の指揮をとる

しかしオーナーはどうだろう?
プレイヤーのような知識も
コーチのような管理能力も
監督のような指導力も必要ない

集金能力と経済効果
経営における舵取りが出来れば問題ないのだ

オーナーと監督には
必要な能力に明確な違いがある

特に長く続き企業は
創業者による一族経営から
離脱しているケースが多く
そのため経営観というものがない
プレイヤー出身のオーナーが誕生する

もちろんオーナーとしての能力があるなら
問題はないのだが
下手にプレイヤー・コーチ・監督としての
知識と経験が邪魔をするようになる

オーナーという立場は
収益性を現場の状況を無視して構築出来る能力がなくてはいけない
監督の経験がプレイヤー個人やプレイングそのものを重視して
結果的な収益性や経営そのものを鈍らせているケースはよく見かけるものだ

サラリーマン経営者は一部の高級官僚のように
関連会社・グループ企業への天下りを繰り返して私腹を肥やす

自分が経営者でいる時間が限られているからこそ
自分の代で結論を出すことをしないで必要なことを後回しにする

自分の任期のことしか頭にないような経営者に
10年先・20年先の設備投資に対する判断など出来るはずもない

企業を長く生かすためには
その企業の一部となるのではなく
その企業の活動を外から一歩引いて見られるくらいの
ドライなスタンスが必要なのだ

情に流されて適切な企業判断が出来ないというのは
それだけで企業の寿命を短くする

失敗を恐れず
本質を見極め
必要な判断を
短期的なサイクルで行う能力こそ
これからの企業に求められる素養なのかもしれない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?