売れっ子の条件
マネされ作家の心情日記 9
量産型の販売が当たり前になった昨今のハンドメイド業界。
月の売り上げが1万にも満たない人が大勢いる中、5万10万30万なんかを軽く超える100万~300万といった莫大な売り上げをあげる人もいるとのこと。
手作り品をハンドメイド、作り手をハンドメイド作家と呼ぶのが主流なのだと思いますが、(だからこのブログのタイトルにもつかってる)
個人的にはあまり好きではなくて、タイトルに作家という言葉をつかっているのは第三者からみて伝わりやすいと思うからというだけで、普段から積極的にはつかっていません。
≫ ハンドメイドの二極化
そんなかんじで、この言葉に良いイメージをもてない理由は色々あるのですが、その一つに私が商品を作り始めた頃のイメージとはまったく違う、
『 温かみのない、冷たく無機質なもの 』
というイメージの商品が多くなってきたことがあります。
それが悪いということではなくて、世間のハンドメイド品に対する価値観の二極化が顕著になってきているなと思っています。
どう二極化してきているかについては後述するのですが、先に例えていうならば、
車好きの人がEV車にはないガソリン車の魅力を語るとき、エンジン音がするガソリン車の方が名前を付けたくなるような相棒感だったり、生きてる感じがあって好きだという話をよく聞きますよね。
ハンドメイド品もこれと同じように、
商品を作った人の《"温もりや人の気配"を感じられるハンドメイド》と、《ハンドメイドとわからない既製品のようなハンドメイド》といった、
ハンドメイドに対する価値観の違い、在り方の二極化が進んできていると感じます。
何を選ぶかは人それぞれで、価値観もそれぞれなので、
ハンドメイド品に人の温もりを感じたい人もいれば、そうでない人もいますから、その人が自分の感性に合ったものを選びやすくなったともいえますね。
ただこういった既製品のようなハンドメイド品が増えていくことは、個人的にはなんだかさみしいですが…。
≫ ハンドメイド=儲かる?
前述したように、月に1万円稼げない人口が最も多いハンドメイド業界。
この数値をみる限り、儲かるってなに?というかんじです。
儲かるわけないじゃんというか、儲けるって考え方から作り始めるならそれはもはや起業するレベルの話で…。
ハンドメイドで起業!みたいな広告もたまに見かけますが、起業してハンドメイドをするならそれは事業になりますよね。
量産するということは立派な事業。
ハンドメイドって言葉には身近なイメージを持ってしまいがちですが、この量産してなんちゃらというのは戦略ありきのもので、
ハンドメイドでお小遣い稼ぎ♪とか、ふわふわした話ではないんですよね。全然気軽じゃない。
商品の企画やデザイン、市場調査、試作品の販売もろもろ一人で行うことになります。
ハンドメイドって本当に手作りだと時間コストが鬼かかるので、
効率を考えるなら、良い材料を見つける能力やコミュニケーション力、工場に発注をするなら人脈づくりも必要でしょうか。
こんなことふわふわしてたらできないですもんね…。
世間のハンドメイドのイメージは結構ふわふわしている印象なので、それが魅力だったりもするのかもしれませんが、
実際ハンドメイドで儲けるには起業する・しないに関わらず、
売り上げをあげるという確固たる決意が必要であることに変わりはなさそうです。
それをしたくない、できない場合は儲かりません。
≫ 売れっ子になるには…
何をするにもそうですが、結局なにかを達成するためには道筋を立てないとできません。
それができるかどうかは、目指すゴールが明確であるかとそれに対して戦略的な行動がとれるどうかだと思っています。
つまりどこまでビジネスライクな考え方や行動ができるかです。
おそらくですが、、、
ハンドメイドで大きな売り上げを作れる人にはその要素があって、売り上げが安定しない人にはそれがないか、弱いんですね。
私自身そういった行動がとれないことに悩んでいたこともありましたので、とてもよくわかります。(その路線は諦めました~)
戦略を立てるにはお客様の行動を推測することが必要で、例えばSNS発信の言葉選びなんかにも気を遣い、投稿や記事を見た人がどんな感情になって、またその後どんな行動をとってくれるのか!?
...みたいなことを永遠とやっていくわけです。
私はそういう人の行動を操作するような戦略をとるのがものすごく苦手で、
やってることに違和感もすごくあったので、続けられずにやめたことも多いです。(自分がされて嫌な思いをしたこともやめた理由)
ただ大きな売り上げをあげるためには、ニーズ調査やブランディング、マーケティングは必須だろうなと思っています。
≫ まとめ
ハンドメイドを戦略的に売っていこうとする傾向が強くなっている昨今では、時間のない売れっ子にとっても、アイディアのない人にとっても模倣や盗作は戦略の一つなのでしょうが、マナー違反ですよね。
資本があればなんでもできる!を証明するかのような今の社会のさいごには、結局なにも残らない気がしてなりません。
前回も書きましたが、奪えば消えるんですよ。
だからもし盗みたいと感じるほどのデザインをみつけたら、盗むのではなくそれを考えた人に連絡し一緒に作りたいと話してみてほしいです。
単純に考えて、
盗むより協力した方が、その商品がもっている魅力をたくさん見つけられると思うので。
売り上げをあげるため、賞賛されるため、そういった移り気な世間に認めてもらうことよりも、
丈夫さや安全性、心地よいものを追求するような、かつての日本にあったものづくりの本質に世間の価値観を戻していくイメージで、
これから進んでいけばと願うばかりです。
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