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医療スタートアップ勉強会(2023/09/04 Fri.)イベントレポート

こんにちは。
北海道大学医学部起業部 代表 岡本大樹です。
今回は2023年9月4日に北医起業部主催で行った『医療スタートアップ』勉強会のレポートです。


ゲスト紹介

今回の勉強会は、株式会社日本総合研究所プリンシパル 東博暢さんをゲスト講師としてお招きしました。

東さんは、日本の成長戦略の基盤となる先進性の高い技術やビジネスアイデアの事業化を支援し、さらには大学改革、研究開発型スタートアップ支援等を行っていられます。また外部活動として、内閣府、総務省、経済産業省等の有識者委員会の委員を歴任、各自治体の首長のフェローも務められています。

場所・参加学生

会場は札幌大通 北海道新聞社の2階にあるSapporo Incubasion Hub DRIVEという起業家が集まるコワーキングスペースの1室を使わせていただきました。
(いつもありがとうございます!)

Sapporo Incubation Hub Drive

学生は北大医学部生に加え、札幌医科大、北大工学部、北海学園経営学部の学生も参加しました。

勉強会の内容

今回の勉強会は『スタートアップが生まれる土壌』そして『日本の医療スタートアップ最前線』について学びました。今回は医師が創るスタートアップ最前線について一部勉強会の内容をご紹介します。

勉強会の様子

医師が創るスタートアップ最前線

医師が創業するスタートアップの特徴について、東さんが『宇宙や半導体など様々な起業家を見てきたが、医師は現場で働いているからこそわかる実体験が強いので、他の起業家とまた一味違う』と言っていたのが印象的でした。

病院の現場で実際に医療行為をすることからこそわかる課題感が医師の方々にはあるようです。
現段階の医療を次に進めるため(より多くの患者さんを助けるため)には自分がやるしかないと強い思いを持って創業する医師の方も多く、非常に魅力的に写ると仰っていました。
今回はそんな、医師自身の臨床経験に基づき創業された医師起業家の方々について勉強しました。

(1)iMed Technology

iMed Technologyを創業された河野健一先生は、約16年脳神経外科医として患者さんの治療に当たっていました。
脳梗塞やくも膜下出血の治療として、カテーテル治療(1~2ミリ幅のカテーテルを脳血管まで送り込んで行う脳血管内治療)が多く行われる中、神経をすり減らし医師の負担がかかる手術において、医師を支援するAIプロダクトを開発されました。

(2)株式会社カーム・ラーナ

創業者の中村順一先生は、股関節・膝関節専門の現役の整形外科の医師です。人工股関節の置換術にて使用される人工関節は、従来は欧米製が主流を占めていた中、日本人の体格に合った小さめのサイズを開発されました。
それが純国産人工股関節『MIRFY-ミルフィー』です。日本人に適した人工関節であり、小さなキズから筋肉を切らずに行う最小侵襲手術に適した人工関節。手術後は今までよりも増して、快適な歩みをすることができるようになりました。生涯歩き続けられる社会を実現し国民の健康寿命を延ばしたいという中村先生の思いが体現されたプロダクトです。

(3)サスメド株式会社

創業者の上野 太郎先生は、睡眠医療の臨床医として不眠障害の患者さんを診療されていました。日本の不眠障害治療では睡眠薬の処方がメジャーな一方で、欧米で推奨されているのは認知行動療法などの非薬物療法であったそうです。睡眠薬には長期服用による効果の低下や副作用があるため、国外ではむしろ処方を避ける傾向にある中、そのギャップを感じ、依存リスクの高い 睡眠薬の代替医療として、認知行動療法を行うことができる不眠障害治療用アプリを開発されました。
その後、睡眠治療アプリでの臨床試験でのご経験をもとにブロックチェーンを活用した臨床試験の効率を高めるプラットフォームを開発されています。

終わりに

「課題設定が大きい方が、大きく成長しやすい」その話が印象に残りました。私達も大きな目標を掲げ、社会に対して大きな価値を提供できるよう大きな団体に成長していきたいと思います。
改めて東さんご講演いただきありがとうございました。



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