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素人の考古学―神奈川県伊勢原市小田急沿線の古墳巡り

 伊勢原市域は大山地区、比々多地区、伊勢原地区、高部屋地区、成瀬地区、大田地区と区割りされるが、今回は伊勢原地区。

(伊勢原市周辺古墳)

小田急線の伊勢原駅から本厚木駅の間の小田急線に沿った5つの古墳を見に行った。
前期から中期にかけての大人塚古墳、小金塚古墳、愛甲大塚古墳、地頭山古墳が直線的に並んでいる。少し離れたところに前期の牛山古墳がある。

①大人塚(おおじんづか)古墳。

20x3mの方墳。古墳前期の築造。
前回、丘陵の先端部に位置することだけを頼りに探したが見つからなかった。

(大名塚古墳)

今回はトウモロコシ畑の中を進んで丘陵に出たところで見つけることができた。

➁小金塚古墳。

49x6.2mの相模最大の円墳。4C末築造。
朝顔型埴輪、青銅製リングなど出土。
墳頂に小金神社がある。

(小金神社)

今回は幅10mの周溝を確認できた。
畑地と墳裾との間に地割り残りがあり、周溝を確認することができた。

(小金塚古墳の周溝)

➂愛甲大塚古墳。

90x5mの前方後円墳。4~5c前半の築造。有力な首長墓と考えられる。
埋葬石室の痕跡を探しに行ったが、宅地化が進んで古墳に近づくこともできなくなってしまった。


(愛甲大塚古墳)

➃地頭山古墳

厚木市にある「地頭山古墳」は重要な古墳として、墳丘直下に国道246号線のトンネル(船子洞門)が走るという特殊な立地状況。
古墳は全長72mの前方後円墳。
前方部が後円部よりかなり低く、前方の先端が広がらない形であることから、4c後半の神功皇后と同じ時代の築造とされる。

(地頭山古墳)

前方部墳頂から後円部を望む。

(地頭山古墳 前方部から後円部を望む)

国道工事の際、前方部が国道にかかる為、国道を半トンネル状(地頭山洞門)として前方部をそのまま残した。

(国道246号を跨ぐ)

歩道もトンネルの上を通り、古墳の横を迂回している。

(歩道も迂回)

この古墳はまだ未発掘の為これからが楽しみ。

➄牛山古墳

現在は平塚市であるが、上記の伊勢原古墳群の延長線上にあるような気がする。

相模川下流の西岸、自然堤防に立地する平野部の古墳である。

辺28m高さ4.9mの方墳、周溝あり。

出土した台付甕片や土師器により4c後半の築造とされている。


(牛山古墳)

この辺には方墳が多い。大人塚(おおじんづか)古墳、牛山古墳、少し離れたところに北金目神社古墳。前方後方墳もあり、前期には大和王権と併存する勢力があったのかもしれない。

以上

               小兵衛

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