免疫を鍛えろって!#003
アボカド。
この中南米原産の果物、知らない人はいないよね。さて、このアボカドという名前、何語だかわかりますか?
答えは日本語。
中南米、なかでもメキシコを原産とするためスペイン語圏の植物だ。もちろんスペイン語の中に・・あった!アボカド、スペルはabocado、意味は・・「弁護士」?
この果物、正しいスペルは「aguacate」。外来語が入って来る時の取り違えや混同はよくある話で、英語になる時aguacateがavocado(bがvに)に取り違えられ、近代日本ではアメリカべったりから素直に「アボカド」と呼ばれることになった。
その後、世界一使われるスペイン語の影響から英語圏でもアグァカトと呼ばれ直す地域が増え、今やアボカドと呼ぶのはほぼ日本のみ。
さて、このアボカド、「森のバター」と呼ばれる脂質の塊であり、豊富な栄養素と食物繊維を含むとても良くできた果実である。
実は品種は1000種類以上もあり、果実の大きい品種では2kg以上になる種類もある。
しかし食品としての美味しさやサイズ感から、日本での流通の99%はハス種という種類一種に片寄っている、普段スーパーで見かけるヤツだね。
果実が実るには15カ月以上かかる上に、人間以外の動物は中毒を起こすペルジンという物質が含まれている。しかも樹上では成熟しない、もぎ取ってしぱらく置かないと美味しく熟さないのだ。
種の保存という観点からすれば、いろいろと疑問の残る植物である。
日本では年中流通しているが、メキシコ産の旬は3〜9月であり、秋冬の店頭には南半球の南米産・ニュージーランド産が並ぶ。世界的ブームの健康果物である。
さて、恒例の身体への悪影響であるが・・
ない!
無いどころか良いことずくめである。
まず、摂取によりメタボリスクが低減する、素晴らしい。皮膚にも好影響があり傷の治癒を促進する効果もある。
軟骨を保護するASU(アボカド/大豆不鹸化物)は抗酸化作用と鎮痛作用を兼ね備えており身体機能の改善に寄与する。
炭水化物の代用とすることで、血糖値とインスリン排出濃度をともに低下することも分かっており、膵臓の負担が軽減される。
文句のつけようがないね。
ただこれだけの栄養価を誇る果実を生むためには、土地の栄養分を根こそぎ食い尽くす必要がある。そのためいったんアボカドを生産するとその土地は不毛の大地となるのだ。
また、生産・流通で発生するCO2量はバナナの2倍・コーヒーの3倍に達し、同じく消費、汚染される水の量は果実1kgあたりおよそ2000lに昇る。
そして新たな農地を獲得すべく、森林伐採・水源開発が日々行われている。つまりひどい自然破壊が世界的健康ブームの裏側で行われているということだね。
そしてもっと酷いことも起こっている。
メキシコ・中南米といえばお馴染みの武装麻薬組織。奴らが農業従事者から搾取の限りを尽くしている。
近年国家単位で警察・国軍を投入し、掃討作戦を試みるようになってきたが、奴らの機動力も侮れない。いたちごっこの様相を呈している。
身体には素晴らしいが、地球や社会には暗い影も落としているアボカド。
考えさせられるね。
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