前立腺がんだって。なんだよ、それ!#011

15日がやってきた。

待合室は、本当に混んでいる。
高齢化しているということは、俺を含めてジジィババアが増えている上に長い間生きているということ。
シモの不具合はつきものだ。

名前が呼ばれる。1診をノックする。

「おはようございます。」
「はい、お掛けになってください。どうですか?」
本当に驚いたが、一週間はオムツが離せず、昨日までは尿漏れパッドに茶色いシミが目立ったのに、今朝からぱったりそれが無くなった。
「まだ2、3日は例えば、・・うん、強目の運動なんかで出血はあるかもしれません。」
了解だよ、先生。
「さて、そのぉ、」
「検査結果の説明をします。」
いよいよ、だ。

あまりよろしくない報告から。
輪切り造影の結果、リンパ節への転移が認められた。これが、生検直後に「癌」と伝えられた理由でもあり、そのため、手術一発という選択肢は消滅した、転移先も叩かないと、ね。
前立腺肥大でもガンかもなぁという組織はあるし、事実癌だと判定するためには生検を待たなければいけない。
だが、転移が認められれば話は別、だって肥大だけなら転移なんかしないから。
そして、ここで新たに一つ問題が出てきた。

前立腺がんの主な転移先は、リンパ節、肺そして骨。肺はキレイ、と以前確認されている。だから、骨の検査が必要。
それを待って治療方針が決まるんだな、またスタートが遅れる・・

そして、マシな結果。
前立腺がんの細胞はもちろん全部ガンなんだけど、一番弱っちいクラスから最悪最凶クラスまで5段階ある。で、占率的に一番のクラスと二番のクラスの背番号を足した数字で悪性度を表す、らしい。それを「グリーソンスコア」と呼び当然大きい数字ほど、悪質。
スコアは最良(良、じゃないけど)が1+1の「2」、最悪が5+5で「10」。間のランクはいろいろな組み合わせがあるが、事実上2と10はありえないし、同じ6でも5+1と1+5ではまったくとは言わないがそこそこの差はでてくる。俺の場合は2+4の「6」しかも2の占率が一番多い。言葉にすれば、中度、平均的、ひどくない、など。(所詮、ガンですから)
本当に真ん中、ゆえにガン組織としては悪くはない(変な日本語)。

「PSAが70台、グリーソンスコアが6、で、浸潤度は・・まぁ、骨検査の結果をみて、というところです。」
「基本的にはホルモン療法を軸に、場合によっては放射線や、まぁ、身体の負担が疑問なんですが化学的な治療を併用するかもと、うん、いうところです。」

よぉし、解ったよ先生!
とにかく、骨の検査だね。
「はい、全身シンチグラフィ検査というのですが、20日はどうですか?」
そんなもん、やるに決まってんじゃん。やりますよ、やるやる。
「では10時に。結果はやはり1週間ほどかかるので」
はいはい
「次の診察は、3月1日の9時から、ということで。」


また、処方箋が、出た。


なんのまじないだか、祓いだか・・





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