よし、ボートだ!
かれこれ40年ほど続いている唯一の趣味が「ボートレース」だ。
記憶に残る名レースや血湧き肉躍る大勝負は数えきれない。もちろん記録としていくらでも閲覧できる、いい時代だね。
しかしレースはレーサーだけでは成立しない。数多のファンという名の博徒に支えられている。
水上の格闘技、と呼ばれるこのプロスポーツは一方で完璧にバクチなのだ。
そんな賭場における博徒たちの悲喜こもごもを記録した媒体は記憶にない。笑えて哀しい事件の多くは忘却の彼方に霞んでしまった。
嘘のような本当の話や本当を騙る嘘八百を今こそ灰色の脳細胞から絞り出し、残しておきたい。
不確かな記憶を脚色で誤魔化しながら、それぞれの物語を思い出せるだけ思い出し、書き記していこう。
博徒残酷物語の始まり、である。
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