片田舎のおっさん、剣聖になる(小説版)一巻ネタバレ、感想
身も蓋もない粗筋。
片田舎で剣道場を開いていた男が、騎士団特別指南役に抜擢されて王都に赴き、愛剣を失うまでのお話。
漫画版では一巻から三巻途中までの描写。
基本主人公の一人称描写で語られてるが、語り口が若作りぽいと言われている。
チームナックス、SMAP、TOKIO、20th Centuryを見慣れた身には（そうかな？）と思わさる。
つまり《四十五歳児》と称される程気持ちは若くないけど、全てを諦観してしまう程老いてもいない。
剣を持つと気は昂り、模擬戦では相手の動きを見越して動く位は元気。
多分、副団長ヘンブリッツとの模擬戦では笑みを浮かべながら対峙してる、小説版だと。
それ位楽しんでる内面描写を《若づくり》の一言で締めたくない。
でも、彼はそれを《誰でも少し鍛錬したら出来る事》と認識しているから、天狗になれない。
特別討伐指定個体ゼノ･グレイブルとの対峙でも本音は逃げ出したいけど、剣士としての矜恃がそれを許さなかっただけ。
自己評価が高くなった時、話は大きく動く。
漫画版の方が面白いという声は多いが、小説版だって面白い。
何よりも、小説版がなかったら、漫画は描かれなかった。
それだけは忘れたくない……
書き下ろし幕間では、ベリルの代わりに師範代として道場を任されたラングリドの一日と、モルデアとの会話で滲み出る、ベリルを送り出した真の理由。
少なくとも、そこまでは読んで欲しい。
彼が【剣聖】と呼ばれる事を期待しているのは、弟子だけでは、ない。
用語説明
レベリオ王国
ガレア大陸の北部に位置する王国。
ビデン村
レベリオ王国国境付近に位置する村
交易路から外れているので、行商人や冒険者等が来るのは稀。
バルトレーン
レベリオ王国の首都。
レベリオ騎士団
王国直轄でバルトレーンを活動拠点とする騎士団。
現騎士団長は史上最年少。
魔法師団
レベリオ王国が擁する魔術師達で構成された護衛団。
ガレア大陸でも、魔術師の存在は貴重。
冒険者
ガレア大陸で国境を跨いで様々な活躍を行う職業。
ランクは下から
ホワイト
ブロンズ
シルバー
ゴールド
プラチナム
オーシャン
そして最高位がブラックとなる。
基本その身分を示すプレートは首にかけている。
冒険者ギルド
主要都市に点在する、冒険者の拠点。
餞別の剣
教える事がなくなった弟子にベリルがビデン村の鍛冶師に頼んで作って貰った剣。
業物ではない。
今巻餞別の剣を貰った弟子としてアリューシア、ランドリド、フィッセルが登場する。
要は免許皆伝の証。
特別討伐指定個体
通称･ネームド。
普通個体の範疇を越えた特異個体。
基本、討伐依頼はプラチナム以上、報奨金と呼び名がつけられ、討伐推奨及び注意喚起が行われる。
レベリオ王国で確認されていたのは十四体。
登場人物
ベリル･ガーデナント
主人公。門下生の出自は詮索しない主義。
教える事がなくなった弟子には、餞別として村の鍛冶師が打った剣を贈っている。
モルデア･ガーデナント
ベリルの父。元道場主。
若きベリルの心をバキバキに折って、自己肯定感を低く設定させた原因。
アリューシア･シトラス
レベリオ騎士団団長。ベリルの弟子。
餞別の剣を愛剣にしている。
彼を騎士団特別指南役に抜擢する為だけに騎士団に入団。
慕っている。
クルニ･クルーシエル
レベリオ騎士団員。ベリルの弟子。
力持ち。
スレナ･リサンデラ
幼少時、魔物に襲われて家族離散し、ベリルに保護された過去を持つ最高位ブラック冒険者。
ベリルは弟子というより預かってた子という認識。
ランドリド・パトルロック
ベリルの弟子。
オーシャン（第三位）冒険者だったが、息子が産まれたのを機に引退、ビデン村へ居を移す。
餞別の剣を貰っている。
モルデアから師範代と道場を任される。
ヘンブリッツ･ドラウト
レベリオ騎士団副団長。
ベリルに模擬戦を申し込む。
フィッセル・ハーべラー
ベリルの弟子。レベリオ魔法師団所属。
餞別の剣を貰っている。
剣術と魔法を組み合わせた《剣魔法》の使い手。
ルーシー･ダイアモンド
レベリオ魔法師団団長。
見た目金髪少女だが、ベリルよりも歳上。
フィッセルからべリルの話を聴き、声をかける。
ニダス
冒険者ギルド長。
メイゲン
冒険者ギルド副ギルド長。
ポルタ
新人研修に参加するブロンズ冒険者。
二ドリー
新人研修に参加するブロンズ冒険者。
サリカッツ
新人研修に参加するシルバー冒険者。
ゼノ･グレイブル
特別討伐指定個体（ネームド）のグリフォン。
紅色。
新人研修中のポルタを襲った。
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