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100倍、身につく国語力(56)独特表現篇

 ❤小~高校生と,母親向けのレッスン

(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
 
独特表現篇 ⑰
 

【独特表現の日本語の特徴】
 
2.日本語特有の独特表現の実態
 
(17) 接頭語の「お」と「ご」の
        使い分け
 
 日本語の接頭語の一つに「お」と
「ご」がありますが、この使い方には
ときどき混乱が見られるようです。
接頭語は、確かに他の単語の頭に接続
しますが、だからといって無差別に
つくわけではありません。
 
 大まかな原則としては、「お」は
「お餅」、「お話」、「おいでになる」、
「お待ちください」のような和語につ
き、「ご」は「ご苦労」、「ご機嫌」、
「ご相談」、「ご辞退」のような漢語
につきます。ただし、例外があって、
「帽子」、「写真」、「綺麗」、「勘
定」などの場合は、「お」が漢語に
つくことがあります。また、「お」は、
「おビール」、「おコーヒー」、「お
ズボン」のように外来語につくことも
あります。さらに、「お勉強・ご勉強」
のように、「お」と「ご」の両方がつく
ケースもあります。
 
 最も極端な例としては、「おご馳走」
のように「ご」がついた上に、「 お」
がつく場合もありますが、これなどは
丁寧過ぎて却って本来の意味が損なわ
れているような気がします。
 
 これでは、何か依るべき指針がない
と困ることになります。そこで、今、
文化審議会が2007年に出した「敬語の
指針(ししん)」に基づいて、敬語として
の「お」と「ご」の使い方を見ていき
たいと思います。


 まず、尊敬の対象人物に敬意を示す
ための尊敬語ですが、( )の中に
は、「お」と「ご」のいずれが入るで
しょうか。
 
  ① 先生の( )子さんは、
    ( ) 出かけです。
  ② 先日、( )子息の
    ( )立派な( )姿を
   拝見いたしました。
  ③( )若い頃( )受験で、
   ( )苦労なさったそう
   ですね。
 
 という場合ですが、順番に①は「お」
と「お」、②は「ご」、「ご」、「お」、
③は「お」、「お」、「ご」が入ります
が、最近「ご受験」というのを耳にした
ことがありますので、これはもう許容の
範囲なのでしょうか。
 
 次は尊敬の対象となる人物に敬意を示
すための謙譲語ですが、( )の中
には、「お」と「ご」のいずれがはいる
でしょうか。
 
 ① 先生の( )荷物を( )預
   かりして、( )部屋に
  ( )案内いたします。
 ② 先日、( )依頼の調査につき
  まして、社長に直接( )報告
  いたします。
 
①は「お」、「お」、「お」、「ご」、
②は「ご」、「ご」が入りますね。この
「お」と「ご」は「先生」、「社長」と
いう尊敬の対象の人物への話し手の働き
かけの行為である「預かる」、「案内
する」、「依頼する」、「報告する」な
どの意味を低めるための謙譲語となって
います。
 
❤「お」と「ご」は美化語と称され、
 文化審議会答申2007)で初めて学校
 教育で扱う敬語の分類項目の一つ
 として取り上げられました。これに
 ついては次に考えていきたいと思い
 ます。
 
<参考資料> 『みんなの 日本語辞典』   
      (明治書院)
 
アナミズ (2024.04.07)
 
 

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