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100倍、身につく国語力 (22) 表現篇

❤小~高校生と、母親向けのレッスン

  (1年間で国語力の悩みが解決できる!)

表現篇②

  
 2. 気になる日本人の「帰納的」な日本人
  の話し方 ②


 日本人の話し方は、多くの場合「 帰納
的」に話すことが多く、結論の部分は、
最後になるので、文章が長くなると何を
言っているのか分からなくなる場合があり
ます。
 
「 帰納法」は辞書によると、「 個々の
具体的な事実から、一般的な命題や法則
を、論理によって導き出すこと」と説明
してあります。

  これは要するに、結論を言う前にいく
つも理由を並べ上げて説明したり、話し
たりする方法で、ときには文末の部分が
一番最後になるので、結局、ウヤムヤに
なることがよくあります。 

日本語が曖昧(あいまい)だという指摘を
受けるのはこのためですが、これがとき
には誤解を招くことになり、コミュニ
ケーションが成立しなくなるわけです。

 そのせいか、最近の若い人は、こう
いう表現の仕方を嫌って、結論から先に
言ってしまう傾向にあります。今その例
として、ある女子校生の話し方を見て
みましょう。 

【 帰納的な女子高生の話し方】  
 「 私行ったんだー、昨日、大阪  
  にー。すごく疲れたあー。  
  だって、お昼に友達と待ち合わ
  せたんだよー? 帰ってきたの、  
  夜の11時だもーん。沢山買い物
  も  したしー。」  

 これは、まず友達と目的地へ行って、
とても疲れたことを述べ、買物を沢山
して帰宅が遅かったのが、その原因だ
ということがよく分かります。この
ように結論を言ってから、いろいろな
状況説明をしているので、非常に理解
しやすいといえます。聞き手も相槌が
打ちやすいので、会話がはずむという
ことになります。

 それはともかく、このような言い方は
帰納的な表現と言います。 このように、
「 帰納法」は一般的な命題から特殊な
命題(めいだい)を、経験を頼らずに論理
によって導き出すものです。

 つまり、一つのことから他のことへの
意義を押し広げていくことになります。
換言すれば、結論から先に述べるという
話し方になります。 これを女子高校生
特有の早口で、高いイントネーションで
語尾を伸ばすという話し方だけで、大人
は眉をひそめるかも知れませんが、それ
だけで一方的に非難するには当たらない
と思います。  

 それは次のように、男子高生の演繹的
な話し方と比べてみると、いわゆる料理
番組の調理説明のようになっているので、
その違いがよく分かります。

【 演繹的な男子高生の話し方】 
 「 オレ、昨日友達とお昼に待ち
  合わせて、8時半の新幹線に
  乗って 大阪に行って、その
  あとあちこちでー たくさん
  買い物をしてから23時に 帰っ
  たんだ、だから、すごい疲れ
  ちゃった
」 

 どうでしょうか、男子高生の話し方
では、女子高生の表現と順序がすべて
逆になっているので、聞き手が早く
結論を聞きたがっているときにはイラ
イラしてきそうです。

 とにかく、「 疲れた」という部分を
導くために、新幹線、大阪、買物、23
時という修飾部分が続くので、聞いて
いる方が疲れてしまいます。 

 ただ、女子高生の場合には、帰納的な
表現だからといえ、短文を連続的に繋ぎ
合わせただけで、決して褒められた内容
とはいえません。こういう場合、とかく
舌足らずになり、逆に説明不足になると
いう危険性もあるので、充分気をつけ
たいものです。

❤このように帰納法と演繹法では、考え
 方も表現の仕方をも違います。ですか
 ら、文章を書くときには、それを意識
 することが大切かも知れません。

アナミズ (2024.03.03)

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