Pur
映画を作るならわたしは、導入部にこのPurを流す。
コクトーツインズ、スコットランドのロックグループのアルバム
’Four-Calender Cafe’の最後の曲 ’Pur’
私たちはしょっちゅう散歩をした。
ある時、その途中、小さなレコード屋さんに入る、サルヴァトーレのお気に入りのお店。
女性のご主人は、きっと若い頃からジャズが好きだったんだろうな、と想像をたくましくさせる素敵な方だった。
彼はもうお馴染みのようで、親しげに話してる。。私には内容は分からない。 早くイタリア語、分かるようになりたいなあ。。。
えっ? パットメセニー?? ながい会話の中で、これだけは解った。
今でも私は、パットメセニーやウィンダムヒルズが好き。
好きな曲は何度でも聴く。
彼はその店で、予約していたパットメセニーのカセットテープ 'Letter From Home'を受け取った。 同じアーティストが好き、嬉しかった。
その後、彼は好きなアルバムをいろいろ聞かせてくれた。 その中にコクトーツインズがあった。 ヴォーカルのエリザベス・フレイザーの歌が、私には新鮮で、不思議な世界に誘う楽曲の数々。
一気に魅了される。
その中でも一番好きな曲があった。
’マキの好きな曲はこれだね’と言ったのが、Pur。
そのアルバムを私が聴いたのを彼は知っているけれども、何のコメントもしていないのに、彼は私の一番のお気に入りが判った。
なんということでしょう。。
それから30年以上も経つのに、この曲を聴くたび、ペルージャの街の空気、音、匂い、友達、授業、サルヴァトーレとの会話、、昨日の事のように思い出される。
認知症になった患者への、’音楽療法’というものがある。 私が認知症に罹患したなら、この曲をぜひ聴かせてほしい。 他にもあと数曲。
きっと良くなるに違いない。
この曲を、私の仮想映画の冒頭で、16世紀にローマ法王の命により造られた要塞、ㇿッカパオリーナ、丘の中腹部から中心地への4基ほどの長く,暗いエスカレーターが終わり、日が差し込んでくるその時に、Purが流れる。
何て素敵なシーン、、、私はその妄想だけで、胸がいっぱいになる。
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