「六丁の娘」まえがき
この小説は、室町時代の渡辺津、および京都を舞台にしています。
渡辺津は、今でも大阪に「渡辺橋」という名前が残る、淀川河口の港です。
もっとも、当時の渡辺津と、今の渡辺橋は、少しだけ場所が違うそうです。
とは言え、大阪湾に向かって開けた、当時最大級の港だったことに変わりはありません。
そこには渡辺党という、海賊のような武士団が縄張りを張っていました。
源氏の出自を持ち、一文字名前を名乗る渡辺党の武士たちは、歴史の表舞台に少しずつ登場しては、すぐに消えていきます。
その中で、少し変わった形で歴史に名を残している、渡辺進という男がいます。
この小説は、彼がたどった数奇な運命を題材にしています。
一人でも多くの方の目に触れれば、これ以上の幸せはありません。
どうぞよろしくお願いします。
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