今年度の抱負

私は既に大学も卒業し、フレッシュさの欠片もない大学院生ではありますが、気持ちを改め、高校時代の自分と影を照らし合わせながら、これから高校に入学する弟のために兄がリフレッシュ高校生として入学の抱負を代筆させていただきます。
まず、入学前の生活の仕方から軽く振り返っておきましょう。この時点から抱負を考え出す生徒は少ないのではないのでしょうか。良い子ポイント1点獲得です。私が高校に入学する直前は、学業においてスタートから最高速度をたたき出すことを目標にしていたため、英単語を毎日100語ずつ覚えていました。結局、9日目で達観してしまったため850語までしか覚えられませんでしたが、間違いなくこのリードは大きかったといえるでしょう。しかし弟はどうでしょうか。四六時中ソファの上から動こうとしていなかったようです。これは許せないですね。要注意です。よって、人が気を緩めそうな時に如何に加速するかが高校の勉強においては大事なのではないかと考えています。宿題はどう終わらせるのか、ではなく宿題は提示される前に予め予測して先に終わらせ、前頁まとめて提出することで課題を省略し、自主学習の隙を作る、というくらいの計画性が要求される環境なのではないでしょうか。私自身は当時担当教科の先生から課題ノートに、「もう出さなくてよい」との付箋をいただきました。せめて弟には定期考査直後のようなタイミングで頑張ってほしいものです。
続いて登下校について考えてみましょう。私の時は親の通勤に合わせて車に乗せてもらっていましたが、諸事情により弟はそういうわけにはいきません。自転車で片道50分程こいでなければなりません。これは精神的にくるものがあります。真夏の部活帰り、体力が残っていない状態で「もう今頃近所のやつは冷たいシャワーでも浴びているのだろうな」と虚無感に襲われながら若干上りの帰り道をただひたすらに走るのは今思い返しても苦しい過去です。なぜ住んでいる地域にこんなに格差があるのでしょうか。大学近くの一人暮らしにあこがれるのも無理はありません。しかも、帰り道は変化のない田んぼ道のため、視覚的な楽しさや発見もありません。孤独な道をずっとついてきてくれるのは、顔や服に張り付いてくる細かい虫の死骸だけです。しかし、この苦行を乗り越えるために、工夫をする力も身につくかと思います。例えば、覚えたい単語をまとめた髪を自転車に貼り付けることで隙あらば単語を覚えられるというような小技です。危ないので複雑な道や狭いところではできませんが、田んぼ学習は可能となります。もしくは異常な脚力を獲得することに固執してもよいでしょう。中には例のレールバス6駅分をたった16分で自転車移動してしまう猛者もいました。私はここまでのことはしませんでしたが、最短ルートの探索はしました。このように一見ただの作業・苦行にも工夫したり己の限界を試したりすることでいくらでも自己を高める素材になるのだという考えを持つことが大事であるかのように考えられます。
まだ書きたいことは山ほどありますが、原稿用紙も足りなくなってきたため、締めくくりに入ります。これから環境が新しくなる中で大事になってくるのは、時間の作り方だと考えています。これは、一見誰にでも平等に与えられているかのように見える時間という素材を以下に有益にするのかということです。休みも削って予定を敷き詰めるということを言いたいのではありません。物事の重要度を見極め、仕事の熱量に強弱をつけ、誰もがやるようなことを別の視点から見つめなおすことで新たな成長の余地を見出すことでこの時間という資源を高利益なものにすることができるということです。ここまでのことを弟はどこまで理解しているかはわかりませんが、私の主張に少しでも施行を巡らせてくれるのであればリフレッシュ高校生としてこれ以上に嬉しいことはありません。まずは3年間頑張ってほしいものです。
最後にはなりましたが、ご多忙の中ここまで長い兄の茶番に付き合っていただきまして誠にありがとうございます。私自身は時折突発的に文章を書きたくなることがありますので、随時反省文等の代筆は承っております。今年度の生徒達にはたくさん反省させてあげてください。私が満面の笑みで駆け付けます。


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