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空想小説

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思いつくままに書いた空想です。
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#ショートショート

350字小説『また逢いましょう』

やっとこの列車に乗れた。 指定された部屋は狭いけど、シンプルで清潔だ。 荷物をベッドの上に…

achi-ko
1か月前
24

140字小説『ただ過ぎゆく』

好きな人にフラれた。 友達に裏切られた。 大きな失敗をした。 騙された。 もう終わらせていい…

achi-ko
1か月前
28

200字小説『Water life』

ちゃぷん、という音で目が覚めた。 ああ。今月うちが水の番か。 家中が水で満たされている。 …

achi-ko
2か月前
20

500字小説『水色レイン』

「お帰り」 「…また勝手に。不法侵入だぞ」 「連れないこと言うな。土産がある」 いつからか…

achi-ko
2か月前
27

140字小説『参りましょう、青の外まで』

「ほかの色を見たくない?」 「青以外にあるの?」 「ええ。数え切れないほど」 生まれた時か…

achi-ko
2か月前
23

200字小説『空を蹴散らせ、蹴散らせ空を』

空が狭くなってきている。 洗濯物が乾かない。 誰にお願いすれば…。 「太陽に土下座すればい…

achi-ko
3か月前
22

500字小説『全部、嘘』

「明日、一緒に映画観に行かない?」 彼女は朗らかだ。誰にでも同じように接する。 「いいけど」 「ほんと?じゃあ駅前の本屋。朝10時に」 「分かった」 「遅刻しないでね」 ばいばい。 手をブンブン振ってから走り去った。 来ないだろうな。 そう思いつつ「もしかしたら」という望みを捨てきれずに待ち合わせ場所へ急いだ。 でも。 「やっぱりね…」 分かってる。彼女は嘘つき。 溜息を吐いてから、映画館へ向かった。 何を観ようと悩んでいた時、後ろから声をかけられた。 振り返ると、同じクラス

三十一文字(字余りあり)

切なさと さよならするのは 嫌いなの だからあなたと 付き合わないの 遠くへと 旅立つあなた…

achi-ko
3か月前
40

140字小説『Dive into my eyes』

「あんたって嫌な性格ね」 賢くて明るくて誰にでも好かれる私。 でも一番好きな人に好きになっ…

achi-ko
3か月前
19

140字小説『 Return』

「おお。このくだらない世界に凝りもせず生き続ける我が友のご帰還だ」 「勝手に入るな人ん家…

achi-ko
4か月前
29

140字小説『I forget you』

やっとこの崖に辿り着いた。 これで、あいつを記憶から葬れる。 何の覚えもないことで勝手に恨…

achi-ko
4か月前
16

140字小説『blue focus』

何時の間にか青一色の世界に来ていた。 「ようこそ。住むところは決めた?」 「いえ、まだ。こ…

achi-ko
5か月前
19

140字小説『lovers』

「浮かない顔」 「当たり前でしょ、失恋したんだから」 こんなことなら告白しなきゃよかった。…

achi-ko
5か月前
17

140字小説『Can you see your god?』

神様を探している。 みんなに優しいんじゃなくて。 自分だけを見てくれる神様。 「いないよ、そんな都合のいい存在は」 知ってるよ。 でも欲しいんだ、頭を撫でてくれる手が。 よく頑張ったと褒めてくれる声が。 「努力して頑張って褒められるのは子どもだけだ」 分かってる。 海へ行く。 きっと理想の神様が。 いる。