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いっそ殺してくれ

七年前の話していいか。

まだだいきちの腹筋が割れていて、夏の砂浜が似合う鬼ギャル時代の話なんだけどよ。
今思えばあのきっかけがあったからこそ今のあたいがあるっつか、羞恥心を遥か彼方に放り投げることができるようになったのかもしれん。さよなら羞恥心、ようこそ太々しさ! 死ねデブ!!(圧倒的私怨)

この備忘録を書き散らすにあたっての注意事項

◎身バレ防ぐために時系列を適度に弄ってます
◎なお本体は小説を書いているために、ガンガン「」セリフ使います
◎飯食ってて喉詰まったらごめん。生命保険の確認しといて
◎今回女の下半身事情の話なので、だいき血のプライベートの話は嫌だよという人は逃げろ。其方は美しい(唐突のアシタカ)
◎あと創作BL文字書きが使う専門用語もバンバン使う。よろ。


その日、私は浮かれていた。なぜなら翌日には付き合いたての彼氏とその友達カップルと、某ロングビーチにカチコミキメる予定だったからだ。
ヌーブラも買った、某へネスアンドマウリッツでやっすいけど見栄えのいいビキニも買った。
これはカッコつけてビーチパラソルの下サングラスをかけてモスコミュール一生決めて、夏の思い出を吐かない程度に作りたいと、浴びるほど酒と肉を食う予定まで立てていた。

だって夏だぞ、浮かれるだろ。まだ腹が出ていない時代だぞ。なんなら予約取れねえミュ是の脱毛だってシコシコ行ってた時代。
だけど夏に向けて脱毛の予約は取りにくくなっていた。
思えば全てはミュ是が悪い。あいつが諸悪の根源だ。

男は夢見てるかわかんねえけど、女のビキニは一枚肌色の下着的な何かを着なくちゃいけねえの。だから余計なもんははみ出ちゃいけねえわけなのよ。
まだ下半身の脱毛も完了してねえ、面倒臭えけどいっちょやるかってことで前日の夜にマツ◎ヨで、仕事帰りにトッモと共にブラジリアンワックスシートを購入。

トッモ 「ブラジリアンワックス痛そう」
だいきち「剃刀負けする方が嫌だわ」

結論。剃刀負けの方がマシだとはこの時は知る由もない。

今も当時も実家暮らしなので、お早い帰宅後に撮り溜めたコントを見ながら自宅でソロ活動開始(※ブラジリアンワックスシートを使うことをソロ活動と呼ぶ世界線

当時あまりにも修羅場すぎてなんのコント見てたかも覚えてない。だけど私はソロ活動開始数分後。

んお゛っっっっっっっ

とか受けが結腸責めにあって発する濁点喘ぎのガチ生命の危機201XVer を声から出していた。
何が起きたのかわからなかった。咄嗟に出た声にしてはあまりにもニャンちゅうすぎて、自分の声だとも思わなかった。

「俺のターン!! ドロー!! 怒りのハムスターを召喚。だいきちの股間に必殺前歯で1000のダメージ!!!!」

的な具合に突然武藤遊戯がドヤ顔で叫び、見境なく攻撃を仕掛けてきたのかとすら思った殺すぞ。そんな気がする今思えば。死んだのは私の方だったけど。
つまり何が言いたいかというと、🔳🔳🔳近くに貼り付けたブラジリアンワックスシートを勢いよく剥がした途端に大事件が起きたってことよ。

唐突な痛みに跳ね上がる足、飛んでいく枕。反転する視界、気がつけば見上げていた天井。
体育2のだいき血がびっくりの反射神経でベットから痛みのあまり飛び落ちた。なお部屋は二階である。死にかけたまま、なんとか起き上がって下半身を確認、

ア゛ッ

さよなら夏、はよよべ救急車
多分剥がしてはいけないものまで剥がしただいきち、パニックで下半身真っ裸のまま四つん這いでリビングへGO!
リビングでは、母親が呑気にテレビを見ていた。幸い隣の部屋の父親はだいきちの日々の奇行に慣れすぎていて並大抵のことでは部屋から出てこない。
築80年リノベ済みの自称のび太ハウスの急階段を、獲物を狙う黒豹のような降り方で慎重に下り、叫んだ。

おがあざああああああああん大泣!!!!!!!

母「あんた何!? うるさいよ夜に!! え!? なんで下半身にシール貼ってんの!!!!(困惑)(ゴミを見る目)

言いたいことはわかる、シールじゃねえし、とにかく血が止まんねえからはよ救急車呼んでくれ

母 「救急車!? え!? すみません救急車ですか?股から娘が血を流してて!」
救急「股から血を? どんな状態ですか?」

おいスピーカーになってるよやめろ母!!

(だいきちの心の悲鳴は届かなかった)

救急「今下半身はどんな状態ですか!」
母 「なんか娘が股にシールはって遊んでて」
  (やめろシールじゃないやめろマジで電話代われ)
救急「股にシールで出血……? 娘さんおいくつですか」
  (ブラジリアンワックスシートだっっっっっっっていっっっっってんだろっっっ)
母 「2×歳です」
救急「OH……」

お゛があざああああああん!!!!!!!(大泣き)

しかし地獄はまだ終わらなかった

救急「止血処理をしてお待ちください!」
母 「わかりました

とりあえず心臓より高い位置にあげて待っておきますね!!!!

「あああああいっそ殺せ!!!」

わかるだろ、痛みと闘いながら説明不足な母親と戦う娘の構図だよ
想像は犬神家の一族で検索してくれ。包丁で指切った時の如く患部を心臓より高い位置へと持ち上げる。転がったままの娘へと、母による謎のプロレス技をかけられるプレイ開始だよざけんないっそ殺せ

救急車が到着して、玄関から救急隊が真っ先に見たものが知りてえか。あたいの尻だよ。

虚無顔で運ばれるだいきち、気まずい空気ががれる救急車内
そして到着した病院で言われた

医「ああ、股にシールの子ね」
 「ンギィ」

結果産んでもねえのに五針縫ったよ!!!!!!!!!!

もちろんビーチでモスコミュールも肉も決めれなかったし、しばらくトイレ行くたびに牛のような悲鳴をあげていた夏だった。
私は夏が死ぬほど嫌いです。よろしくどうぞ。


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