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『雌蛇の罠&女豹の恩讐を振り返る』 (21)小学生女子に組み伏せられる男。

故堂島源太郎の妻佐知子は、この物語進行時点で今井壮平と付き合っていた。彼は生前の源太郎のトレーナーだった男だ。
息子の龍太は「お父さんは、お母さんが幸せになることを天国で祝福してくれるよ」と言うが、小学生の麻美はそうではない。
「パパ(源太郎)がかわいそう、、今井さんは良い人だけど、私のパパじゃない…」

麻美は中学になったらNOZOMIが立ち上げたNLFSの入校テストを受け練習生として入りたいと考えていた。
「あそこは男の人と戦うことを目的とした女子格闘スクールなのよ!」
母からは色よい返事をもらえない。

佐知子は息子の龍太は男の子なのだからともかく、麻美は女の子なのでこれ以上格闘技に熱中してほしくない。麻美はそれを微妙に感じ取り不満だった。
小学6年生ともなれば女の子は成長期に入り、麻美はこの歳の少女としてはかなりの長身で166cmにもなっていた。それに母の今井との関係もあり反抗期でもあったのだろう。服装も派手になり肌の露出が多いものを着ると仄かな色気さえ漂う。

ある日、麻美は親友の清美ちゃんの家に遊びに行った。二人して楽しくお喋りしていると、パチンコに出掛けたはずの清美ちゃんの父がほろ酔い気分で帰ってきた。彼は清美ちゃんの継父である。
麻美は清美ちゃんがこの男に家庭内暴力を振るわれていることを耳にしていた。
どう見ても碌な男ではない。
「外へ遊びに行こうよ」と、清美ちゃんを促すと、「お嬢ちゃん、ここで3人でお話しよう」と、あろうことか、男は麻美の脚に触れてきたのだ。その時の麻美はミニ丈の花柄ワンピース。ほろ酔いもあって、男はそれに刺激されたのだろう。

その頃の麻美は母と今井との関係もあり心が荒んでいた。カァーっとなった麻美は立ち上がると男を睨み付ける。

「お(継)父さん! 麻美ちゃんに変なことしないでよ!わたしのお友達なのよ」

「なんだと! それが親に対する口の利き方か? ガキのくせに生意気だ!」

麻美に悪戯しようとした継父を清美ちゃんが咎めると男は清美ちゃんを殴った。清美ちゃんは口を切ったようで血が流れる。

それを見た麻美はキレた。完全にキレた。

相手は37才の大の男である。
普通なら小学6年の女の子が敵うはずもなく身の危険でもあるのだが、麻美は166cmもあり、レスリング、空手を習っている。男の身長は170そこそこか? 麻美とそんなに変わらない。しかもほろ酔い状態。
下卑た顔付きで男がニヤニヤ麻美に近寄ってきた。友達の(継)父といっても麻美にしてみれば只のゴロツキ男である。

修羅場になった。

このエピソードの詳し模様は、本編『女豹の恩讐』(37)バイセクシャル 〜 (38)麻美の自己嫌悪 を、読んで頂ければ。

麻美が男の腹部に正拳突き、怯んだところに下段蹴りが決まると男は蹲る。
ミニ丈ワンピース姿の小学生少女に殴られ蹴られた男が怒りの形相で麻美に飛びかかろうとする。麻美は胴タックルから男の身体を肩に担ぎ上げた。小学生の女の子に持ち上げられ宙で足をバタつかせる男は本当に不様だ。リビングでは狭くて危険と判断した麻美は、そのまま隣の和室まで男を運ぶと畳の上に放り投げた。

「やめてー! やめてー!」

清美ちゃんが(継)父と麻美の取っ組み合いを泣きながら止めようとするも、二人の耳には入らないようだ。
畳の上で仰向けに倒れている男に麻美は馬乗りになると、その両手首をギュッと掴み畳に押し付けた。レスリング女子の麻美にこうされると身動き出来ない。
なんと、37にもなるゴロツキ男がワンピース姿の小学生の女の子に組敷かれ、馬乗りから両手首を床に押し付けられ磔の刑を受けている格好なのだ。
小学生女子に何も抵抗出来ない男は、悔し涙を流しながら上になっている麻美に向かって下から唾を吐いた。そのアルコールの混じった悪臭に麻美は逆上した。

ドガッ! ズゴッ!

麻美は男の左右頬を一発ずつ殴打。更に血の混じった唾を吐く男の左頬に拳を当てるとそれをグリグリ畳に押し付けた。男は何も抵抗しなくなり涙を流している。
ワンピース姿の小学生女の子が大の男を組み伏せて泣かせてしまったのだ。
そこへ、男の妻である清美ちゃんの母が帰って来る。彼女は信じられない光景を目の当たりにしたのだった。

男は奥歯が折れていたという。
日頃の狡猾な彼ならば暴行を受けてケガを負わされたのだから、それを理由にゆすりたかりをしていただろう。しかし、それは少女に対する淫行、娘に対する暴行への制裁であって、第一、日頃ケンカ自慢ばかりしている自尊心の高い彼が、小学生の女の子にケンカで負けてケガを負ったなんて口が裂けても言えるはずがない。


実際どうなんでしょうね?
小5〜小6位になると、女子は成長期になり大きい子もいますからね。
いくら格闘技に長けた小学生少女であっても大人の男には勝てないものなのかな?
若い男ならともかく、50過ぎで運動不足の男はスポーツ小学生少女には勝てないような気がします。ましてや、格闘技で全国トップレベルの少女には絶対?勝てない。

10年前位かな? ある体育館みたいなところで、小学生女子がバレーボールをやっているのを見たことあります。その中に170位ありそうな女子がいたので、高校生が混じっているのかと思いましたが小学生でした。
凄いジャンプ力で、格闘技をやっていなくとも、還暦をとうに過ぎた現在の私なんてあんな女の子と戦えば簡単にねじ伏せられそう。絶対勝てません。
女子高生が、あるいは女子中学生が、大人の男を暴行なんて三面記事を稀に目にしたことはありましたが、小学生女子が大人の男を暴行なんて聞いたことないなぁ。
実際はあるんでしょうけどね…。


さて、色々あったけど、堂島麻美は中学生になると憧れのNLFSに入校。
堂島兄妹はデビューに向けて突っ走る。

つづく。





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