見出し画像

勝負!「どこからでも開けられます」

   コンビニで昼ご飯を買う際、おいしくて必ず買うお気に入りのサラダがある。
しかし、いつからかサラダを手に持つとき三センチほど気持ちが険しくなるようになった。なぜならそのサラダを買うということは、アイツからの勝負を受けるということだからである。
そう、それは「どこからでも開けられます」のあのドレッシングの袋をスマートに且つ美しく開けられるかという勝負である!

暇な奴だと思わないでほしい。
去年の夏のファーストコンタクトの際、友好関係を築こうとした私に対し、アイツは「暴発する」という強行手段を取ったのだ。いや、それだけならばまだ許せたであろうが、アイツはあろうことか、サラダ本体のすぐ横に置いてあったお気に入りのハンカチにもその手を伸ばしたのだ。ハンカチに書かれたイルカのイラストがじわじわと茶色く染まる様を目の当たりにした瞬間から、私の長き戦いは始まった。

現在までの勝敗は約八:二で優勢。ただし私の中で負けるジンクスがいくつか存在する。
まず、白い服or新しい服を着ている時。この時は心なしか、相手側の攻撃力も上がっているように感じる。
それと極度の空腹であるとき。手元の力加減を見誤り敗北した過去が頭をよぎる。

 ちなみに、あのタイプの袋の切れ込みは、「マジックカット」と命名されているようだが「なーにが【マジック】だ。ケッ」と思いながら挑むと、やはり敗北することに最近気づいた。

もしかしたらあの【マジック】という言葉の裏には「袋を開ける人間の思考を読み取る」というという隠されたメッセージが…?いやいや(笑)そんなことは(笑)と思いながら袋を開けたら、また敗北した。




勝率が七:三になった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?