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熊野古道中辺路 5日目

2024年3月27日(水)
5時30分頃に目が覚めた。
少し開けていたカーテンの隙間から明かりが入り込んでいる。

今日は新宮駅6:53発の電車で那智駅まで行き、バスに乗り大門坂まで行き那智大社、那智滝に行った後、歩いて坂を下り補陀洛山寺に寄り新宮まで帰ってくる行程だ。
朝から日差しが眩しいくらい天気も良く、荷物も貴重品だけなので部屋で朝食を済ませると、軽い気持ちでホテルを出て行った。

朝の那智駅ホーム

予定の電車に乗れたので7:10那智駅に到着した。
駅前のバス乗り場に行くと、那智大社方面のバスは7:38発となっていた。
暇つぶしに駅周りをうろうろしていると、駅前に中村覚之助さんとサッカーボールが石碑が。
横の説明文には、氏の功績と八咫烏が日本サッカー協会の旗章になった謂れなどが書かれていた。

駅前に立っていた石碑
石碑の横にあった説明書

7:50 大門坂バス停到着。
バスからは、私を含め8人が降りた。
バス停横の桜はまだ満開まで数日かかりそうだ。
私以外はバス停近くを散策(トイレもあった)したりしていたので、私が先頭で大門坂に向かう。
バス停から少し登って行くと大門坂入り口が見えてきた。

大門坂入り口
7:56 大門坂入り口にある鳥居をくぐって大門坂に入る

石段を上がり鳥居をくぐると古道らしい景色に変わる。
古い石畳の道に変わり勾配もキツくなってくる。

朝の澄んだ空気と周りの木々が気持ちよく迎えてくれる
8:00 多富気王子跡を通過
歴史を感じさせる石畳と左右の巨木たち

熊野古道のポスターに出てきそうな石畳の坂道を楽しみながら登って行く。
15分も歩くと大門坂も終わり那智大社参道入り口に着く。

那智大社・青岸渡寺参道入り口

参道にはお土産物などを売っているようなお店が数件あるが、まだ開店前のようだ。
シャッターの降りた山道の石段を上がって行くと那智大社境内への入り口になる。

まだ開店前の参道商店街
左:那智大社、右:青岸渡寺

石段を上がり熊野那智大社の本殿にお参りする。
まだ観光客は少ないので、ゆっくり境内を散策する。

熊野那智大社の御由緒

那智大社の境内を散策した後は横にある青岸渡寺に向かう。
ここは西国三十三所観音巡礼の1番札所になっているお寺だ。
西国三十三所巡礼の総距離は約1,000Km、和歌山、大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、岐阜と2府5県にまたがる。
四国88ヶ所巡礼で歩いた距離が約1,300Kmだったので国内ではこれに次ぐ長距離の巡礼路になると思う。
ただし、四国とは違い関西の大都市を歩かないといけないので、テント持参での野宿巡礼は厳しそうだ。

西国三十三所観音巡礼1番札所 那智山青岸渡寺
西国三十三所観音巡礼1番札所 那智山青岸渡寺本堂

本堂でお参りを済ませ境内に出る。
ここから那智の滝と五重塔をバックに記念写真を撮り、那智の滝に向う。
ここから約20分の距離だ。

那智の滝

下から見上げると、水が落ちる轟音と水飛沫が舞いパワースポットを感じさせる。
有料スペースには入らず、売店で記念の手ぬぐいを買って帰ることにした。
一旦バス停まで戻り大門坂の方に向かって歩く。

那智の滝前のバス停近くにある商店で目に留めた那智黒のソフトクリーム買い食べながら歩いていると、25日に小口に向かって行った外国人ペアに出会う。
どうやら小口のキャンプ場でテント泊したようだが、夜中に雷と大雨で寝れず大変だったとぼやいていた。
彼らとは数分立ち話をして別れ大門坂に向かった。

9:25 大門坂の降り口に到着。
ここからまた石畳の道を下って行くのだが、朝来た時と違い下からは続々とハイカー?観光客?が上がってくる。
登ってくる人たちの邪魔をしないよう石畳を下って行く。

9:40 大門坂のバス停の手前から旧道に入って行く。
舗装された旧道を歩きながら、お杉社・市野野王子とお参りし、尼将軍参道に入る。

10:12 尼将軍参道入り口
入り口から5分も歩くと山道(古道)の入り口がある

山道に入るとしばらくは石畳の道になっているが、そのうち石畳が無くなってくる。
軽いアップダウンが続くが、土の上は歩きやすくて良い。
所々水たまりやぬかるんだ所もあるが、背中が軽いと足取りも軽く軽快に歩いて行く。

木々に囲まれ苔むした道が気持ち良い
所々道が川になっている

10:51 山道から舗装された道に出る。
那智の市街地に戻ってきた。
10:57 補陀洛山寺に到着。

補陀洛山寺本堂
補陀洛山寺に復元展示されてある補陀落渡海船

境内を散策していると、復元された補陀落渡海船が展示されていた。
平安時代から江戸時代まで、この補陀落寺の住職が南海の観音浄土に向かってこのような船に乗って行ったということだ。
観音浄土に向かう船に鳥居が取り付けられている事に不思議な感じがしたが、当時の人たちの宗教観などが感じられ思わず手を合わせた。
境内の左側から補陀洛山寺の裏山にある補陀落渡海上人の墓、平維盛の供養塔などへお参りし補陀洛山寺を後にした。

昼飯時が近づいてきたので、那智駅前の喫茶店に寄る。
お腹を満たした後線路の下をくぐり那智海水浴場に行ってみた。

那智海水浴場の綺麗な砂浜

季節外れの海水浴場は閑散としているが、潮風にあたりながら綺麗な砂浜と海を見ながら休憩する。
12:00 さあ、これから新宮のホテルに向かって歩いて帰ろう。

線路をくぐって先ほどの那智駅前に戻り、国道42号線を歩く。
海岸沿いの道は景色は良いが歩道がないので横を通過する車の風圧が怖い。
中には気を効かして避けてくれる車両もあるが、大型車同士がすれ違う時などは迫ってくる車に恐怖を感じる。

12:08 やっと歩道があるところに出る。
この先しばらく国道と離れ旧道を歩く事ができそうだ。

この先35分間は旧道を歩けそうだ

トンネルの手前から石段を上がり旧道(山道)に入る。
大狗子峠、小狗子峠を越え小狗子峠のスタンプ台でスタンプを押す。

12:13 大狗子峠 落ち葉の上を歩くのが気持ちいい
12:30 小狗子峠
13:07 佐野王子跡を通過する
14:47 高野坂入り口
古い石畳が残っている所

高野坂は古い石畳の道が残っている所、土や草の上を歩く所や綺麗な海岸線が見える所など歩いていて楽しい。
天気も良いし最高の熊野古道だ。
峠を越え下に降りたところにトイレがあったのでお借りし、15:13その先にある高野坂のスタンプを押す。
しばらく歩いていると住宅地に入り浜王子に着く。

15:43 浜王子跡を通過

浜王子跡を通過するとその先は新宮の街の中を歩く事になる。
道は舗装されており住宅地の中を歩く景色は楽しくなく、ホテルまでの道を間違えないよう携帯の地図を確認しながら歩く。

16:08 徐福公園前を通過

徐福公園前を通過し駅前のコンビニに寄り今日の晩御飯を買いホテルに戻る。
今日は朝から最高の天気だったが、明日からまた天気は崩れるとの予報だ。
明日は新宮でお土産でも買い電車に乗って帰るだけなので、せめて電車に乗るまでは雨が降らないで欲しい。

本日の歩行距離:29.5Km(40,206歩)


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