ハムレンとうしれん、マルシェに出店する その3
その後、妹のコハムからも電話が来ました。
「ハムちゃん、ヤマノハラのマルシェに出店するんだって?私もその日、プロのイラストレーター作家さんのお手伝いでマルシェに出るのよ!」
「そうなんだ!お互いに行けなくて残念だけど、お互いに楽しみだね」
「そうだね!お互いにがんばろうね!」
そうして電話を切りました。
「ふふふ、プロかぁ。」
ハムレンは少しため息をつきました。
「でも。私も私なりにがんばってみよう。」
そうして出店当日がやってきました。
お天気は曇り空。けれどもマルシェの会場は、ヤマダ中学校の体育館だったので、雨が降っても濡れる心配はありません。
うしれんが朝から車を出してくれて、うさぎのお人形、紹介チラシ、うしれんが作ってくれたハムレンショップの看板などを積んでいきました。
「えーと…責任者のりすれんはどこかしら?」
「おーい!ハムレン〜!」
うしれんとハムレンはりすれんに挨拶しました。
「おはよう!ハムレン。うしれんさんも。
今日はよろしくね!」
「おはよう!りすれん。こちらこそ初めてだけど、よろしくね。」
「うん!わからないことがあったら何でも聞いてね!机と椅子は学校のを使ってね。」
「ありがとう!りすれん!」
ハムレンたちは、荷物を持って、体育館に入りました。
すでに、10組くらいの人たちが、学校の机と椅子で、ブースを作っていました。
「うわぁ、ここでやるのね!」
見ると、ハムレンたちの場所はまだありそうでした。
「ハムレン、ここにしようか。机と椅子を持ってこよう。」
初めての設営でした。うしれんは、運んできた机と椅子を器用に並べました。
その上に、布団の薄水色のシーツを掛けました
。
「うん、上出来上出来!」
「うーん、いいけど…まぁいいか。」
そして机の上にうさぎ人形を並べて、大きな額に入れた看板を設置しました。金庫レジも隅の方に置きました。
これで完成です!
「うわぁ、これが私のお店なのね!」
ハムレンはウキウキしながらお店に立って悦に入っていました。
周りを見回すと、ハムレンたちのように、簡単な設営をしたところもあれば、出店に慣れているのか、凝った作りのところもありました。
売っているものも、野菜、陶器、オリジナルTシャツ、雑貨、絵など、様々でした。
「うわぁ、壮観!」
「ハムレン、写真を撮るよ!」
「ありがとう!うしれん!」
「はい、チーズ!」
ハムレンはうしれんにたくさん写真を撮ってもらいました。
「ありがとうね。」
「ハムレン、お母さんからのホッカイロを貼ろう。クツの中にも。」
「あ、そうね。確かに寒いわね。」
二人は背中にホッカイロを貼りあい、クツの中にも仕込みました。
「ああ、あったかいね〜。」
「そうだね。」
「そろそろ時間だね。」
「そうね。」
ハムレンがお店に立つと、入口から、なんとテレビカメラが入ってきました!
そういえば、りすれんがヤマノハラテレビが入ってくるって、言ってました!
カメラマンは入口付近のこちらのお店にやってきました。
そして、机の上のうさぎ人形たちを左から右へ舐めるように撮っていきました!
そして隣のお店へ…。
「えっ?えっ?これで終わり?私インタビューとかされるかと思ってドキドキしちゃったけど。」
「テレビなんてそんなものかもね。ヤマノハラのローカルテレビだしね。」
「はぁ〜。」
「でも、ハムレンのお人形、バッチリ撮っていったから、後で映るかもね。」
うしれんはそう言って、ハムレンにウィンクしました。
この後、いよいよ出店です!
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