古本屋1月17日

先日、人と防災未来センターに嫁さんと一緒に行ってきました。
近所に引っ越してきたのに、なかなか行く気持ちにならず、ついでの
感じで、やっとのせでした。
中の施設では、最初に震災の疑似体験を受けてしまいます。光と振動、
主にセンター街が崩れ落ちる様、同じように崩れた街並みが再現されている
中を実際に歩きます・・
ああ・・そうだったそうだった。幸い深刻な被害はなかったのだけど。
あの1月17日は、もちろんベットにしがみついていなければ振り落とされるほどの揺れ。通りの家々から次々とご近所の人がぞろぞろ出てきて、誰かが、ラジオを木の枝につるす。相当な地震だったのはわかる。
店のシャッターを父親と母親が開けると店舗は棚が崩れてメチャクチャ・・
私は呆然と立っているだけ・・「空襲ってこんなかんじなんかな・・。」
よろよろと店の片づけをやろうとする私に、
母親が一言。
「こっちはいいから、あんたは会社行き!。」
「えっ?。」
父親はさも当然とばかりに一瞥。早く行けと一瞥が言っている・・
会社は大阪・・釈然とせず、
私服のまま神戸駅へ。もちろん神戸駅は真っ暗で、駅員さんが天井を懐中電灯で照らし、被害状況を確認している最中・・
家に帰り、それを報告すると、2人ともに不満そうな表情。(なんで?)
歩いてでも行けばいいと言わんばかり。(どうして?)
今から思えば、2人も戦争中、空襲警報が鳴る中、工場で飛行機組み立てたり(明石の川崎重工業あたりらしい)女学校通ったりで、重きの置き方が、
戦後20年たって生まれた者とは違うのだろうか。
1月17日が来るたびに、母親のあの一言が思い出されるのである。




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