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夏休みの自由研究として不思議な話を調べてみた

2023年5月初週あたりに、こういう類のツイート(現ポスト)が流れてきていた。

・ロシアのクレムリン近くでGPSが狂う。
・クレムリンでGPSが狂うのは何年も前から有名だったけど、ここ数ヶ月?くらいモスクワ中心部のもう少し広い範囲でGPSがおかしいらしく、タクシーの運転手にモスクワ中心部はナビが狂ってるから働きたくないんだと愚痴られたり、車で通学してる同級生が中心部でナビがおかしくなり遅刻したとか言ってる

……等、どうもミサイル攻撃を警戒してGPSジャミングを行っているらしい、という内容だ。私は軍事関係には詳しくはないので、GPSで場所を正確に把握されてしまうこの時代の戦争は、武力衝突の前段階、情報戦やらの方に比重をおいているのかなと考えていた。SNSで他国の世論を味方につけるプロパガンダは有効なんだろうなとか。

 戦場カメラマンの渡部陽一氏のX(旧Twitter)では、6月19日にプーチン政権は首都モスクワ・クレムリン(大統領府)へのドローン攻撃を受け防空ミサイルシステムを再強化。さらにロシア領内におけるGPS(全地球測位システム)の機動性を一部地域で不安定化。GPS連動ドローン攻撃を警戒。と語られている。

 ロシアの大統領府であるクレムリン周辺のGPSが狂うのは最近聞かれるようになった話ではなく、2016年11月あたりにもニュースとなった。民族統一の日に催されたイベントにプーチン大統領が出席をしていた頃だ。
大統領が参加するイベントが、攻撃を警戒して今年のようにGPSジャミングされていたとしても不思議ではない。

 衛星測位システムで位置情報を高精度で把握するGPSは、軍事にも多大に影響しているという証左だ。すごい。
私は道案内とポケモンGOでしか使わないのだが。

 ところで、このGPSによる位置情報が狂う場所、というのがこの日本にもあるのを思い出した。

山口県は山口市にある、「座敷わらしさん家」である。

この「座敷わらしさん家」は名前の通り、小さな子供の姿をして、住み着いた家に幸運を運ぶとされる妖怪『座敷わらし』が出る宿として知られている。
 座敷わらしは東北地方に伝わる妖怪と言われていて、一番有名な岩手県二戸市にある金田一温泉の『緑風荘』(2009年に本館が焼失したが、建て直され、今も座敷わらしを祀りながら営業している)は、今日まで様々なメディアに取り上げられ、オーブと呼ばれる発光体が現れたり、いわゆるラップ音などの怪音が鳴る、飾られた人形が勝手に動くなどといった不思議な体験の証言や映像記録も多数ある。
山口市の『座敷わらしさん家』でもほぼ同様の現象が起こるとされる。

 だが、ここでしか起こらない不可解な現象に注目したい。先述したGPSの異常である。

 山口県山口市にあるこの宿で、GPSを使った地図アプリであるGoogle MAPを使用する。衛星通信を使用しており限りなく精度の高いGPSという機能は、多少の誤差ー大きくとも100m前後ーがあっても、現在地の地名を間違えることはそうない。あっても隣接する隣町程度だろう。

だがここでは、現在地が全く違う場所、『富士見村』になる、というのだ。

山口県山口市に富士見村という名前の地名は存在しない。調べてみると、富士見村というのは、群馬県の今は前橋市となった場所にあった地名だという。ということは、今はもう使われていない地名なのだ。たとえ群馬県前橋市の、元富士見村であった場所でGoogleMAPを開いたとしても、現在地に表示されることはあり得ないだろう。

GPSの不可解な挙動。しかしこれは絶対に起こる現象ではない。きちんと山口県山口市と表示されることもある。
そして、『長野県富士見町』と表示されることも、ある。

富士見村、富士見町。共通する富士見、という地名。

この宿には、体験談ノートが置いてあり、宿泊者の経験した現象や、このGoogle MAPの異常ー自分はなんと表示されたか、も記してある。
現在地が山口県山口市でも群馬県の富士見村でも、長野県富士見町でもない場所が複数記入されている。分かる範囲で調べてみた。

◯体験ノートに書かれていた地名◯
東京大神宮(東京都千代田区富士見2丁目)
名古屋(名古屋市中区富士見町)
広島(広島市中区富士見町)
高知(高知県高岡郡佐川町乙富士見町)

上記には全て『富士見』が含まれていた。
新潟市と表示されたこともあったらしい。新潟市には藤見(ふじみ)町がある。
ここまで来ると、あえて『富士見(ふじみ)』にGPSを誘導しているーそんなことは不可能だと思うのだがーとしか思えない。
ちなみに、全く関係がないと思われる、『アメリカ合衆国』や『太平洋』、『台北』などが表示されることもあるようだ。
いずれにせよ、GPSが大幅に狂うことがあることは間違いがない。

座敷わらしが出る宿の場所が、『富士見(ふじみ)』になる。
これは一体何を示しているのだろうか?
戦争においては国家の軍事力で妨害しなければならないほどの精度を持つGPSを、こうも意図的ーと感じられるほどにー操作するものの正体は何なのか?
そこまで調べて、考えても分からなかった。私は軍事関係も機械関係も苦手で、ただ座敷わらしのような妖怪や、ホラー映画や不思議な現象が好きな一般人だ。

だけど。一般人でも、探せば不思議は見つかる。

 ゲゲゲの鬼太郎で知られる水木しげる先生の出身地(鳥取県境港市)のJR境線の駅には、妖怪の絵の看板と妖怪の駅名が愛称としてつけられている。出発の駅は米子駅、通称ネズミ男駅。終点の境港駅は鬼太郎駅。

そして、途中の『富士見町駅』は、『ざしきわらし駅』である。

どうして?

夏休みの自由研究は、とりあえずこれでおしまい。


【山口県の「座敷わらしさん家」に関しては、ホラーYouTube番組の「ゾゾゾ」夏の特別編2021の内容を参考にさせていただきました。】


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