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他を圧倒するスター俳優、それ以外に言葉はいらない。〜レオナルド・ディカプリオ〜
ACTORS PROFILE Vol. 1
レオナルド・ディカプリオ
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
1974年アメリカ生まれ。他を圧倒するスター俳優、それ以外に言葉はいらない。
▲暗闇の中で顔を歪めるこの男の名は、アーネスト・バークハート。彼は戦後、叔父を頼って、石油採掘に盛り上がるオーセージ郡を訪ねる。そこで先住民のモリーと恋に落ち、結婚するも、叔父の手先となり先住民を次々と殺めていく。
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▲ディカプリオにとってスコセッシ監督とのタッグも今作で6度目。アウトローなキャラクターを演じ、その魅力を大爆発させることが多い彼だが、今作では一味違う。先住民の妻を心底愛しながら、叔父の言いなりとなり、先住民を殺めるという卑劣なキャラクター。「妻と同じくらい金も好きだ」と言いのけるバークハートの歪んだ心情にディカプリオは魂を注ぎ込む。特に作品が裁判劇の領域に入った時にみせる苦悩の表情に見入る。言葉に表せない複雑怪奇な思いがせりあがってくる。そして作品が進むほどに、その口はねじ曲がっていく。
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▲その一方で、妻モリーとの眼差しで通じ合う関係性がロマンチックで、バークハートの二面性が際立つ。彼らを待つ結末もあっけなく鋭い。
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▲FBI主観の脚本を手直しするように提案したのもディカプリオだったそうだ。一歩間違えば白人による先住民救済の物語に陥りそうな作品を、アメリカにおける先住民と白人のねじれた関係性を描く立体的な物語に変貌させた。製作も兼ねる彼の物語の黄金を探り当てる嗅覚がずば抜けていることがよく分かる。
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▲堂々としたスターの風格を漂わせながら、スターらしからぬ挑戦的な作品選びでトップに居続けることだろう、これからもずっと。
レオナルド・ディカプリオとアカデミー賞
・第66回アカデミー賞(1993)助演男優賞候補:ギルバート・グレイプ
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ディカプリオの初めてのオスカーノミネートは19歳のとき。「ギルバート・グレイプ」の演技は鮮烈で、素晴らしいパフォーマンスだったが、助演男優賞は基本的に、ベテランやスターを愛する故に、まだ前途洋々のポジションだったディカプリオは受賞ならず。受賞したのは「逃亡者」のベテラン俳優トミー・リー・ジョーンズ。※撮影のため髪は剃り上げていたそうな。
・第77回アカデミー賞(2004)主演男優賞候補:アビエイター
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11年ぶり2度目の候補入り。初めての主演男優賞候補となったディカプリオ。巨匠スコセッシとのタッグ作、ハワード・ヒューズという実在の人物役と強力コンボながら、この年は「Ray/レイ」でレイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスが強すぎて、受賞ならず。
・第79回アカデミー賞(2006)主演男優賞候補:ブラッド・ダイヤモンド
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この年の作品賞受賞作「ディパーテッド」にも出演していたが、アクションスリラー「ブラッド・ダイヤモンド」でディカプリオは2年ぶり3度目のノミネート。この年も受賞した「ラストキング・オブ・スコットランド」のフォレスト・ウィテカーが強すぎて、受賞ノーチャンス。
・第86回アカデミー賞(2013)主演男優賞候補:ウルフ・オブ・ウォールストリート
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名コンビとなったスコセッシ監督の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で7年ぶり4度目のノミネート。ゴールデン・グローブ賞も受賞し、勢いづいたディカプリオだったが、当時マコネッサンスと呼ばれるほど、良作を連発していたマシュー・マコノヒーが「ダラス・バイヤーズクラブ」で決定打を放ち、大本命受賞。ディカプリオは、この年も最前列で拍手を送った。
・第88回アカデミー賞(2015)主演男優賞受賞:レヴェナント:蘇りし者
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ついにその時は来た。2年ぶり5度目の候補となったディカプリオ。アレバンドロ・G・イニャリトゥ監督によるサバイバルドラマ「レヴェナント:蘇りし者」で一人息子を殺されて、復讐に燃える猟師を演じた。作品は大ヒット&オスカーでも最多ノミネートで、完璧な大本命に。受賞に会場大盛り上がり。受賞スピーチも自らのキャリアを振り返り、地球温暖化にも触れて「地球を当たり前のものと考えてはいませんし、今夜の受賞も当たり前とは考えていません」と長年温めていたであろう言葉で締めた。
・第92回アカデミー賞(2019)主演男優賞候補:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
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4年ぶり6度目の候補入り。初めての受賞者としての候補入り。リラックスからか、いつもより余裕の笑み。受賞はディカプリオと同世代で頑張ってきた、「ジョーカー」のホアキン・フェニックスだった。
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