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哀しみに沈みながらも、何とか光を見出そうとする優しい魂〜ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ〜

ACTORS PROFILE Vol. 20

ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」


長後の都知事が選ぶ代表作
「ルディ・レイ・ムーア」

1986年アメリカ生まれ。哀しみに沈みながらも、何とか光を見出そうとする優しい魂。

 メアリー・ラムはとある全寮制高校の食堂長だ。ベトナム戦争で息子を亡くしたばかりの彼女。喪失を抱えながらも、冬休みに学校に残ることになった先生や生徒のために料理を用意する。

 ▲ランドルフが一躍、注目されるきっかけとなった作品は、2019年の「ルディ・レイ・ムーア」だ。伝説のブラックエクスプロイテーション映画「ドールマイト」を制作する舞台裏を描いた本作で、ランドルフは出演者レディ・リードを演じた。エディ・マーフィやウェズリー・スナイプスといったコメディマスターたちに負けず劣らずの存在感で映画をカラフルに彩った。一見してド派手な見かけではあるが、その繊細な人物像をくっきりと際立たせていた。もちろん笑いを忘れずに。

「ルディ・レイ・ムーア」より。

だからかブレイク後はコメディ作品への出演が多い。「ザ・ロストシティ」ではサンドラ・ブロック演じるベストセラー作家の広報担当者ベスを演じた。失踪したブロックを追跡する役割ということで、助演筆頭の立場だったが、どのシーンでも愉快で、そのリズミカルな立ち回りでシーンスティラーとして躍動した。またテレビドラマ「マーダーズ・イン・ビルディング」では殺人事件を追う刑事として良い味の存在感。

 ▲「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」の監督アレクサンダー・ペインにとっても、彼女を知ったきっかけは「ルディ・レイ・ムーア」だったそうだ。だが今作の役では、あちらの派手な雰囲気とは異なる役柄だ。学校の食堂長として冬休みに残ることになったメアリー。息子をベトナム戦争で亡くして喪失感を抱える彼女が、同じように学校に残った中年の教師と、問題を抱えた生徒と時を過ごす。ランドルフは根底に哀しみを抱えながらも、共に過ごす彼らの灯台のような役割を果たす。二人だけではバラバラになりそうな関係の間に光を差し込ませて、繋ぎ止める。

 ▲ランドルフの温かみのある個性は作品に手触りの温もりを与える。彼女の言葉では言い表せない表情に心打たれ、泣かされることだろう。


ダヴァイン・ジョイ・ランドルフの関連動画

・Variety誌恒例のACTORS ON ACTORSにてオールデン・エアエンライクとの対談

・ダヴァイン・ジョイ・ランドルフのインタビュー映像

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