第96回アカデミー賞期待の作品紹介No. 3「カラーパープル」
AWARDS PROFILE Vol. 3
カラーパープル
RT: 未定
MC: 未定
IMDb: 未定
1900年代初頭を生きるアフリカ系アメリカ人の女性たちの生涯にわたる苦難を描く...。
1982年刊行のアリス・ウォーカーによるピュリッツァー賞受賞小説を、2005年にミュージカルとして翻案した大ヒット舞台劇を基に、劇映画としてスクリーンによみがえらせる。1985年公開の「カラーパープル」でもお馴染みの物語だが、ミュージカルということもあり、異なる作品のカラーを見せてくれそうだ。製作には、85年版で監督を務めたスティーヴン・スピルバーグ、作曲を担当していたクインシー・ジョーンズ、出演しオスカー候補も手に入れたオプラ・ウィンフリーと錚々たる面々が名を連ねている。監督はブリッツ・バザウールで、ガーナ作品「コジョーの埋葬」やビヨンセの音楽映画「ブラック・イズ・キング」に携わったことでも知られている。キャストには歌手のファンタジア・バリーノが、長編映画デビューにして主演を務める。彼女を支えるのは、タラジ・P・ヘンソンやダニエル・ブルックス、コールマン・ドミンゴ、コーリー・ホーキンス、H.E.R.、ハル・ベイリーといった歌唱に定評のある布陣。監督のバザウールもミュージシャンとして活躍しているだけに、音楽と映像の高次元な掛け合いにも注目だ。ブラックカルチャーの礎となった物語を核となるエッセンスを大事にしつつモダンな解釈で若い世代へと語り継ぐ。日の目を見ることのない存在であり、家の内外で不当な扱いを受けてきたアフリカ系女性たちの自分自身を解放し、追い求める様はエモーショナルなこと間違いない。同時代を生きた女性たちの連帯も力強い。来年2月9日日本公開。
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