退院の日
入院41日目
外は快晴。
朝から太陽がギラギラしている。
今日は退院日だ。ついにこの日を迎えられて本当に嬉しい。
夜勤の看護師さんや、看護助手さんと、挨拶を交わす。
看「今日は退院ですね。おめでとうございます。頑張ってくださいね。外が暑すぎるので、熱中症には気を付けて。」
私「色々お世話になりました。ハードなお仕事なので、身体を壊さないようにしてくださいね。ありがとうございました。」
その後、日勤の看護師さんや看護助手さんからも声をかけられた。皆さん明るくて、良い方ばかりだったな。
リハビリ 32回目
10:00
今日は、午前中にリハビリを受けさせてもらい、お昼も食べて、14:00に退院することにしてもらっている。
リハビリ室に移動し、いつものようにまだ浮腫と強張りのある右足を、念入りにマッサージしてもらう。
自宅でもできるストレッチや筋トレを行い、1時間のリハビリは終了した。
次回からは、外来でリハビリを受けるので、日程の確認をする。
それから、松葉杖を借りるための手続きの説明を受ける。
松葉杖を借りるには、5,000円の保証金を支払い、松葉杖返却の際にお金が戻ってくるシステムになっている。
そして驚いたことに、貸した松葉杖が返却されない事が、多々あるのだそうだ。本当に呆れてしまうが、これまで相当数の松葉杖がいわゆる「借りパク」されているらしい。
借りた人の連絡先に電話しても出ないので、どうしようもないのだと言う。なんとも悲しい現実を聞いてしまった。
ここ最近、高い確率で、理学療法士志望の男子実習生が、私のリハビリを見学していた。
リハビリ以外でも廊下ですれ違うと挨拶をしてくれる彼が、今日も私のリハビリ見学をすることになった。
少し待ち時間ができたので話かけてみる。
私「実習期間はどれくらいあるの?」
彼「8週間です。来週でやっと終わります。次にシロイルカさんがリハビリに来る日が、僕の実習最終日なんですよ。」
私「そうなのね。すいぶん長い実習期間なのね。よく頑張ったね。」
彼「でも、始まってしまえばあっという間でした。」
私「後は、来年の試験に合格すればいいのね。大変だろうけど、頑張って。」
とても話しやすくて、細かい事に気づくことができる人だなと思っていた。きっと、患者さんに慕われる理学療法士さんになれるんじゃないかな。
今度のリハビリでもし会えたら、そう伝えたいなと思った。
12:00 昼食
最後の病院食を頂く。
初めは、味がしなくてビックリした病院食。今はちゃんとおいしく食べられている。
メニューは豊富とは言えなかったけれど、栄誉バランスは良いし、身体がデトックスされた感じがしたな。
14:00過ぎ
会計を済ませた夫が病棟に現れる。
いよいよ家に帰るんだ。
フロアーの看護師さんに挨拶をしてエレベーターに乗り込む。
そして、手術直後から3週間お世話になった病棟にも寄って、退院の挨拶をさせてもらった。
病院を出ると、灼熱の太陽が照りつけ、アスファルトからの照り返しもあって一気に汗が吹き出した。
暑さから逃れるため急ぎたいが、転ばぬように慎重に松葉杖で歩いて、車に乗り込む。
家までの道のりは、見慣れた景色なのだが、久しぶりだからなのか、現実味がなく感じてる自分がいた。
不思議な感覚だった。
自宅車庫に到着し、車から降りる。
玄関に入ると自分の家の香りがした。
「ただいま。」
ほっとした。
やっぱり自分のお家っていいな。
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