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親なきあとに備えて〜遺言が必須な理由

FP2級、相続終活専門士の母365_です。
私には知的障害・発達障害の息子がいます。

私もそうですが、知的障害・発達障害のお子さんをお持ちの親御さんは、「親が死んだらこの子はどうなってしまうんだろう」と思われることと思います。

親が死亡したとき
相続の手続きが必要になります。

遺産分割協議

何も対策していない場合、相続人が複数の場合はどのように財産を分けようか決定する「遺産分割協議」が必要になります。

「実印おさなくちゃいけない」
「印鑑証明つけなくちゃいけない」
「そもそも協議ができないかも」
となると、成年後見人をつける必要のある方が出てきます。

判断力(自分がしようとしている行為が法律上どのような意味を持つのかを判断できる能力)があるなら協議ができますが、
意味がわからないような状態だと成年後見人をつけなければならなくなります。

(成年後見制度についてはまた別でnoteを書きたいと思いますが、後見人は一度選任されると辞任や解任をすることは簡単ではありません。裁判所の許可が必要であり、それは不正があった場合や、後見業務ができない病気になるなどでなければ認められません。)

遺言を書くことによって、後見人をつけずに済ませることが可能になります。

遺言とは何か?

遺言とは自分の財産を死後にどのように処分するかを決めて、法律に則った遺言書を作成することでその処分内容を実現するものです。
自分の財産を誰に、どのように残すか決めることができます。相続人全員に均等に残すことも、残す相手によって割合や金額を変更することもできます。

たとえば
両親が亡くなって、子2人が残された場合
障害のある兄のサポートを弟がやっていたとして
親がこのように遺言書を残していたとします。
・財産の4分の1を兄に残す
・財産の4分の3を弟に残す(引き続き兄のサポートをしてもらう)
遺言執行者を弟に指定する(絶対にこれを忘れてはいけません)

弟は遺言執行者になることによって、銀行で払い戻しの手続きをして、兄が相続する分を送金することが可能になります。弟が相続手続きを完了させることができるので、成年後見人をつける必要はありません。

遺言執行者とは

遺言書に書かれている内容を実現する権限が与えられている人のこと。
遺言執行者がいないと預貯金の解約なども相続人全員の同意がなければ行えません。手続きに関与するのが難しい障害者は判断能力がないので「同意」そのものができません。一気に手続きが面倒になり残された相続人が困ってしまいます。
判断能力があるかないかを判定する明確な基準はありませんが、遺産分割のような財産の処分に関する法律行為については、おおよそ7~10歳程度の判断能力が必要だといわれています。

遺言書がない場合はどうなるでしょうか。
遺産分割協議をするために成年後見人をつけて、手続きを進めていくことになります。

遺言書は基本の備え

若くても急に交通事故にあうこともあります。
毎年見直しをして、気持ちや状況が変わっていれば書き直せばいい、そのくらいに考えて準備をいていきましょう。

遺言については、また別のnoteで詳しくみていきます。
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