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お寺の掲示板 【No.21/柊原のお寺・真宗寺/2022.10月】


脚下照顧


【掲示板の言葉】

脚下照顧(きゃっかしょうこ)


禅寺の玄関やお手洗いなどで「脚下照顧」とか「看脚下(かんきゃっか)」といった文字を見ることがあります。
「足もとを見なさい」という標語であり、転じて「履きものをそろえましょう」という意味で用いられます。更に云うなら、脚下とは只今の我が身の立ち処。「お前は今どこにいるのか?」「自分のことをよく振り返りなさい」という仏教語です。

ちなみに、自宅で靴を脱ぐ際、多くの人は出船になるように揃えますね。しかし料亭などで靴を脱ぐ際は、下足番さんが靴を揃えてくださるので、入船で脱ぐのがマナーであり、また神社でも、御祭神にお尻や背を向けないように入船で脱ぐのがお作法だそうです。

一方、禅寺では履物をどう脱ぐのでしょうか。私がかつて禅寺にいた際、お師匠さんから、出船でも入船でもなく、玄関に対し「横向き」に脱いで揃えなさいと教えていただきました。以来それが習慣になって、私は今でも雪駄を横向きに脱ぎます。その度に禅寺での生活や教えを思い出しますし、「脚下照顧」という言葉から自身の在り様を回顧させられます。

出船でも入船でも横向きでも、さも当たり前のことですが、「靴を脱ぎ散らかさない」ことって、当然に大事なことですね。

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