プリファード、垂直統合でAI開発
人工知能(AI)サービスを手掛ける有力スタートアップ、プリファード・ネットワークス(東京・千代田)がAI事業の垂直統合戦略を進めている。半導体や計算用コンピューターまで一貫して開発し、総合力を高めるとのこと。
恥ずかしながら、この企業を知らなかったので取り上げる。
要約文
プリファード・ネットワークス(以下プリファード)は、AI事業において垂直統合戦略を推進しています。これは、AI開発に必要な半導体やスーパーコンピューターを自社で開発し、総合力を高めるものです。ENEOSと共同開発した「マトランティス」という分子解析ソフトがその象徴です。このソフトはAIが膨大なデータを学習し、新素材の開発を高速化します。
プリファードの垂直統合戦略の背景には、AIビジネスにおける米国企業の独占に対する危機感があります。日本のデジタル赤字削減を目指し、日本企業のデータとAIを組み合わせることで、国内の競争力を高めたいとしています。
しかし、プリファードは巨額の資金調達や米国企業との競争に挑むため、大企業との協業や国の支援が必要です。また、同社は独立経営を重視しており、新規株式公開(IPO)には慎重な姿勢を示していますが、大型の資金調達は避けられない課題です。
AI半導体開発、プリファードなど200億円支援 経産省
経済産業省は、AI向けの省エネ半導体とスーパーコンピューターの研究開発を支援するため、プリファード・ネットワークス(PFN)などに対し、200億円の支援を発表しました。この支援は2028年までの5年間で行われます。
他に、インターネットイニシアティブ(IIJ)と北陸先端科学技術大学院大学も支援対象で、省エネ半導体の研究が中心です。AI開発には大量の半導体が必要で電力消費が大きいため、省エネ半導体の開発が重要な課題となっています。また、経産省は計算資源の拡充にも力を入れ、2027年度末までに現在の20〜30倍にする計画です。
プリファード、生成AIで新会社設立
※昨年9月の記事
プリファード・ネットワークス(PFN)は、生成AIの大規模言語モデル(LLM)を開発・提供するために子会社「プリファード・エレメンツ(PFE)」を設立すると発表しました。
新会社は11月1日に設立され、2024年にはマルチモーダル型の生成AIを商用化する予定です。PFNは産業技術総合研究所のスーパーコンピューター「ABCI」を活用し、130億パラメーターの言語モデルを構築しました。新会社の代表にはPFNの岡野原大輔が就任し、今後の展開として基盤モデルを開発し、産業や生活の変革を目指しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?