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【マリオネットブラザーズインタビュー前編】面倒くさいが重なって今に至る

――いつからお笑いがお好きだったんでしょうか。

井上:2007年のM-1で、「かっこいい」と「面白い」の両方を備えたサンドウィッチマンさんやキングコングさん、トータルテンボスさんを見て衝撃を受けました。小学生ながらに、M-1の決勝の場に立つってとんでもないことなんだろうなと思って、自分が決勝の舞台に立つ想像を布団の中でするようになりました。せり上がって、扉が開いて、ネタをして、審査員がいて、という妄想をしていたら、将来ここに立ちたいなという気持ちがどんどん大きくなっていきましたね。

肉汁:僕はネタをほとんど見ていなくて、最初の2001~2010年のM-1も全く見ていなかったです。レッドシアターとかアメトーーク!とかバラエティーっぽい番組を見ていて、こういうバラエティーをやりたいなという気持ちがありました。

――お2人は中央大学の落研で出会われたんですよね。

井上:僕は楽しく学生生活を過ごせれば良いなと思って、大学で落研に入ったんですが、やっているうちに楽しくなっていきました。でも大会とかでは全然結果を出せてなくて、部室内でブイブイ言わせてたかっていうと全然そんなこともなかったです。当時の中央大学の落研って他大学との交流も少なかったんで、学生お笑い内でも孤立してましたね。

肉汁:大学が山の頂上にあるから、山籠もりしてるみたいになってました。

井上:でもその割には、シンクロニシティとか輩出してるんで頑張ってると思います。(シンクロニシティ)西野はサークル内でカリスマだったんですよ。僕らだけじゃなく、西野と被っている人たちは全員あいつに影響受けてると思います。あいつがいなかったら今の状態はないよね?

肉汁:そうですね。

井上:今も1番頼りにしてる相手です。コロナ前は週に1回会ってネタについて話してました。
でもあいつ公務員もしながらお笑いもやってるじゃないですか。ライブ数も少ないのに、僕らより早く準々決勝も行ったし、キモいですよね(笑)


――大学卒業後に本格的にプロを目指されました。

井上:大学時代に1度『学生HEROES!』という収録に参加させていただいたことがあったんですが、そこでプロの現場を目の当たりにして、芸人を目指そうかなと。それで1人でNSCに入りました。
NSCでは2回解散したんですが、その2人がNSCでできた唯一の友だちだったんですよ。そこと別れちゃったんで、いよいよコネがないぞ、となって、肉汁に声をかけてみました。

肉汁:そのとき僕は就活をしてたんですけど…

井上:「僕は就職したいんでプロになる気ないです。でも卒業するまでだったら良いですよ」って言われたんですけど、こいつはまともに就活しないで授業も出ず、留年したんです。だから僕からの芸人の誘いを断る全部の理由がなくなったんですよ。だからその流れで芸人になった感じです。
しかも最初は「プロにはなるけど、でも相方はお前じゃないぞ。新しい相方が見つかるまではお前と組んでてやる」っていうスタンスだったらしいんですけど、新しい相方を探すのも面倒くさくなっちゃったんですよ。就活も面倒くさいし、授業出るのも面倒くさいし、相方探すのも面倒くさいし、いろんな面倒くさいが重なって今ギリギリでやってます。

肉汁:ここまで長く組んでると、別のコンビを組もうって気持ちももうなくなりました。他の人だとネタの作り方も違うだろうし、ここで甘えちゃってますね。

井上:でも学生出身のコンビって、学生時代トップで今もトップ走っているような人たちか、学生時代トップだったけど今はそんなにって人たちのどっちかになりがちなんですが、僕らは学生時代全然だったのに今トップの人たちと何とか肩を並べてるんで、伸び率で言ったらダントツだと思います。


★マリオネットブラザーズ
M-1グランプリ2021準々決勝進出

肉汁(にくじる・写真右) 茨城県出身、1995年2月2日生まれ、Twitter→

井上大生(いのうえだいき・写真左) 東京都出身、1994年1月12日生まれ、東京NSC21期中退、Twitter→

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