はじめての路上観察

路上観察学会とは

 まず初めに路上観察というものはなんなのでしょうか。路上観察という活動は路上観察学会によって行われました。路上観察学会とは

路上を観察し、特定のものに価値を見出した集団。世間が存在を意識しなかったものを対象とし、学問的に調査・発表する。『路上観察学入門』の出版に合わせて1986年に結成された団体である。主な活動は、芸術家・赤瀬川原平らによる「トマソン」の観察である。

のように、今から40年ほど前に活動していたアート集団です。これがとても熱いんです!今では亡くなった方も多いですがアート界の重鎮もたくさん参加していました!

そして、この集団が行なっていたのが路上観察です。街の中にある一見意味がなかったり、使い道がないのに守られている建物の一部をトマソンと呼び見つけていった活動です!

【再掲】はじめての観測

十月初旬、昼過ぎ。
 四名の路上観察隊員は浜松城内にあるスタバ前に集まった。これから組織発足以来、初めての路上観察を始めるのである。この日はすがすがしい秋晴れで、人生初の路上観察を行うという隊員にとって小気味いい門出となった。
 さて、すでに観察を行ってから二週間が経過したころに書き始めた。なにぶん記憶があいまいである。いくつか事実とは異なるかもしれないがそれは許していただきたい。

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写真1 満月な土管。凛とした美しさを感じる

 浜松城は徳川家康の出世城として有名のようだが、そんなお城の足元にひっそりと庭園に溶け込んだトマソンが存在する。まさに一品と呼ぶにふさわしい。写真一をご覧いただきたい。(場所・浜松城庭園内)みよ、この満月のような凛とした姿の土管を。十五夜にはこの前に月見団子を置きススキを備えたいと思わせるたたずまい。これを眺めながら日本酒をいただきところである。隊員二名にとっては記念すべき初めてのトマソンである。この土管にはいつか重要文化財にでもなってほしいところである。すぐにでも大河ドラマに出演し出世することでしょう。応援しています。

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写真2 NO!BASE BALL FOOT BALL GOLF

 さて、浜松城を観光しなんとなくトマソンについての説明を終えたころ、写真二は突如として現れた。いや、現れたのは我々の方であるが、この看板は草木に溶け込むように存在していたにもかかわらず、頭をのぞかせるその姿は突然現れた動物のようであったのだ。我々隊員はこの看板によって目を五寸釘で釘付けにされ、その場から動けなくなった。しかし、この看板の見るところはデザインだけはない、現代アートとしての新しい挑戦すら見せているのである。

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写真3 ボール痕

写真三をご覧いただきたい。(場所・浜松城公園)この看板に残されたボール痕。コナン君ならその犯人を考えるかもしれないが、我々にとってこれはそれ以上の価値を感じさせたのだ。NO! BALLと書かれたこの看板にボールのようなもので穴があけてあるのである。あふれんばかりの反逆精神と抵抗精神。あなたはどう思うだろうか?誰がやったのか、小学生がボールを持ち寄り遊ぼうとしたら、この看板を見つけこのようなアート活動を行ったのか、次代のチェ・ゲバラの誕生を感じることができる。出世の城、浜松城。どうか浜松国として独立させるときは重要ポストに入れてください。

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写真4 鑑賞し、考察する隊員達。

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写真5 メビウス五線譜 浜松の音

 次の物は地面に埋められたただの案内板である。まずは写真五をご覧いただきたい。(場所・浜松城公園内歩道)音楽の街浜松らしい美しい案内板である。しかし、ちょっと頭をねじらせたとき、この音符弾いてみるとどうなるのか。始まりもなければ、終わりもない。又は、始まったら永遠に抜けられない。無限に循環する音楽はいったい何を表すのか。浜松の音楽文化の前衛さに僕は頭がねじ切れます。ぜひ一度、これを展示してその手前にピアノでも置いて多くの人に弾いてもらいたいところです。まえだ隊長、展覧会開いてください。出展しましょう。

 一行はこの辺で浜松城を離れその隣に奥山線跡に向かった。ここまでくると初めて観測を始めたよしだ隊員もみうら隊員もどんどんおもしろいものを発見するようになる。眼というのは面白いもので、みんなおんなじ目ん玉を持っていてもちがう脳みそを持っていると景色は違って見えてくるようである。たのしい景色は脳みその持ちようである。

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写真6 擁壁断層

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写真7 コンクリートの化石


 写真六・七をご覧いただきたい。(場所・奥山線トンネル跡横)どちらも擁壁の一種だが、まず写真六のように突如擁壁の種類が変わるところがある。これは、垂直型の断層ようである。組成の違いをまざまざと見せつけたこれほどまでの美しい垂直地層は珍しい。今では葛によっておおわれているが、ある程度手入れをすれば東京の大島のような地層観光も可能かもしれない。浜松市の清掃活動に期待します。そして、写真七も珍しい。これはコンクリートの化石のようである。骨格の一部であろうか、まだ地中にその大部分が埋まっていることを想像させる。浜松市埋蔵文化財課の方。どうか次はこちらの調査をお願いします。我々のような良心的な探検隊ばかりではありませんから、エジプトの二の舞になる前に早急に手を打つべきでしょう。春華堂さんうなぎパイの横に、コンクリートパイが並ぶことを心まちにしています。

以上をもって初めての探検を終わりにしたいと思う。これからどのようなものが発見されるのか、ぜひ浜松の実力を見てみたいものである。



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