見出し画像

ガチ勢は許さない

映画やアニメ、創作の分野ってたまに炎上しますよね。

記憶に新しいのは「プラネテス」に、現役のJAXA(宇宙空港開発機構)の方が、「何処が面白いんだ、このアニメ」とツィート。
※プラネテス:原作:幸村誠さんの漫画をメディアミックスしたNHK制作のアニメで、近い未来、人類が宇宙に放った宇宙ゴミ(デブリ)を回収する業者を題材にした物語。

JAXAの方が怒っていた内容は、『配属されてきた新人が宇宙を舐めていて許せないし、つまらない(要約)』という事だった。
ここで補足。JAXAは宇宙開発のプロ集団であるが、この苦言を呈した方は、配属されてきた新人に対して憤慨しており、宇宙における設定がめちゃくちゃで考察や設定をちゃんとしろ! と言ってる訳では無かった。でも、その言い方もあるだろうが、それを見た作品のファンは反発した。その後のJAXAの方の売り言葉に買い言葉の様な対応も日に油を注ぐ形になってしまい、ファンはヒートアップ、遂に原作者である幸村誠さんまでが出てくる騒ぎにまで発展してしまいました。

事の顛末はこちらに詳しく載っています。

では、JAXAの方が『あり得ない、自分の所に配属されたら即クビにしている!』と言った『タナベ』という新人はどういう人間なのかというと、正義感が強く融通が効かないタイプで、主人公のハチマキにことごく正論を押し付け困らせ、対立するというキャラクターだ。

しかしこれは物語りの中ではよくいるキャラクターで、この猪突猛進ともとれるキャラクターの正義感を見て、社会に出て幾つもの妥協を覚えていった主人公が、初心を思い出し、新人は社会の複雑さを学びながらも真っ過ぐに生き、主人公に認められていくという、ある意味王道とも言える展開なのです。
まあ、そういう事が解ってても、この『タナベ』というキャラクターはウザくてはっ倒してやろうと思えるレベルなのですが……。(アニメ版)

ここで何故こういう事が起こったのかと自分なりに思うのが、このJAXAの方は『人生を宇宙の事に捧げてきた』方なんだろうと思えるんですね。いわゆる宇宙ガチ勢です。何よりも宇宙の事を考えて、宇宙の為に生きてきたんでしょう。だから宇宙の事を舐めている態度で、狭い了見で自分の思う正義感を押し付けてくるタナベが我慢出来なかったんだと思うんです。

JAXAの方は、設定は酷いけどまだ許せると言ってます。
そりゃそうでしょう。実写だろうがアニメだろうが、宇宙空間で爆発があって火の粉が上がり、更に攻撃を食らった場所から煙がもくもく出てるのが今の創作では常識なんですから。この方も、お話の嘘として処理してるんでしょう。
ただ、この登場人物(タナベ)が自分が一生懸命やってきた仕事を舐めてる(と取れる表現)のが許せない。しかもそれが名作としてもてはやされているのには違和感がある。という事なんだと思います。

先程も言いましたが、これはこのJAXAの方が、宇宙に対してどれほど進撃に対応してきたかが、このツィートに繋がってると思うんです。

私は過去に、ホストやキャバクラ、スカウトに風俗などの夜の仕事に長く就いていました。だからこの手の仕事を扱った作品や身体を売らなきゃいけなくなる話には違和感を感じますし、上辺だけ都合良く書いて、本質の部分が抜けてるし、ちょいエロになる男ウケのいい事ばっか書いてんじゃねぇよって思う事が殆どです。何千、何百という女性に接してきて、悩みや問題を聞いて、時には解決し、その業界の裏の裏まで知ってるからこそなんですけどね。もちろん悪い作品ばかりでは無く、しっかり描いている作品も多くあります。『闇金ウシジマくん』は人間の残酷さをよく描けている話も多いし、しっかりと取材してるんだと思います。

あ、エロ漫画(18禁)はちょっと除外します、あれはファンタジーですから。

あと、役者や音楽もやっていたので、それ系の話も上手く行きすぎるし、出てくる人みんな隠れた才能の持ち主ばっかりだしなんかなーって思う事が多いですね。

つまり、ガチでやってればやってるほど思い入れも強く、作品のやり方によっては、なんか馬鹿にされたように感じる事もあるし、我慢出来ないんじゃないでしょうか?
でもまあ、自分も含めて創作なんで、そこら辺は「こういう考えもあるんだ」と思って観て楽しむのが一番なんですけどね。

前は、自分はひねくれてるって昔から実感してる部分もあるからそう思うのかなっーてずっと思ってたんですけど、先日こんな話がありました。

私の友人に登山ガチ勢で、山ばっかり登ってる人がいまして、その方が最近「ゆるキャン△(アニメ版)」にハマってたんですね。

どれ位ハマったかと言うと、アニメなんか全く興味無いのに、テレビシリーズは勿論、映画も何回か観に行ったみたいで、なんとフィギュアまで買って玄関に飾る程です。フィギュア買うって相当ハードル高いと思うんですよ、元隠れ擬態オタクとしては。

しかも友人と2人でハマってるらしいんです。きっとこれは面白かったから布教したんですよね。

そんな友人ですが、この前話をしてる時に、今パチンコの影響で『ガンダムUC<ユニコーン>を観てるんです! って言ってたので、アニメも見るんだなーと思い、○○さんって山登りが趣味だから、『ヤマノススメ』とかいいんじゃないですか? って言ったら、帰ってきた言葉が「いや、私、山ガチ勢なんで」と、今迄笑顔だったのに急に真顔で言われました。ガチ勢怖いっす。

https://amzn.to/3Reb5M7

いや、『ヤマノススメ』いいお話ですよ? ちょっときらら系っぽい癖はあるけど、アニメ版は上手くまとまってるし、『ゆるキャン△』好きならきっと気に入ってもらえると思ったんですけどね……。

なんとかその場を和ませようとした私は、「そうそう、○○さん山梨ホームグラウンドですよね? 山と言えば富士山ですよね!? スーパーカブってアニメにもなった小説で主人公2人がカブで富士山盗聴にチャレンジするんですよ!」「ああ、昔にバイクで登れたみたいですよね」「それで、カブで挑戦した2人は高山病になって断念するんですが――」「うんうん」「そのあとすぐ登頂に成功するんですよ」「はぁ?」「しかもサポートとかも無しで」「ふざけてますね」

火に油を注いでしまいました。
『ジャージでプロテクターや安全装備も無しで』とか『スパイクタイヤとスプロケット交換しただけのほぼノーマルのカブとハンターカブで』とか言わなくて良かった……。(コミック版参照)
願わくば、この友人がアニメを嫌いにならないよう祈ろうと思います。

まあ、実際スーパーカブに乗ってる私ですが、この小説『スーパーカブ』には私も色々思う処あるんで、近々にブログ書こうと思います。
作者さん、物語の始まりはいいんだけど、中のプロセス抜いてすぐ結論出しちゃうからなー。ここは編集が頑張らないといけないんですけどね。

その友人は、あまりアニメ観る方では無いので、『ヤマノススメ』も観てないんだろうと思うんです。でもアニメに限らず、ドラマや映画でも上っ面だけ利用して適当な表現の作品多いから、ガチ勢としてはいい思い出無いのかもしれないですね。少なくとも私はそうです。

それでは本日はこの辺で。
またお会い出来るのを楽しみにしています。
ありがとうございました。


よろしければサポートお願いします。 読んでよかったと思える記事を書いていこうと思ってます! 頂いた金額は創作活動の為に使わせて頂こうと思っています。 よろしくお願い致します。