読書ノート:現代思想入門
読んだ本「現代思想入門」 千葉雅也 講談社現代新書
めちゃくちゃいい本だった。
こういう本を新書で出すという心意気が素晴らしい。
こうした小難しそうな本を読むことは、知的教養オタクっぽい、頭でっかちで、なんかカッコつけてるよねなんて見えるのかもしれないが、
これは、知的教養オタク同士が身内で話して、わからない人を排除する本ではない。
著者は、読む人の日常、読む人の人生にリンクしていくものとして哲学を差し出したいと考えている。わからない人を排除しない、入門のための見取り図をしめした本で超よかった。入門の入門でも難しいわ!って思うかもしれませんが、
全部読まなくていいし、特に「はじめに」だけ読むといいと思う。
◆はじめにより抜き書き
「現代思想を学ぶと、複雑なことを単純化しないで考えられるようになります。単純化できない現実の難しさを以前より、「高い解像度」で捉えられるようになるでしょう。」
「大きく言って、現代では、「きちんとする」方向へいろんな改革が進んでいます。」
「現代は、いっそうの秩序化、クリーン化に向かっていて、そのときに必ずしもルールに収まらないケース、ルールの境界線が問題となるような難しいケースが無視されることがしばしばであると、僕は考えています。
物事をちゃんとしようという「良かれ」の意志は、個別具体的なものから目を逸らす方向に向いてはいないでしょうか。」
「現代思想は秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。」
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はじめにの部分を読んで、人々の差異による困りごとに関わる仕事、活動をす人、特に福祉・教育・保育・人の育成に携わるお仕事は資格の取得の際には、現代思想とか哲学を学ぶといいんじゃないかと思った。色々な現象を捉える目、抽象化する思考や感性を育てるといいのではないかと思う。リベラルアーツをみんな必須にした方がいいよねということなのですが。
以前、現代思想についての本読んで、全然わからなくて投げ出した本、もう一回これを横に置いて読んでみようかなぁ・・。
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