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vol.01 「ゼロからのセルフリノベーション」 - 高堂さん

今あるモノをゼロにする勇気

今回お部屋を紹介してくれたのは、宗像市在住の高堂さん。

 高堂さんが団地の物件を見学した時、壁紙は剥がれ、床や畳はボロボロ、水周りは錆びつき、お世辞にも綺麗だとは言えなかった。「安くて自由に改装できる部屋を探していました。失敗してもいい。」と、古い団地の物件を新しい住処として選んだという。

Before

After

 最初に取り掛かったのは、全てを壊してまっさらな「ゼロ」の状態にする作業。まずは一人で黙々と壁紙を剥がす作業をした。全て剥がし終わると、壁の断熱材や扉、畳、床など、ハンマーとバールで壊せるものを全て壊していった。「作業の節目節目に、面倒くさいなぁと思ってましたね。 そして、完成系をイメージしていなかった。でも一度ゼロにすることで空間の本質が見えてくる思いました。」と高堂さんは語る。
 
 ひたすら黙々と壊していく。怖さや不安といった感情はそこにはなかった。今あるものを壊し、ゼロにすることで、そこに新しい価値を見出す。

仲間と一緒に楽しんで改装

 「改装工事には友人が手伝ってくれました。週に一日か二日、仕事のない日に一緒に作業していましたね。」壊す作業を終えると、次はどういった部屋にするか考えなければならない。元々完成の図面やイメージがあったわけではなく、考えすぎず、気負わず自由に作ったという。
 「終わりの見えない作業でしたけど、仲間達のおかげでとても楽しくできたし、作業というよりも遊んでいるような感覚でしたね。」と高堂さんは当時を思い出し、楽しそうに語る。

リビング、寝室、ダイニングなど、空間を色で分けている

まずは行動すること

 わからないことはネットや本、リノベーションスクールに参加し学んだという。

 「作業当初は、右も左もわからない素人でしたが、作業にも慣れ、設計ソフトを扱えるようになったりと、様々な知識や技術を身につけていくことで、より効率的になり、イメージも膨らんで、理想の空間に近づいていっていることが実感できました。」
 まずは行動することが大事である。何も知らなくていい。一歩踏み出せば、知識や技術は自然と後からついてくるものだ。

間取り

築年数 40年以上
総改装費用 200万円
改装期間 1年
床面積 51.68 m2

 実際に住めるようになるまで約1年間かかったそうだ。しかし苦悩や大変さを高堂さんからは感じられない。        

 辛い仕事や途方もない作業に対して、「失敗してもいい」と考えられる覚悟。そこに「楽しさ」や「面白さ」を見出すこと。それを共有できる仲間の存在。まずは一歩を踏み出すことで全ての物語は始まっていくのだろう。

 情熱と行動力があれば、人はもっと魅力的になり、仲間も自然と集まる。そして凄まじいスピードで成長し、素晴らしい世界を体験するのである。

Profile

高堂 さん
宗像市在住。普段は営業職。
休日は、地域を盛り上げるボランティア活動に参加している。

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