連れて行く
旅行先での散歩中に音楽を聴くのが是が非か、何度か考えたことがある。旅先の街の音を聞くのがいいんじゃないか!とも思ったし、景色の違う所でいつも通りのことをするのが良いんじゃないか!とも思った。
今年の年始に北海道に行った時に雪の降り積もる中で音楽を聴きながら散歩をしていて、えも言はれぬ気持ちになった。
高校生の時によく聴いていた、それも受験期の帰りの電車で聴いていたMrs.GREEN APPLE『CHEERS』を旅先の函館で聴いて、「地元で聴いてた曲をここまで連れてきたぞ」という気持ちになった。
北海道で散歩している時に聞こえてくる雪を踏み締める音もとてもよかったが、それに引けを取らないくらい夜景を見た後にずっと聴いていた星野源『光の跡』はよかったし、函館の夜景を見ながらその曲を聴かなかったことを後悔した。今でも聴くと旅行を思い出して「あの曲を持って帰ってきたぞ!」という気持ちになり、その全てを思い出す。一人で旅行してるからこそ、こう思える。
大学生の頃聴いていた曲を職場周辺で聴くと似たような気持ちになる。この場所に音楽を連れてこれていることが、いまも地続きで生きていることがとても嬉しく感じられる。
音楽に限らず本もそうで、あの時期に読んでたなぁと背表紙を見るだけで、noteを読み返すだけで容易に想起される。それだけで十二分だなと思う。
#413 連れて行く
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