ゴミバイト

 レジ打ちのバイトは”接客”の代表格みたいな感じで扱われますが、半年やってみての感想は「接客とはちょっと違うかな」といった感じです。

 先輩に「シフトに空きが出てしまった」と言われて特に予定もなかったのでバイトに行ったのですが、僕が見た感じではレジ担当は人が余っていました。で、品出ししないといけないものがどえらい量あったらしく、すぐに品出しのヘルプに回されました。

 僕はレジ打ちか品出しかで言うとレジ打ちの方が楽に思えます。というより、品出しが僕にとってストレスすぎるので相対的にそうなっています。

 先輩に「品出し好き?」と聞かれ、「人と話さないといけないのであんま好きじゃないんですよね」と返したのですが、あまり芳しい反応をされませんでした。
 僕がここで言った”人”というのは、正確に言うと「品出し担当の人」です。普段レジ打ちしかしてないので、どの商品が品出ししていいものでどの商品がダメなのかが判断できないのです。それ故に品出し担当の人とその都度コンタクトを取らなくてはならず、それが僕にとってストレスです。

 僕にとって品出しがストレスな理由はもう一つあります。それは、コミュニケーションを要する接客があるからです。接客の代表格のようにレジ打ちは思われがちですが、コミュニケーション能力は必要ありません。バイト中に発する言葉の95%はマニュアルに書いてあるで、言ってりゃいいんです。
 品出しをしていると、「すみません、〇〇ってどこにありますか?」と聞いてくるお客様がいます。でも基本僕はレジにしかいないし、普段自分が買い出しで利用しているお店というわけでもないのでどこに何があるかまで把握していません。洗顔フォームの場所なんか知らねぇよ。鍋のスープのコーナーが2箇所あるかどうかなんか知らねぇよ。カレーのなんとかってスパイスを取り扱っているかなんか知らねぇよ。ペットボトル飲料を箱買いできるかなんて知らねぇよ。
 僕が思うに、レジ打ちはお客さんとシンボルエンカウント、品出しはお客さんとランダムエンカウントです。レジにはお客と接するために立ちますが、品出しはそんなつもりでやっていません。急に来られるし、定型分やマニュアルで処理できるようなものでもなく、しっかりとコミュニケーションを取ることが求められます。だから、僕にとってはすごくストレスです。


 あれだけレジ担当がいる中で僕が品出しのヘルプに回されるというのが何を表しているのかというと、僕が一番レジ打ちが下手くそ」ということです。わざわざレジ打ちが早い人をヘルプに出すなんてことしないと思いますし。正直、ここ2ヶ月くらいでレジ打ちに関する能力が高まったという実感は全くないし、これ以上高まる気もしません。確実に自分の能力の天辺は天井に着いていてのびしろもクソもないです。

#208  ゴミバイト



 最近、バイト先がスマホ決済に対応したことで、レジ打ちをしている時にしないといけないこと・気にかけなくてはならないことが増えました。全部書いて並べておきます。

・商品のバーコードを通す作業
・目の前のお客さんのポイントカードの有無の確認と登録ができているか
・レジ袋の枚数の確認(2枚重なっていることに気がついていない場合があるから)
・商品券を出そうとする素振りがあるかどうかの様子見
・セルフなのに「レジ袋ください」「箸ください」って言ってきやがる人がいてそれを聞き逃すと「くれって言ったよな?」って文句言われるし、「セルフです」と言ってしまうとそれに気が付かなかったお客さんに辱めを受けさせてしまうかもしれないから、「くれ」と言われたら文句も言わず取って差し上げる方が楽なので絶対に聞き逃さないようにする
・支払い機で会計をしているお客さんが操作にてこずっていないかどうかの様子見
・会計終了ボタンを押しているかどうか
・お釣り(とレシート)の受け取りがきちんとされているかどうか
・お客さんの顔・服装・年齢・袋詰めをしている場所の認識(釣り銭の受け取りをせずにお客さんが行ってしまった場合、当人にそれを返すことができるように意識しておく)
・スマホ決済にてこずっていないかどうか(現金で払っていればもう会計終わってるだろうになぁという人が結構います)
・お客さんがポイントカードを持っている人かどうかの記憶(商品の書い忘れか何かで同じお客さんがもう一回レジに来る場合があり、その時にもう一回ポイントカードの有無を聞くと「さっき無いって言っただろ?」と思われてしまうかもしれないからしばらくは頭の片隅に置いておく)
・会計機のエラーが起きていないかどうかの確認
・隣のレジ担当の人と「いらっしゃいませ、こんにちは、お預かりいたします」のイントネーションが一緒になってしまっていないかどうか(一緒だと真似してるみたいで気持ち悪がられそうだから無理矢理変える)

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