#56 セワシくん問題(東京大阪理論)

「のび太がジャイ子(ちゃん)じゃなくてしずかちゃんと結婚しても、結局巡りめぐってセワシは生まれてくる」って理論、何回聞いても理解できない。でももしその理論が正しいとしたら、‘選択’を気にする俺の心の持ちようは軽くなるのかな。セワシくんの理論が正しいとした場合、人の人生は初めと終わりのタイミングだけが決まっていることになる。そして、‘いつどこでどうやって’死ぬかを人生を賭けて選ぶ。人生が終わるタイミングを、もう初めからそういう“運命”だったんだとして片付けることができるようになるかもしれない。

 話をセワシくんに戻す。何きっかけだったかは覚えてないが、ドラえもんの登場人物のセワシくんが唱える大阪理論とやらを調べた。スーパー簡単に大阪理論を説明すると、「のび太がしずかちゃんと結婚することになっても、辻褄を合わせれば結論セワシは産まれてくる」と言うやつだ。セワシはのび太×ジャイ子の孫の孫なわけで、普通に考えたらのび太とジャイ子が結婚しなかった世界線ではセワシは産まれてこない。そしてそこに、セワシが無理やり産まれてくるように辻褄を合わせるわけだが、その対象となるのは「のび太としずかちゃんの結婚〜セワシ誕生」の期間になる。セワシがどう辻褄を合わせるのか知らんが、上記の期間のうちで当然辻褄合わせのしわ寄せを受ける人が出てくる。
 ただ考えても埒があかないので、とりあえずセワシの言う辻褄合わせがどんなものなのか調べたところ、一番多く出てきたのが「のび太しずかの子とジャイ子の子を結婚させれば、結論的にセワシにはのび太とジャイ子の血が1/16ずつ流れることになるから大丈夫」と言うものだった。現状のセワシは「のび太とジャイ子の血を1/16ずつ」、辻褄を合わせた方のセワシは「のび太としずかとジャイ子の血を1/16ずつ」引いている。名前がわかる3人だからわかりやすいが、辻褄を合わせた時、セワシに流れる血の源流の16人は明らかに変わるはずだ。それに加えて、辻褄を合わせてセワシがちゃんと産まれてくるとしても、のび太×ジャイ子の子供は確実に産まれてこないことになる。明らかにいなかったことになる人が確実に1人いる。さらに、今はセワシ中心に考えているがのび太×ジャイ子の子にも大阪理論が適応されるはずだ。最初に言った通り、セワシの理論が正しいとした場合、人の人生は初めと終わりが決まってることになる。その場合、のび太とジャイ子の血が1/2ずつ流れてる子供の辻褄はどう頑張っても合わない。どう頑張ってものび太とジャイ子の血を1/2ずつ受け継いだ子供は決して生まれない。のび太たちよりもっともっと遡って血筋の辻褄を合わせるのだろうか。そうすると、もはやオリジナル(ドラえもんが来る前の)ののび太の存在すら危ぶまれてくる気がする。辻褄を合わせようとすればするほど、周りのずれが大きくなってしまう。
 セワシくんが辻褄を合わせようとすると、異なるところに歪みが生まれる。セワシは生まれてくることになっても、生まれてこないことになる人が別で出てくる。なんとなく、セワシの理論で、セワシの理論の判例が出来てしまう気がする。
 ドラえもんの話で、タイムマシンで過去をどうにかしようみたいな回で上手くいってる回を見た覚えはない。のび太を大事故から守ったけど、未来のアルバムから事故の写真が消えなかった的な「結局未来は変えられない」みたいなオチが多い気がする。そういうアンチテーゼみたいなもんなのかな。知らんけど。

すいません。
ここまで書いてみて、なんか僕の理論がねじれてる気がしてきました。
せっかく書いたので一応投稿しておきます。
誤字脱字は気づいた時に直します。

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