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雑記⑨「やっぱり"百万聞"も生きてる"一見"にはかなわなかったわ」

1.街のカフェ

数日前、実家へ帰省するために東京駅へ向かった。
東京駅周辺を散歩したかったので、父親との合流時間より4時間前に東京駅に来た。
とりあえずニッポン放送の看板を見に行った。
そしてその足で隅田川の勝鬨橋まで歩いた。
ニッポン放送のある通りを出て、「丸の内仲通り」を通って「晴海通り」へ出た。
丸の内仲通りはビルの間で日差しがあまり当たらない様子で、絵本みたいな雰囲気の涼しげなカフェが何軒かあった。
ゴールデンウィーク真っ只中、どのカフェも人がたくさんいた。

東京、特に都心は歩くだけで精神的に疲れる。
信号待ちとか、人とすれ違う時がキツい。
「歩き方」とか「歩く速さ」とか「服の色」とか「肩突っ込んでまで先頭で信号待ちしてるくせにスマホしてて青になったの気がついてないし歩きスマホしてて足遅いんかよこいつ」とか「追い抜くのが絶妙に難しい速さで歩きやがって」とか色んな人の一挙手一投足が気になってしまったり、「こいつは右左どっちに避けるのか」をもう大量に考えてしまったりする。

歩道から店内が丸見えになっているタイプの飲食店やテラス席がある店の前を通ると、男女がサシで食事をしているのがよく見える。
それを見て浮かんでくるのは「羨ましいな」みたいな空絵事じゃなくて、「よくサシで話持たせられるな」という感情しかない。

先日カレー屋さんに行った時、隣の席に後からカップルが来た。
会話をそれとなく聞いていると、彼氏さんの方が【カレー屋最後に来たのいつか】→【大学生の時教授とカレー食べに行ったことある】→【教授の話】→【大学の話】という話の展開をしていた。
彼氏さんの方が一方的に喋っている時間が長いように感じたが、都度都度彼女さんに質問したりしていたように思う。
話の引き出しとか相槌として5W1Hしか浮かばない僕からしてみればこれでも喉から手が出るほど欲しい能力。
そして、この彼氏さんの話の展開のさせ方はマインドマップそのものだと思う。
中心に「カレー屋」があり、そこから「教授」が伸び、「大学」が連なっている。
会話の発端であった「カレー屋」の話なんて忘れるくらい長く数珠繋ぎにした会話を展開させていく方法。

これを上達させればうまく行きそうな気が今はしてるんですけど、楽観的すぎですかね。

2.すれ違いざま

街を散歩していると、まあ他人とすれ違うわけなんですけど、それが嫌です。
人とすれ違う時に「どっちに避けようか」という攻防になるのが死ぬほど嫌なので、向かいから人が来ているのが分かった時点で僕は相手とは逆側に寄って歩きます。
相手が歩道の中央を歩いている場合は、「若干右寄りを歩いてるな」と思えば左に寄ったり、それも微妙な場合は自分の後ろを歩いている人が歩いている側に合わせます。

たまにこういう状況に合う時があります。
「俺はここまで200mくらいずっと真っ直ぐ左側歩いてきてんだから、その道に信号渡って入って来たお前が逆側に避けて歩けよ」と思います。

たまに、僕の後にもう一人歩いてる時もあります。
こういう時はさらに「2人が避けるよりも1人のお前が避けろや」と思います。
でも僕が逆側に避けます。
こういう赤色ムーブをする人に「こっちが避けるべきだったのに、申し訳ない」とか思われるのがムカつくので、別に何事もなくこの人には生きてて欲しいし、俺が一方的に「思いやりのかけらもねぇ奴だな」と思ってる状況がいいです。

手を繋いだカップルとすれ違う時、少しでも端に寄ろうと努力をしなかったりどっちも縦列になろうとする雰囲気がなかいと「似たもの同士がボケェ」と思います。

目の前を歩いてる人が不自然なムーブや停止、ターンをした時は、わざとらしく靴のカカトを擦らせて音を立ててしまったりします。


いざ人とすれ違う時、僕は視線に困ります。
ちらっと顔でも見てしまったら気持ち悪がられることが想像できるから、なるべくスマホを見ているように見えるように歩く。
顔はスマホに向け、視線だけはできる限り前に向けます。
幸い前髪が長めなので助かっています。
むしろ、そのために長めにしていると言っても過言じゃないです。嘘です。
大学のキャンパスを歩くときは常にこれをしています。

3.飲み会

ゴールデンウィークで実家に帰ったとき、父親と二人で居酒屋に行きました。
家以外で酒を飲んだのは今回で3回目。
1回目は成人式の後、2回目は地元の友達と焼肉を食べに行ったとき。
心のどこかで「俺、意外と飲み会好きなタイプだったりしないかな」「俺って両親と同じで酒強いタイプなんかな」とか思ってたんですが、そんなわけありませんでした。

ご時世で一つもなかったですが、新歓とかあったら死んでたと思います。
食が細い、断れない、吐けない、それに加えてコミュニケーションが苦手、の四拍子が揃っているので僕に飲み会は無理です。

4.g0mr火

春から日本テレビで始まった「午前0時の森」という番組が好きです。

この記事を書いている時点での最新の放送で、一瞬「やらないで後悔するよりやって後悔をする方がいい」という流れになったとき、水卜アナウンサーがその理由として「やって後悔をした方が思い出として良い気がした」と言っていて喰らってしまいました。

5.妹

もう一年前くらいの話なんですが、実家に帰省したついでに行きたいお店がありました。

僕が通っていた高校の近くにあったカレー屋さんで、放課後何度も友達と行ったことがあります。
ラッシーを頼むとテンションが爆上がりする気さくな店主さん。
爆速で出てくるサラダ。
様式便所の背面が全面ガラス張りで男子の場合は正面になって間抜けすぎる自分を見なくてはいけない仕様になってる嫌なトイレ。
その全てが恋しくて行きたくなりました。

「今日、昼にカレー食いに行く」と母親に伝えたら、それが妹にも伝わり、「私も行く」ってことになりました。

僕と同じ高校に妹も通っているので、妹は家→駅に自転車があり、電車の定期があり、駅→高校の自転車もあります。
僕にはその全てがなく、電車賃はまだしも自転車がないのが気掛かりでした。
妹は自転車で俺は歩く、バスに乗る、自転車をどうにかレンタルする、二人でしゃーなしで歩く。
色々考えた結果、「カレー食べに行くのにいくら使うんだ」となり、二人で歩いていく以外の選択肢がないように思えました。
そこで頭をよぎったのが「妹と30分歩きながら何を話すんだ」というのと「自転車がある人をわざわざ歩かせるのは申し訳ないな」というのでした。

結局、「店に電話したけど出なかったから、やってないと無駄足になるから今日はカレーやめとくわ」と嘘をつきました。


今思うと、別に行きゃぁ良かったですよね。

6.バイト先の社員さん

だんだん気温が上がってきてパーカーやコートを着る必要がなくなって来たので、バイト着のエプロンを脱いでワイシャツのまま帰れるようになってきました。
そのせいで、少し先に仕事をあがる社員さんと更衣室前でちょうどバッティングするようになり、「しゃべらないといけない」という状況に置かれるようになりました。
1回目は特に問題なく話せました。
家までどれくらいとか、交通手段とかを聞くと気持ち悪がられるんじゃないかとずっと思っていたのですが、とあるバイトの先輩と喋っている時に「そこまで不自然な質問ではない」ということをなんとなく学びました。
それ以降、”若干プライベートに足を突っ込んでしまいそうな話題”でも相手が広げてきたのであればオウム返しはできるようになりました。
一回目の時、社員さんの住んでる地域、交通手段、所要時間みたいなことを知りました。
まぁ、僕がこれらを聞かれたので、答えた後にオウム返しをしただけではあるんですけど。

その翌々日のバイトの日、また同じ社員さんと出会してしまいました。
正直、もう話すことなんかないですよ。
で、社員さんが「歩いて来てるんだっけ?」と聞いてきました。
全く同じ会話をついこの間したばかりだったのでどうしたら良いのかわかりませんでした。
一回聞いた質問であることを知ってる前提で聞いてきてるのか、もうそれすら覚えていないのか。
どっちかわからなくて、会話を続けられませんでした。

祖父母と会うと毎回「大学への交通手段」「大学までの所要時間」みたいなことを聞かれます。
父親も毎回「フランス語の成績よかったけど得意なの?」ということを聞いてきます。

「この前も答えた気がするけどな」となったとき、どうするのが正解なんでしょうか。
アホなふりして答えれば良いですか?
でも答えた後で相手が「この前同じこと聞いた気がする」とか言い出したらこっちが記憶力ないみたいに思われるじゃないですか。

他人と話す機会が僕は圧倒的に少ないので、しょうもない会話でも僕は結構覚えています。
例の社員さんが「私、家遠いから先に帰るね」とバイトに言ったときがあったのですが、何も考えずに「家まで一時間ですもんね」とか言ってしまいました。
ただ、言った後で「キモがられてないかな」と心配にはなりました。

7.外見の変化

本当にそんな人がいるのか知らないですけど、「髪の毛切った?」「化粧変えた?」みたいなのを恋人に言われると嬉しい人たちがいるらしいじゃないですか。

正直、僕には理解できない価値観です。

家族とか友人とかバイト先の人に「髪の毛切ったね」「メガネ変えました?」みたいに言われるのがマジで嫌です。
「自意識過剰になってしまう」みたいなことを言うと、「みんなそんなお前のこと気にしてない」とか「誰もお前なんかのこと見てない」みたいな言い方をされがちです。
でもこれが表してるのは「見られてる」という事実だけです。
こういう時「どっちが自意識過剰なんだ」と思ってしまいますが、胸の内に秘めておきます。

これを恋人に言われた時に僕の中のこの価値基準がひっくり返るとは到底思えないです。


8.それにしては見つける

2020年2月29日、3月7日放送の「あちこちオードリー」(テレビ東京)にお笑いコンビ「ピース」の又吉さんが出演された時、

・変なことに気づいてしまうことに対して「こんなこと気づいてしまうの嫌やな」「気持ちが醜いなぁ」って思う
・「こういうことを思ってはいけない」「こんなこと思ったらアカン」って思う
・基本的には人の揚げ足取りに行ったりするの嫌だけど、「にしては見つけるな」
(意訳)

というようなことをおっしゃっていました。
自意識過剰を脱するにはまず自分が斜に構えることと価値下げをやめないといけないというのはわかってます。
そういう気持ちを鎮めるために、人のことを過剰に慮ってみたりもしました。
こじつけでも良いから理由を見つけ出して、全てを「しょうがない」の枠に押し込んで嫌な気持ちを押し殺そうとしたけど限界がありました。
でも、幼稚園生のころからずっとこういう人間性でやってきて今更それを押し殺せるわけありませんでした。
でもだからと言って「無理でした!!!!」と開き直るのは微かなプライドが許しません。

自分も含めた”人間”の嫌なところが、すごく見えます。

9.許容し過ぎた

先週の「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)のオープニングトークを聞いて思ったことがあります。

世間から弾かれて来た側の人は自分が”弾く側”にならないよう気をつけるけど、当の弾く側の人は否応なく弾き続けるから意味ないですよね。

まさしく、「俺たちは許し過ぎた」んです。


#270 雑記⑨「やっぱり"百万聞"も生きてる"一見"にはかなわなかったわ」

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