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【読書感想文とは言えない何か】

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読書感想文と少しの自分語りです
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#コラム

『もういちど生まれる』

 今年の春休み中、地元の友人が一人就職するということで、友達何人かで焼肉を食べに行くことになった。 夕飯を食うだけかと思っていたら昼前に友人が車で迎えに来て、昼飯を食い、車で1時間以上かかるショッピングモールに行き、焼肉屋に着いたのは18時すぎくらいだった。 この日の発起人が運転手をしていたため、そいつはお酒を飲まなかった。(当たり前) 各々の実家から徒歩で行けなくもないくらいの距離の焼肉屋でみんなで酒を飲むのが一番良かったはずなのに、時短営業の影響でショッピングモールからの

『正欲』

 多分、一年以上は本棚の隅っこに置いてあった気がする。 なんとなく放置していたけど、やっと読むことができた。 元気とか正気みたいなものは、どこかへいってしまった。  結局、理解されない側は理解してくれない側のことを理解しようとしない。 ”理解してくれない側”が歩み寄ろうとしてくることすら拒絶するほどに、理解しようとしない。 排除してきた側が大義名分を振り翳して歩み寄ってくるのは胸糞以外のなんでもないから、しょうがないよなと思う。  登場人物らはそれぞれ相反することを言って

何者でもない

「何者かになる」という探究を成し遂げた人間を俺は見たことがない。 ”俺が好きな人たちと読んだ小説の中に”というだけではあるが、見たことがない。 南海キャンディーズの山里さんは漠然と「何者かになりたかった」けど、自身は天才ではないからその差を努力で埋めようとした。モテたい気持ちや嫉妬を燃料にし芸人になった。 ピースの又吉さんは、芸人という変わり者になれば「何者かにならなくていい」と思い芸人になったが、結局は「何者かであること」を求められてしまっている。 又吉直樹さんの著作『人