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発達障害の頭の中

「大人の発達障害」が徐々に、世間で認識されるようになりました。
私はコロナ自粛の最中に診断され、今少しずつ向き合っていくところです。

発達障害であると、なにが苦手でなにが得意なのか、本やネットで書かれていますが、今回は私が自覚した「発達障害らしい感覚」をご紹介しようと思います。

私の場合、ADHDとASDの併存なので、どちらの症状と言いにくい部分があるのですが、「こんな風に感じているんだ」と体験してもらえると嬉しいです。

自分でも不思議な取り違え

発達障害の中でもADHDは「不注意」や「衝動性」が高いと言われています。そのせいで、ケアレスミスや計画性のない行動などを引き起こします。また頭の中が混乱しやすいので、マルチタスクが苦手な上、忘れっぽいという性質もネックになっています。

例えば、Aさんの書類を書いているときに、Bさんの件を話しかけられると「Aさんの書類にBさんの情報を書いてしまった」ということが起こります。
後から自分で見直して驚きますが、話しているうちに頭の中が混乱してしまうのです。(そんなはずでは...という感覚です)ある程度誰にでも起こるとですが、その割合が高いことが発達障害の困ったところです。

またマルチタスクが苦手なため、作業中に別の作業を頼まれ、さらに呼び出しがあって対応していると、そもそも一番初めに手をつけていた作業をすっかり忘れることもあります。短期記憶のキャパは少ない上、いろんな方向に考えが飛ぶため、頭が追いつかなくなる感覚です。
そんな時は一番初めの作業がわかるように、データーを開いておくなどの対策をしています。

逆にいうと忙しすぎる部署ではなく、ある程度落ち着いて自分のペースで作業ができる場所に置いてもらうと、これらのことは軽減するのです。

ADHDの特性なのか、急に話を振られると焦ってしまい、「やらなきゃ!」と思いながら飛びついてしまいます。そうでなくて「ある程度目の前の作業の目処がついてから、取りかかればいい」とわかると、ホッとして余裕につながるのです。

よくも悪くも多動力

思い立ったら吉日なのが、ADHDの衝動性です。
私も今まで趣味や旅行にこの行動力を生かし、いろんな挑戦をしました。

これが仕事になると、少し厄介になります。
「関係者への確認を飛ばしてしまった」「確認せず先走って行動してしまい、徒労だった」ということも引き起こします。特に忘れっぽさもあるので、頼まれた時に作業を終わらせようとして、優先順位を取りちがえることもしばしば。ぐっと抑えられる感情コントロールが必要です。

衝動性はどちらかというと、子供の時に感じていました。
何か怒りを感じた時に、言葉ではなく手が先に出ていたのです。女の子で力も弱かったので、誰かをケガさせることはなかったですが、うまく言葉にできない気持ちを暴力で発散したのだと思います。

他にも小学生の頃、考えているときに、よく机の周りをぐるぐると回っていました。
そのほうが頭の中が整理できて、気持ちが落ち着いていたのです。この話を医師にした時に、興味深く聞かれていたので、発達障害の特徴のひとつかもしれません。

よくいうとフットワークの軽さがあるので、それを活かせる仕事がいいのかも。慎重に進める業務を振られると、モヤモヤしながらTO DOリストとにらめっこしています。

夜更かしできなかった学生時代

発達障害の特徴の一つに、体力のなさが挙げられます。
必要ないことまで頭の中で考えすぎて、普通の人より体力を消耗してしまうと言われています。が、悩みの少なかった小学校の頃からよく寝ていたので、それだけではない気もします。

私の場合も体力がなく、社会人になってから体調不良を頻回に起こし、大変苦労しました。悩んだ挙句、ヨガやジムに通って、なんとか人並みに生活できています。運動をすると頭の中もスッキリします。考えがこんがらがりやすい発達障害でも、頭が冴えてくるのでオススメ。ウワサレベルですが、比較的軽度の人は運動習慣を持っている人が多いそう。今後運動との関係性がわかるかもしれません。

学生の頃はオールカラオケが流行りましたが、当時から全くダメで、テスト前の一夜づけも成功した試しがありません。なので若い頃から、自分の体力には期待はしていませんでした。学生の頃はいいですが、社会人になる上で体力をどうつけていくかは、考えた方が良さそうです。

想像力のスパイラルに巻き込まれる

想像力が豊かだと言われるADHDは、なぜかネガティブへの思い込みが強いそうです。これはいろんな否定的な経験からくるような気がします。

被害妄想が激しく、疑心暗鬼。これではうまくいくはずの人間関係も、壊れていくしかありません。「〇〇してくれなかった」と他力本願の思考に陥りやすいので、自分の非を認めるのも難しくなってしまいます。

私も少し注意されたことが、どんどんネガティブに考えてしまい(止めたくても考えが止まらず)とても辛い気持ちになったことがあります。そうなると、相手とうまくコミュニケーションも取れず、仕事にも支障をきたしてしまいます。そういえば「注意されるのが苦手だよね」と言われていましたね。
というのも、過去にあったいじめなど、辛い経験がフィードバックしまうのです。発達障害は特性上、人間関係で悩む人も多いんです。

私もそれまでにいい経験がなかったため、「人間関係の作り方」がわかりませんでした。当時の私は無意識に「いつも関係性がこじれる」と思っていたので、その通りになっていたのです。自己肯定力が高くないと、発達障害であろうとなかろうと、人との付き合いは難しい...。

そんな私を助けてくれたのも人です。いろんな人と触れて「世の中悪い人ばかりでない」ということを知ること、考え方も少しずつ変わってきます。身体が辛い時は、考えも否定的になっちゃうので、運動や趣味などで心をスッキリさせておくことも、抜け出せる第一歩ではないでしょうか。

苦手な片付けができるようになる

あれができない、これができないと言われがちな発達障害ですが、大人になるにつれ、少しずつできることも増えていきます。

私の場合は部屋の掃除がそのひとつ。部屋が散らかって、掃除機もなかなかかけないような部屋でしたが、今は比較的整っている部屋を保てています。

きっかけは失恋です。当時大好きだった彼に振られて、悲しみのあまりいろんな恋愛本を読み漁っていました。その中に「断捨離で運気をよくする!」という本に出会い、藁をもすがる思いで実践。
毎週大量のゴミを排出しては整理整頓術を身につけ、見事にキレイなお部屋を手に入れたのです。なのにいっこうに彼に振り向いてもらえず、なんども断捨離を実施。(断捨離と失恋は関係ないのに)

おかげで、部屋をキレイに保つスキルが身につきました。悲しさを味わった恋愛でしたが、ADHD特有の部屋が片付けができない惰性は、クリアできたと思います。(クローゼットの中は雑だけど)

こんな風に、学習能力で少しずつできることも増えてきます。
苦手かもしれないけど、全くできないこともないので、長い目で見守ってくれると嬉しいです。

あとがき

発達障害は凸凹した脳のクセがありますが、私たちも少しずつ大人になっていきます。世間で言われているような、「生きづらさ」ばかりを感じているわけではありません。
「自分が自分でよかったな」という瞬間もたくさんあり、それが社会にも還元できないかなと思います。

逆に発達障害を病気のように捉えて、自分を動けなくするようなことにはしたくない。これは私の願いでもありますが、個性だと捉えて働いていきたいです。

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