access「2020 LIMITED CONCERT SYNC-STR」のライブ配信を夫と観た結果
2020年12月25日。クリスマス当日、accessによる有料生配信がおこなわれた。
accessのホールツアー「2020 LIMITED CONCERT SYNC-STR」のライブ映像を、大ちゃん&HIROと一緒に観ようというファン垂涎の企画である。
私は当日、残念ながら参加できなかった。
映像はその後も期間限定で有料配信された。
年が明けて10日経ち、ようやくaccessのライブ映像にありついた。
以下はその一部始終である。
* * *
シャンパンは雪解け水みたいに冷えている。
ローストチキンもこんがり焼けた。
ちょっといいワインも、チーズもナッツも、冬眠できそうなくらいたっぷり用意してある。
accessのライブ配信チケットも買った。
iPadとテレビをAirPlayで接続した。
完璧すぎて泣けてくる。
私にもようやくクリスマス(と誕生日)がやってきたのである。
・・・と思ってた。ライブ映像が流れるまでは。
* * *
ふたりのトークから、映像はライブに切り替わった。
買ったばかりの、49インチの画面に美しい映像が映しだされる。
これだけで失禁しそうなほど感動した。
私は立ち上がり、シャンパングラスを振り回して「どきどきするう」とか言う。
今日ばかりは彼に何を言われようが関係ない。どうせろくでもない文句をつけてくるに決まってる。
そんなもん無視して、最後まで堪能しつくすだけである。
オープニング曲のイントロ後、HIROが歌いはじめた瞬間だった。
彼が「うわっ」とつぶやいた。
この野郎何かひとことでも抜かしたらぶっ殺す、と思っていたら、まったく違うことを言い出した。
「音、悪すぎだよ。耳が痛い」(※1)
彼がリモコンで音量を下げる。えっそんなに下げちゃうの。喉もとまで出かかる。
でも本当につらそうな顔をしている。大げさに言っているようには見えない。
すると彼は予想だにしない行動に出た。
iPhoneを持ったかと思うと、今回の配信まわりについて調べ上げてしまったのである。
うん、うん、と私は彼の説明を聞く。今日は楽しいクリスマスである。雰囲気を壊したくないし、一生懸命しゃべってるから聞いてあげる。
でもライブはどんどん進行していく。
いいじゃん、そんなの。見ようよライブって、言えない。
ようやく終わったと思ったら、今度は大ちゃんの機材を説明しだした。
しまいには「あれマトリクスブルートじゃない? あれいいシンセなんだよ。いいな、ほしい」とか言い出した。
その、なんとかブルーの説明までしはじめてしまった。何なの。店員なの。
「ねえ、20万8千円だって。安くなったな~。買っていい?」
見ろよ、ライブ。
この時点で前半の前半が終わっていた。ライブがぜんぜん頭に入ってこない。
集中力を欠いたまま画面を観ていると、大ちゃんがグランドピアノで『TEAR'S LIBERATION』を弾きだした。
弾いている手元がアップになっているからか、実際のライブを観た時より感動的だった。
何か泣きそう、と思ったら涙が浮かんできた。
もう、いいやと思った。大ちゃんが弾いてるのを見て感動できたんだから。
無事にクリスマスを迎えられたんだから。
* * *
配信は、残念ながらあんまりちゃんと見られなかった。
ライブ映像はファン同士で観るのがいちばんだ。もしくはひとりで心おきなくみっちりと楽しむべきである。
いや、違う。最初からちゃんと観られるなんて思ってなかった。
ライブを観ながら、クリスマス気分を味わいたかった。
全部を忘れてキャッキャしたかった。そんだけだ。
そんな乙女心が一ミリも分からないクソ鈍感の馬鹿野郎が、映像を観終わったあとにこう言った。
「オレ、大ちゃんのローディーでいいから行ってみたい」
大好きじゃねーかよ。
(※1)
ライブの音は、「PAからの出力」「アンビエンス (会場のエア音)」の2つをミックスして配信 (あるいはDVD化) されます。
彼いわく「ミックスが悪い (アンビエンスでかすぎ)」ため、今回のライブ配信は音が悪いという評価でした。
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