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写真で写しとめたいもの

昨日のカフェで耳に入ってきた隣のご高齢のご婦人方の会話、

「もう歳だしね~。先が見えないこと、心配ばかりして閉じこもっていたら何もできないまま死んじゃうかもしれないしね」

「そうそう。どうせいつかは死ぬんだから、だったら今楽しまなくちゃ。それでコロナにもし罹っちゃってもいいかなって思うようになったわ。」

あ~、まさにその通りだなぁと思いながら聞いていた。

それでも心の中にある不安。

楽しまないとと思いながらぬぐいきれない不透明な心の中。

カメラを持って外に出たところで、そういう心が奥底にあって、
なにかモヤモヤしている。
気分をあげなくちゃ、明るい写真を撮らなくちゃ、
もともとポジティブなほうではあるけれど、心の奥底に抱えた虚しさは
消えるわけではない。
いろんなものを抱え込んで重たくなった心。
心の中には明もあれば暗もある。
どっちも自分。
明は、外に出しやすい感情で、自分でも受け止めやすい感情。
それは写真で表現しなくてもいいかなと。

写真は正直な自分の奥底の心を写しとめたい。
自分の暗の感情を自分で見つめて受け止めて認めてあげられるのが写真。
それが私が写真を好きな理由なんだよね。

写真で無理することはない。
モヤモヤしてるならモヤモヤしてる気持ちをそのまま撮ろう、
不確かですっきりしないものはそれはそれで美しい。

昨夜、雲がかかってぼんやりとしているお月さまを見ながら思った。

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