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【カラダ】筋トレは必要か?

歩行「1日60分以上」、筋トレ「週2~3回」で健康に 国が推奨へ
といった記事を、先日見かけました。

個人的な意見としては筋力を鍛えることは必要だと思います。
ただ「筋トレ」の定義によります。ただ闇雲に負荷をかけてトレーニングをすることには反対で、不要だと思っています。


人任せすぎて、自分の体を知らなさすぎる

  • 自分の体を知らないまま負荷をかけたトレーニングをすれば、ケガのリスクが高くなります。

  • 自分を知らなすぎると、誰かの言いなりになります。誰かに利用されていることに気づくことができません。

りとるジムが在る通り10Mくらいの間に治療院が3つあります。この街にはとにかく治療院がたくさんあります。病院もたくさんあります。

全くないより良いと思います。

病気以外で問題なのは、利用者の多くが「誰かに治して欲しい」という意識が高いことと、「自分でどうにかしたい」と言う人の力になれる治療院・病院が少ないということ。

情報が溢れているこの時代、誰が発信したのかもわからない情報に振り回される人がいます。

普段から自分の体(健康)に向き合っていれば、体がどんな状況か、何を必要としているのか、どこへ行けばいいのかは大体わかるようになります。

10年くらい前にNHK教育テレビに出演したときのこと。放送翌日に電話がかかってきました。
「膝が痛いからそちらに行こうかと思って。」
高齢者のような声と話し方だったので、
「念のため、病院で骨などに異常がないかどうか診てもらってからの方がいいですね。」
と応えると、相手は了承し電話を切りました。翌日、再度電話がきました。
「整形外科に行こうと思ったのに、全然予約が取れないの。」
「どこの病院へ電話したのですか?」
「昨日、テレビに出てた整形外科の先生のところよ」
「そういった病院は混雑するので近所の病院で大丈夫ですよ。骨などに異常がなければ運動療法で解決できると思うので」
「本当に?近所の病院で大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。でも、お膝が痛いのは辛いですね。どうしたんでしょうね。」
「2、3日前にぶつけたの。」
「そうでしたか。あと数日すると痛みは取れそうですね。それでも痛みが取れない場合は再度お電話ください。」
その後電話はかかってきませんでした。

自分の体と向き合う。
 ・原因はなんだろう?とりあえず振り返ってみる。
 ・何をした時に「調子が良い!」と感じるのか。
 ・何をした時に、どこに痛みが生じるのか。
考えてみましょう。
テレビや雑誌、SNSなどの情報を漁る前に、しっかり自分の体に問診、視診、観察。

高齢のクライアントさんが、ご友人に誘われて運動施設に体験に行ったときの話です。
運動終了後に「これを買ってここで飲むのよ」とプロテインを勧められました。私のクライアントさんは料理をしっかりされるので栄養に偏りはありません。そしてとても健康です。にもかかわらず「運動した後はプロテインを飲まないと台無しなのよ」としつこく勧められました。「いらないわよ!」とお断りして帰ってきたそうです。

自分を知っておけば不要なものがわかります。
自分をしならすぎると、健康詐欺にあうリスクが高くなります。そして気づかないうちに、その詐欺の片棒を担いでしまうかもしれません。


小さな筋肉(姿勢筋)を鍛える

「大きな筋肉を鍛えれば、消費エネルギーが上がり痩せますよ」と聞いたことありませんか。私はこれには否定的な考えを持っています。

筋肉には収縮順序があります。
筋肉A、筋肉B、筋肉Cがあったとして、これから同時に収縮(働き)を始めるのではなく、それぞれの役割に沿って、順序よく収縮します。この順序が逆転したり狂ってしまうと痛みを発症します。

大きな筋肉が主導して働き出すことは、私の知る限り、ありません。

小さなか筋肉とは、骨のすぐ近くにあり、骨を直接支える筋肉です。姿勢を作る筋肉でもあります。

大きな筋肉とは、骨からは遠く離れたところの表面上にあります。骨を支える役割はありません。大きなパワーを生む筋肉です。

小さな筋肉は、大きな筋肉より、必ず先に収縮します。
理由は、骨を支えること(特に背骨)が優先してされないと腰痛やケガをするからです。これは「ケガの可能性を高める」ではなく「必ずケガを発症させます」。

ビルの基礎がしっかりしていないと、その上に乗っているビルはグラグラです。どんなに素敵なデザインであっても、ちょっとのことで崩れます。
基礎が骨を支える小さな筋肉、ビルが大きな筋肉です。

大きな筋肉を鍛えることと、ケガの関わりについてはまたどこかで紹介しようと思います。

大きな筋肉が姿勢に関わりをもたないわけではありません。小さな筋肉のサポート役として骨・姿勢を支えることができません。ですが、やはり「2番手」なのです。
だから、年を重ねていって大きな筋肉の筋力を保てなくなった時、どうなるでしょうか。

高齢になって姿勢が崩れるのは小さな筋肉が働いていないからだと思います。

高齢になっていきなり筋力が低下するわけではありません。
ずっと大きな筋肉ばかり使って姿勢を維持してきて、小さい筋肉を全く使ってこなかった(無意識)人が高齢になると、大きな筋肉が衰退して姿勢を支えることができなくなります。だから高齢者に姿勢が崩れている人が多くいるのだと、私は思います。

反対に、大きな筋肉は鍛えてこなかったけれど、姿勢だけ維持してきた人は高齢になっても姿勢を維持することができます。ケガをしても運動療法で早い改善が期待できます。

整形外科や治療院には無縁で、ずっと自分で健康を維持してきた高齢の方がいます。在る時事故に巻き込まれて足をケガしてしまいました。自分ではどうすることもできず、相当な苦労をされたようです。そしてある方の紹介で私のところにお越しになりました。歩き方の姿勢強化から始めましたが、元々自分の体がどのように動くか知っているので、ものすごいスピードで改善しました。数年もの間、杖をつきながら大変な思いをしながら歩いていたのに、私のところへ通い出してからたった2ヶ月でスタスタと歩けるようになりました。

高齢のクライアントさんたちには徹底して姿勢を指導しています。歩き方、階段の上り下り。すると、普段歩いている時、階段の上り下りをするとき、私の言葉が頭の中で響くのだそうです。「お尻に力を入れる!上半身を伸ばして!肩は上げない!」など。
階段を楽に上がれるようになった、歩く姿勢が綺麗になったと、>70の方々から頻繁に報告を受けます。


筋トレは必要か?

「筋トレ」「筋力トレーニング」を聞いてどんなものをイメージをするでしょうか。
重り・ウェイトを持って(負荷をかけて)行うトレーニングをイメージでしょうか。

私の解釈では「筋肉を強化するもの」は全て「筋トレ」だと思っています。
そういった意味では「健康維持・向上には筋トレは必要」です。

ウェイトを持って大きな筋肉を鍛えるトレーニングは不要だと思います。

大事なのは、痩せた太ったの話ではなく、生活の質を落とさないことではないでしょうか。

よく>70の方々と話をしますが「維持はすでに維持ではない」です。
高齢になると、何をしなくても筋力が落ちていきます。だから「去年と同じ」はすでに向上です。

高齢になる前からしっかりと小さな筋肉・姿勢を支える筋肉を鍛えておけば、不健康が理由で何かを諦めたりする必要はなく、それどころか幾つになっても新しいことにチャレンジできます。

ちなみに、りとるジムをご利用の>70の方々は、65歳を過ぎてからできなかった正座ができるようになったり、自宅の階段を手すりにつかまらないと上り下りできなかったのができるようになったりしています。小走りできるようになったという方もいるので、転倒しない走り方や上手な転び方の指導もしています。


中学生の頃から知っているお嬢さんがいます。社会人2年目?くらいになり、足(foot)やお尻の機能が落ちてきました。本人もそれに直面して「おかしぃな〜」と苦笑い。
社会人になると、自分の体を気にする時間が一気に減ります。「40代になってからではなくて、今のうちから時々体をチェックしてね。」と告げました。

運動をする側の意識改革には、指導する側のレベルアップが必要不可欠。
「うちの治療院、一日に300人回すんすよ」なんて儲けばかり自慢げに話す治療家が減って、本気で健康を考える指導者が増えますように!

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株式会社りとるジム
カラダとココロのメンテナンス
www.littlegym.jp

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